西野朗氏が語る、W杯初戦で香川真司をスタメンにした理由

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2日、NHK・BS1では「激白!西野朗×岡田武史 サムライブルーの未来」と題し、昨年行われたロシアW杯で日本代表監督を務めた西野朗氏と元日本代表監督・岡田武史氏の対談を放送。西野氏は、日本代表が決勝トーナメント進出を果たした同大会の舞台裏を語った。

まずは昨年6月19日、W杯初戦で強豪・コロンビア代表を破った一戦から。

「前日の夕食を食べ終わってさらにミーティングをもう一度やって最終確認をするんだけど、どうしてもネガティブ、ネガティブ(になる)、ハメス・ロドリゲスをどうやって皆で抑えるか、前日の9時を回ってもまだ個別に対応しなきゃいけない。どうしよう、どうしよう、フリーキックで飛ぶか飛ばないか、どうしようなんていう話を、ネガティブなことをまだ前日の夜にやってる」

前夜の様子をこう明かした西野氏は、モチベーションビデオなどを使って選手たちが開始からトップギアで試合に入れるよう、あれこれ気を遣ったという。

それでも西野氏は「初戦の相手がどう出てくるかって強豪国であればあるほど、そうトップギアに入れてこないっていうのをものすごく意識できる。前半だけとか開始直後とかっていうところの中で自分達がどう出るか。主導でコントロールできるんじゃないかっていう、それがワールドカップの初戦だなと思ってた」とも。

そんな初戦の立ち上がりについて「結構前からプレッシャー(をかけに)いった」という岡田氏に対し、西野氏は「行け行けっていうのは皆いわなくてもそういう気持ちになっているから、あまり強調しすぎてなかった。そんなにハイプレッシャーに行って相手を驚かせるようなパフォーマンスで行けとは言ってない」という。

また開始3分、数的アドバンテージを得た上にPKを獲得した場面については、「2回目に(パスを)出したのが香川真司で、香川真司がまたここ(ペナルティエリア前)まで50メートル走ってっていう。(大迫勇也にパスを)出しっぱなしではなくて連続してプレーしている。ここにあいつが出てくるとは思わなかった」と香川のプレーを評価。岡田氏から「PKキッカーは決めてたの?」と訊かれると、「何人かはいってた。でも真司とは決まってない」という。

さらに岡田氏が「このPKで真司は生き返った」と話すと、西野氏も「真司とは本当に毎晩話して、やっぱり90分(出場すること)に本当にこだわっている選手なんで。このゲームもそうだし劇的に彼はゲーム感覚を取り戻したんだよね。短い間で。で、スタートメンバーに入ってもらった」などと香川をスタメンで起用した理由を明かす。

また、前半39分には、コロンビア・キンテーロが蹴ったグラウンダーのフリーキックで同点に追いつかれた日本代表。「それも前日の9時過ぎまで(壁になる選手達が)飛ぶ飛ばないっていう話をしてて、このキンテーロは下を崩してくるっていうのはわかってたにも関わらず、みんな揃って飛んでる」と苦笑いを浮かべた西野氏は、「あれほど飛ばないっていってたのに。それは(川島)永嗣も判断は少し遅れちゃう」と続けた。

その他にも、ハーフタイムの出来事を明かした西野氏。「バックアッパーたちが『最悪(同点による)1ポイントでいいんだから』っていうようなそういう声がすごい多いわけ。やっぱり同点に追いつかれたし後半コロンビアがガンとくる予測もあったし。で、1ポイントでいいんだ、いいんだっていう雰囲気があった」と話すも、「最後それを一蹴したかったわけよ、俺は。勝たなきゃいけない、勝てるゲームなんだよって」と振り返る。

結果、大迫の決勝ゴールで大事な初戦を勝利した日本代表。西野氏が「この1試合で16(トーナメント)をイメージした」と話すと、南アフリカW杯の初戦でカメルーンを1-0で破っている岡田氏は「(当時は)まだいけるっていう手応えまではいってなかった。今回は見ててコロンビアに勝った瞬間いけるなと思ったね。今回の選手達っていうのは今までの壁といったらおかしいけど、何か1つ超えたなと。日本のサッカーが確実に1つ超えたなっていう感触を受けた」と述べた。

(引用元:livedoor news)

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