王貞治氏、50年前から現代に匹敵の打撃 「日本はスモールベースボールをやる必要がない」

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11日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、侍ジャパンの稲葉篤紀監督が、元監督の王貞治氏と対談。打撃やホームランの重要性について話し合った。

侍ジャパンの指揮官として先輩である王氏は、ホームランこそが「試合の流れを変える」と指摘。2006年のWBCで自身が指揮を執ったときよりも、稲葉ジャパンのほうが「可能性のある選手が多い」と期待を寄せる。

メジャーリーグでは、「フライボール革命」という新たな潮流が生まれている。極端な守備シフトの上を抜こうと、ゴロを転がすよりもフライが重視された結果、ホームランが激増したのだ。

昨年のメジャーのシーズン本塁打数は、史上最多の6105本を記録。球団初の優勝を遂げたヒューストン・アストロズは、ワールドシリーズ史上最多の15本というホームランを放った。

そこで、改めて見直したいのが、「世界のホームラン王」の打撃だ。番組では、最新テクノロジーを使い、王氏が通算700号を放った際のバッティングを分析。打球速度は昨年のメジャーの平均を時速10キロ以上上回り、スイング角度はフライを打つのに理想とされる19度に迫る17度だった。

王氏自身は「フライを打つという感覚よりも、一番こうやって打ったら遠くに飛んでいくという感覚」だったとコメント。ただ、本塁打を求められていたため、スイングの角度は意識していたという。ネクストバッターズサークルで振っているのと、打席で振るスイングは全然違うものだったそうだ。

また、王氏のすごさを物語るのが、1964年5月6日の試合のエピソード。対戦相手の広島カープは、守備位置を右に寄せる「王シフト」を敷いていた。現在のメジャーで使われる極端な守備シフトが、じつに50年以上も前に王氏には用いられていたのである。

守備シフトについて、王氏は「それでも強い打球を打てば捕られない」「(守備の間を)狭められても狭められたところを抜けばいいじゃないか」とコメント。稲葉監督は「上をいこうとしているのがすごいところ」と感嘆した。

フライを打つのは、日本が国際舞台で苦しめられてきた動くボールの対策にもなる。王氏も、動くボールは必ず下にいくものであり、対応するには「下にもぐりこんでいく意識は持たないと」いけないと指摘した。

王氏は今の日本のチームが「スモールベースボールをやる必要がない」と主張。「思い切って振ってすごい打球を打つ、角度をつければホームランになる。一番ファンが喜んでくれる」「型にはめちゃうのではなく、彼ら(選手)の長所を引き出すことが勝利につながる一番の方法」と述べた。

さらに、王氏は「野球は変化していますよ」とコメント。投手と打者の間やベース間の長さは変わらないが、「その中で何かを編み出していく」ことが大切とし、稲葉監督に「やりがいあるから頑張って」と改めてエールを送った。

(引用元:livedoor news)

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