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既報通り、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が移動体通信事業者(MNO)から回線を借りて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供する携帯電話サービスにおいてコアネットワーク設備の一部である加入者管理機能(HLR/HSS)を自前で用意した「フルMVNO」によるサービスを3月15日に提供開始した。
当初は法人向けサービスのみであったが、4月2日より個人でも利用できるデータ通信サービス「Japan Travel SIM」のフルMVNO版を販売開始。Japan Travel SIMは2014年10月に発売された主に訪日客向けのプリペイドSIMカードで、フルMVNO版は同サービスの新パッケージという位置付けだ。
そこで今回はさっそくJapan Travel SIMのフルMVNO版を購入してみたので、これまで販売されてきたライトMVNO版との違いや、フルMVNO版のセットアップの方法などを紹介する。なお、IIJでは通常の個人向け「IIJmio」においても今夏にフルMVNOによるサービスを提供予定となっている。
【Japan Travel SIMのフルMVNO版とライトMVNO版の違い】
ライトMVNO版のパッケージ
Japan Travel SIMのフルMVNO版とライトMVNO版の違いをまとめておく。まずパッケージは中央に配置されたSIMカードが描かれた部分が黄色の背景で「JAPAN TRAVEL SIM」の文字が黒いのがフルMVNO版(トップ画像)、逆に黒背景の黄色字が従来からあるライトMVNO版となる。
なお、都内の家電量販店の訪日客向けプリペイドSIMカード売場には、従来(ライトMVNO版)Japan Travel SIMに並んで、フルMVNO版のJapan Travel SIMが販売されていた。IIJが提供する同一サービスのSIMカードであり、パッケージのテイストなどは従来SIMと似ているので、購入時は間違えないように注意が必要だ。
またフルMVNO版のJapan Travel SIMは、SIMロックがかけられていない機種向けのサービスであり、SIMロックを解除していないNTTドコモの製品では利用することができない点にも注意が必要となる。従来のライトMVNO版はSIMロックを解除していないNTTドコモの製品でも利用可能なこともわかりにくくしている点でもある。
サービス | Japan Travel SIM | |||
フルMVNO版 | ライトMVNO版 | |||
データ容量 | 1.5GB | 3GB | 1GB | 2GB |
有効期間 | 30日 | 30日 | 30日 | 3カ月間 |
販売価格※ | 約2,000円 | 約3,000円 | 約2,600円 | 約4,000円 |
対応機種 | SIMフリー製品 | SIMフリー製品およびNTTドコモ製品 | ||
SIMカードサイズ | マルチ(nano/micro/標準) | nano/micro/標準 |
※販売価格は店舗によって異なるのでおおよその金額
【Japan Travel SIM(フルMVNO版)のセットアップ方法】
SIMフリースマートフォンにSIMカードを装着
フルMVNO版のJapan Travel SIMのセットアップ手順は以下の通り。まずはSIMロックがかかっていないSIMフリーのスマートフォン(スマホ)などにJapan Travel SIM(フルMVNO版)のSIMカードを入れてアクセスポイント(APN)を設定の上、本体を再起動する。
なお、フルMVNO版のJapan Travel SIMは同梱されているSIMカードが標準(2FF)およびマイクロ(3FF)、ナノ(4FF)のそれぞれに対応したマルチSIMとなっているので、利用する製品のSIMカードスロットに合わせて切り抜いて使う。
なお、取扱説明書では「電源OFFの状態でSIMカードを入れて起動する」とされていた。また多くのサービスでは本体の再起動をしなくても利用できるケースが多いものの、Japan Travel SIM(フルMVNO版)では再起動しないと、ネットワークに接続することができなかった。
この理由は、フルMVNO版のJapan Travel SIMで電話番号が有効となるタイミングがSIMカードを発行した時点ではなくSIMカードを入れた製品が起動された時点であることが理由だと思われる。
国内向けに販売されているSIMフリースマホの多くは、MVNOのサービスで利用するためのAPNがプリセットされているものも多くなっており、その場合は適切なサービス名称を選ぶだけでAPN設定を行えるようになっているが、現時点ではフルMVNO版のJapan Travel SIMについてはAPNがプリセットされていないため、APNは手動設定する必要がある。APN設定は以下通り。
APN:iijmio.jp
ユーザ名:mio@iij
パスワード:iij
認証タイプ:PAPまたはCHAP
利用開始手続は専用Webページ( http://iijm.io/t.me )より行う。利用開始手続には、SIMカード台紙の裏面に記載されているPASSCODE(パスコード)と、利用者の姓名、パスポート番号、国籍、生年月日、性別を登録する必要がある。
ただし、パスポート情報については画像送信などなどは不要なので、手元にパスポートそのものが無い場合でも利用開始手続を行える。利用開始日は「今すぐ〜2週間後」に設定できる。
利用開始日は「今すぐ〜2週間後」を指定可能
各種設定が完了すると、データ通信が利用可能になる。今回はSIMフリースマホ「HUAWEI Mate 10 Pro」で利用してみたが、画面上に表示されたオペレーター名はきちんと「NTT DOCOMO」ではなく「IIJ」となった。なお、従来のライトMVNO版のJapan Travel SIMでは「NTT DOCOMO」と表示される。
接続事業者名が「IIJ」に!
なお、同梱されている取扱説明書によると、セットアップ時の手順は以下のように記載されていた。
(1)電源を切ってからSIMカードを挿入、APN設定をして再起動
(2)http://iijm.io/t.meから利用者情報登録
(3)利用開始
【フルMVNOは、速度もフル?】
平日午前11時頃に通信速度を計測したときは爆速
Japan Travel SIM(フルMVNO版)を使ってみると、通信速度は非常に快適だと感じた。MVNOとは思えない快適な速度でデータ通信を利用できていたので、「ひょっとすると既存のサービスとは別の帯域を用意していて、まだ利用者が少ないから快適なのかも?」と思ったけれど、MVNOの最混雑時間帯と言える平日お昼時間帯ではキッチリと速度が下がったので、基本的には「フルMVNOサービスだけ速度面で有利」ということはない模様だ。実際にIIJではフルMVNO版とライトMVNO版で帯域を別に用意するということはないということだ。
平日お昼時間帯は速度低下
最後にフルMVNO版とライトMVNO版の比較としては、Japan Travel SIMのフルMVNO版は、Japan Travel SIMのライトMVNO版よりも販売価格が割安となっている。
このため、SIMロックが施されていない(またはロック解除済み)製品を持っている場合にはライトMVNO版よりもフルMVNO版を購入することをオススメと言えそうだ。
一方であくまで訪日外国人や一時帰国者といった訪日向けが主なターゲットとなっており、日本にほぼおり、常時モバイル通信サービスを利用するようであれば、一般的な「格安SIM」と呼ばれるポストペイドのMVNOのほうが安いので、一時的にちょっと使いたいとかでなければそちらのほうが良さそうだ。
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■フルMVNO版、IIJの「Japan Travel SIM」を使ってみる。ライトMVNO版との比較も
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(引用元:livedoor news)
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