8日放送、NHK BS1「アスリートの魂」では、サッカー日本代表の酒井宏樹を特集。献身的なプレーから「謙虚の酒井」というニックネームを持つ男の変化を伝えた。
22歳でドイツに挑戦した酒井は、欧州の厚い壁に苦しんだ。当時、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督からは、「ピッチの上でゴメンと言うな」と、一つひとつのプレーに謝るなと言われていたという。メンタルの弱い酒井は、4年前のブラジル・ワールドカップ(W杯)でピッチに立てていない。
2016年、酒井はマルセイユに拾われてフランスへと向かう。W杯に出場する代表クラスの選手が多数在籍する名門クラブだ。死に物狂いの毎日を過ごしていた酒井は、ある時、「格上の選手と張りあおうとしても、それでうまくなるわけじゃない」と思いつく。
「緊張するほど自分はうまくない」と自らに言い聞かせる酒井は、マルセイユで「自分の立ち位置や能力を客観的に見られた」と明かす。一歩引いた目で自分を見つめ直す大切さに気付き、酒井は意識改革を始めていった。無理して性格を変えず、考え方を変えようとしたのだ。
酒井は「正直メンタルに関してはまったく変わってない」「今も絶対弱い」と語る。そのうえで「弱いなりにやっていかないと、弱いなりに一定を保てるような努力をしないと、このチームではやっていけない」と続けた。
強靭な精神力を身につけたのは、W杯の2カ月前に左ひざのじん帯損傷というケガを負ったときの考え方からもうかがえる。
大会への影響が懸念され、「サッカーのことを考えてしまうとネガティブな方向に進んでいく」からこそ、酒井は「ネガティブなことを考えてもまったく意味がない」「今は良い休憩だとしか思っていなかった」と、悲壮感を見せなかった。「ずっと家族で遊んでいた」という。
戦列に復帰した酒井は、リーグ最終戦でW杯でもぶつかるセネガル代表のムサ・コナテと対戦した。コナテは「酒井は良いディフェンダーだ。個の強さを見せつけられた」「日本は油断禁物だ。簡単な試合にはならないから、しっかり準備するよ」と警戒をあらわにしている。
そのコナテら世界の強豪たちとの対戦に向け、酒井は「W杯だって思って良いプレーできるわけじゃないので、僕の性格的に。別にそれでテンションが上がるわけでもない。上がっても良いプレーはできないんで」とコメント。「普通に、いつも通り」と、酒井らしい形で意気込みを表した。
(引用元:livedoor news)
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