ワイヤレスジャパン2018:NTTドコモ、LTE回線を利用した遠隔操縦で時速100km以上の飛行が可能なVTOL機型…

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災害時の情報収集に効果あり!docomoがLTEを活用した高速飛行可能なドローンを展示


東京・お台場の東京ビッグサイトにて5月23〜25日の3日間に渡って最新の無線技術の動向や関連するサービスおよびソリューションなどの展示会「ワイヤレスジャパン2018」(主催:リックテレコムおよび日本イージェイケイ)が開催されました。

併催イベント「ワイヤレステクノロジーパーク 2018」および「運輸・交通システムEXPO 2018」、「ドローンソリューション&技術展」が同時開催され、これまでにいくつかの展示ブースを紹介してきましたが、本記事ではNTTドコモのLTE回線を利用した遠隔操縦およびリアルタイムでの映像転送が可能なVTOL機型のドローンを紹介します。

【実はメリットの多いVTOL航空機型ドローン】


VTOL機のドローン(検証実験で使われた実物)

今回展示されていたドローンはNTTドコモとエアロセンスが開発したVTOL航空機のドローンで、去る今年3月18日にNTTドコモとエアロセンス、福岡県と共同で行った防災インフラ活用を想定のLTEネットワークを利用した広域リアルタイム映像伝送の映像転送実験に使われたものです。

VTOLとは

VTOL(ブイトール)とは、Vertical Take-Off and Landing(垂直離着陸)という意味。固定翼機でありつつも、その意味の通り垂直に発進・着陸が可能なため、滑走路などが不要かつ不整地への着陸ができる。

ちなみに、我々が「空を飛ぶドローンと言われて真っ先に思い浮かべるであろう、マルチコプター型のドローン」やヘリコプターなど固定翼を持たないことからVTOLに含まれないためVTOL機でなく、今回のドローンをVTOL航空機型と呼ぶ。

パっと見た目には完全に飛行機の姿をしていますが、れっきとしたスマートドローンで、メインの大型プロペラの他に姿勢制御用の小さいプロペラを3基備えており、離着陸はマルチコプターのように垂直に行い、大型のプロペラを稼働させてプロペラ飛行機の原理で高速飛行を行うことができます。

説明員によると、実証実験の際には平均して時速90km(最大速度は時速130kmほどで、通常のドローンでは達成不可能な速度です)で、九州本島の福岡県内から同じく福岡県内の離島である玄界島まで海上飛行しながらLTE通信でリアルタイムで映像を撮影し、ネットワーク上へ転送することに成功したということです。


ブース内に展示されていた概要を解説しているパネル

ドローンに搭載していたLTEモジュール

映像の転送や位置情報の送信、操縦はすべてLTEネットワークから行っており、LTE基地局の電波の届く範囲であれば、どこでも使用可能というのも大きな特徴でしょう。


遠隔監視・映像伝送システムの画面

固定翼機型にすることで高速飛行が可能になり、早く目標へ到着が可能としつつも通常のドローンのようにどこからでも発進できる両者のいいとこどりなところが最大の強みでしょう。(その代償として、ドローンとしてはかなり大型化していますが)

そして、その強みを活かして、離島などで災害が発生した際にいち早く現場へ向かわせて現場の状況を把握することができます。説明員からは「先日の実験では防災インフラとしてのVTOL型ドローンの活用とリアルタイムでLTEを使った映像転送の検証を行いました。また、超えないといけないハードルはいくつもあると思いますが、他の活用法も色々あると思うのでそちらも調べていきたい。」ということでした。

高速飛行可能でLTEのネットワークがあれば活躍の場所を選ばない、VTOL機型のドローン。今後も色々とテストをしていくということで要注目かもしれません。

記事執筆:河童丸

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(引用元:livedoor news)

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