野村克也氏が「今はグラウンドに行くのが嫌」 愛弟子・古田敦也氏に監督挑戦を要望

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4日放送、BS朝日「スポーツクロス」では、プロ野球界のレジェンド、古田敦也氏と野村克也氏が対談。ヤクルトスワローズ黄金期の師弟コンビが、監督論を繰り広げた。

「コーチと選手とは一切付き合わない」と、監督として一線を引くタイプだったという野村氏。だが、古田氏は、選手一人ひとりに気遣いをするマネジメントの素晴らしさを強調する。すると、野村氏は間違えた道に進ませないことが監督の仕事であり、選手を常に観察していたと述べた。

キャンプ中の毎日のミーティングが有益だったという古田氏が、野球の専門的な話よりも前に、人間形成につながる教えが役立ったと振り返ると、野村氏は「野球選手も一社会人だから、人間学・社会学を基本に教えなきゃいけない」と語った。

それを物語るのが、古田氏が明かしたエピソードだ。移動中の新幹線でマンガや週刊誌を読む選手が多い中で「古田はちゃんとした本を読んでいる」と、野村氏からほめられたという。「たまたま読んでいたのに、それからマンガと週刊誌を読めなくなった」と冗談もつけ加えたが、野村氏は「素直に立派だと思った」「こいつはしっかりしているなと思った」と、改めて古田氏を称賛した。

選手である前に立派な人間であれ――そういう選手育成の原点は、読売巨人軍でV9を達成した川上哲治監督を手本にしていたという。「V9時代の野球は一番正しいんだよ。あれはどんどんマネすべきだと思う。川上さんが良いものを残しているわけだから。モデルにしたほうがいい」。

そんな野村氏は今、「本物の野球はどこに行った」という想いを抱くという。監督が考えていることや、選手を導こうとしている方向性が分からないとし、「今、正直に言って、グラウンドに行くのが嫌です」と衝撃的な言葉も口から出た。

以前のようにグラウンドで勉強することがなく、物足りない部分があるという野村氏は、「ボヤきがどんどんひどくなる」「最近球場に行っても何かボヤきたくなる」とコメント。「ボヤく」とは現実が理想に追いつかないギャップへの不満から生まれるもので、理想の高さの裏返しだとし、今の野球界に不満が募っていることをうかがわせた。

だからこそ、野村氏は古田氏に「声を大にして言いたいのはね、監督やれ」「もったいないよ、こういうの遊ばせておくの」とコメント。「野球選手には珍しく頭がいいからね。顔悪いけど」と冗談を交えつつ、古田氏が現在のプロ野球界で唯一、監督の器にふさわしい人物だと称賛し、指導者として後を継いでほしいと呼びかけた。

(引用元:livedoor news)

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