フラッグシップにも迫る性能を見よ!SIMフリースマホ「honor 9」をベンチマーク |
既報通り、華為技術日本(以下、ファーウェイ・ジャパン)から10月12日に発売された主に若者をターゲットにした新しいSIMフリースマートフォン(スマホ)「honor 9」(Huawei Technologies製)。
本体価格が5万3800円(税抜)と、国内で販売されているSIMフリースマホとしては比較的高額ながら、その価格を裏切らない同社製フラッグシップモデルにも迫る高いスペックと積層ガラスの筐体が美しい1台となっています。
そんなhonor 9を実際に手にとってみてレビューしていますが、前回のプリインストールアプリ紹介記事に続いて本記事は各種ベンチマークテストを試してみましたので、honor 9の基本性能を紹介したいと思います。
【honor 9のスペックを確認する】
honor 9は複数の回線をまとめて通信を実行する通信技術「キャリアアグリゲーション(CA)」による高速通信、同社のフラッグシップスマホ「HUAWEI P10」や「HUAWEI P10 Plus」、プレミアムスマホ「HUAWEI Mate9」などに搭載されているLeicaの写真技術などがありませんが、チップセット(SoC)や内蔵メモリー(RAM)、カメラセンサーといった基本部分は同社のHUAWEI P10と同等のものを搭載しています。
Android搭載製品なので多くの仕様が公表されていますが、まずは詳細なスペックを確認ができるアプリ「CPU-Z」にてhonor 9の基本仕様を見ていきましょう。特にベンチマークテストなどに結果を及ぼすと考えられるhonor 9の基本スペックは以下の通りです。
SoC:Kirin 960
CPU……4×2.4GHz+4×1.8GHz オクタコア
GPU……Mali G71
RAM:4GB
内蔵ストレージ:64GB
画面:5.15インチフルHD(1080×1920ドット)
OS:Android 7.0(開発コード名:nougat)
これらの他にもRAMやストレージの規格など細かい部分もありますが、そこまでをすべて調べるのは難しい(メーカー非公表な部分もあるため)ので、あくまで参考程度にとお考え下さい。
というわけで、今回の検証で使うベンチマークテストアプリは、総合性能を計測する定番のベンチマークアプリの「AnTuTu Benchmark」および「PC Mark」、CPUのマルチコアとシングルコアの性能を個別に測定する「Geekbench 4」、主にゲームなどで重要になる3D描画(レンダリング)能力をテストする「3DMark」となっています。
【CPUに絞った性能を「Geekbench 4」で計測】
「Geekbench 4」での計測結果
まずはCPUの性能のチェックに特化したベンチマークアプリ「Geekbench 4」でテストを行いました。honor 9に採用されているSoCは上述のようにKirin 960(HiSilicon Tehnologies製)で、これはHUAWEI P10やHUAWEI P10 Plusと同じです。
ハイエンドモデルであるHUAWEI P10などと同じSoC(CPU)を搭載しているおかげで、結果は非常に良好で参考スコアではあり、シングルコアとマルチコアともに1世代前のフラグシップクラススマホを上回る数値が出ています。
【「AnTuTu Benchmark」と「PC Mark」でhonor 9の総合力をテスト】
続いて、スマホのCPUやRAM、ゲーム関連の3Dレンダリングなどのさまざまなテストをして総合的な性能を数値化する定番のベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」と「PC Mark」で計測してみました。
・AnTuTu Benchmarkでのテスト結果
今回のテスト結果では142900点でAnTuTu Benchmark公式Webサイトの上位ランキングで23位のZTE AXON 7とほぼ同じくらいのスコアとなります。なお、グローバル版honor 9が22位にいますので、特に日本向けだから性能が劣るといったことはなさそうです。
このランキング上位のそうそうたる顔ぶれに入り込める好スコアとなっていますが、よく見ると「3D」の項目が画像内の表の中ではAndroidスマホの中では一番低いことに気が付きます。この辺については後述の3D Markの結果と併せて解説します。
・PC Markでのテスト結果
PC Markでのスコアは5853点とこちらも高い数値が出ています。こちらでのランキングを見てみるとスコアの近い製品に国内未発売のものが多くありますが、比較的近いスコアにSnapdragon 821を搭載し、過剰なほどにRAMの大きい(上位モデルで8GB RAM)「ZenFone AR」を視界に捉える位置に立てる高得点です。
プレミアムクラスのモデルにまでは一歩及ばないものの、平均的にスコアが高く、処理の非常に重い設定で3Dゲーム以外であれば、何をやらせても不足のない高いパフォーマンスが出ていると思います。
・3D Markで3D描画能力をテストする
主にゲームなどで利用する端末の3D描画能力を数値化するベンチマークアプリ「3D Mark」の「Sling Shot Extreme」でテストしてみました。
ベンチスコアは1239点と3D描画性能のみで見た場合では「ランク圏外」となりました。これはSoCのKirin 960に内蔵されているGPU「Mali-G71 MP8」の画像処理能力がQualcomm製SoC「Snapdragon」シリーズの上位モデル「Snapdragon 835」に内蔵されているGPU「Adreno 540」と比べて、低めであることが原因だと思われます。
ひと世代前の「Snapdragon 820」(GPUは「Adrreno 530」)搭載の「HTC 10」でも2500点近いスコアが出ることから、honor 9は高負荷なゲームが数少ない弱点ということになります 。
ある程度のゲームを遊ぶには十分すぎる性能ではありますが、3D描画設定を変更できるゲームなどで最高設定(最も負荷のかかる設定)にした場合に動作が重くなったり、ゲーム性を著しく損なう場合があるので、注意しておきましょう。
具体的な例として、最近ではゲームという名のベンチマークとも呼ばれることのある「デレステ」こと「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」において最高設定(3Dリッチ+高画質モード+シルエットON)で実行すると、ゲーム中のキャラクターの動きがカクつくのがハッキリとわかります。
とはいえ3D標準モードであればまったく問題なく遊べますが
最後にhonor 9とHUAWEI P10について上記で行なった「Geekbench 4」および「AnTuTu Benchmark」、「3DMARK」のベンチマークを動画で紹介しているムービーを掲載しておきます(撮影者はライターのmi2_303氏)。
動画リンク:https://youtu.be/GdFhS190iYQ
【honor 9のベンチマークまとめ】
honor 9をベンチマークアプリでテストした結果、負荷の重いゲームで遊ぶこと以外においては、現行の大手キャリアが取り扱うハイエンド機種にも負けない高い能力を持つことがわかりました。そのゲームにおいて、描画の軽めのカジュアルなゲームで遊ぶ場合や設定で軽めの動作にするようにすれば、問題なく遊べます。
基本的なスペックは非常に高く、WebブラウズやSNSも非常に快適に動作する性能の高さと積層の曲面ガラスが優れたデザイン性を持つ魅力的なスマホだと思います。
実際に触って確かめることのできる場所が多くない(主にショッピングセンターのイオン内のイオンモバイルの取り扱いコーナーになるかと思います)端末ではありますが、是非一度触って快適な操作と高いスペックのhonor 9を試してみましょう。きっと欲しくなるはずですよ!?
アプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
(引用元:livedoor news)
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