横綱・日馬富士の暴行騒動 ビール瓶殴打は「悪しき伝統」だった

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横綱・日馬富士によるビール瓶殴打事件で思い出されるのは、2007年に起きた時津風部屋力士の暴行死事件です。当時17歳の少年が、部屋の師匠である当時の時津風親方(元小結・双津竜)らによってビール瓶で殴るなどの暴行を受け、死亡した事件です。この件により、当時の親方は解雇され、のちに有罪判決を受けています。

その事件の際には、角界の関係者から驚くべき証言がなされました。2007年10月20日に放映されたテレビ朝日の人気番組「朝まで生テレビ」にて、「激論!国技・大相撲に未来はあるか?!」と題された特集が組まれ、同番組に出演したタレントの龍虎さん(元小結/故人)は以下のように語っていました。

「ここ(額)は強いんですよ」

「だからここ(額)をバカーンとやっても大丈夫」

「我々の時代は、リンチの場合はビール瓶でやれと(言われた)」

「そのリンチを耐えて伸びた一握りの人が(強くなる)」

この特集では、角界での厳しい指導の行き過ぎについて討論がなされていました。角界の伝統である「かわいがり」という名の師匠・先輩力士からの厳しい技術指導と、土俵外での「リンチ」との区別がつきづらく、部屋という閉鎖空間で行なわれる「かわいがり」は「リンチ」なのではないかという討論です。

その際に龍虎さんは前述のようなコメントをしながら、どちらも指導的な意味合いを持つものであるが「土俵の上で行なわれるのはかわいがりであり、土俵の外で行なわれるものはリンチである」と、持論をまとめました。そうした指導においては、ビール瓶で「バンバンやりますよ」と申し添えて。

一部報道では日馬富士が殴打に至る前に、貴ノ岩の生活態度を注意するなどしていたといいます。説教中の怒りがビール瓶での殴打に結びついたのだとすれば、まさに角界の「悪しき伝統作法」が再び現代に甦ったといえるものでしょう。

伝統的に行なわれていたことが、今もなお引きつづき行なわれているからこそ、「よくある話」として殴打から発覚までの時間がこれほどかかったのではないか。そのような世間の疑いを払拭するには、日馬富士への処分だけでは不十分と言えるのではないでしょうか。日本相撲協会は本件の調査に留まらず、今一度角界全体の引き締めを図る必要がありそうです。

(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/)

(引用元:livedoor news)

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