森林効果で仕事もはかどる!長野県・信濃町ノマドワークセンターを訪ねた

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前回は軽井沢町のリゾートテレワークについてご紹介したが、今回は長野県信濃町での取り組みについてご紹介しよう。

■ 360度大自然に囲まれた中で仕事をするということ
長野駅から車で1時間ほど。野尻湖の近くに信濃町ノマドワークセンターは位置する。今ではワークセンターとして活用されているが、もともとは10年近く使われていなかった遊休施設だ。農業の6次産業化で盛り上げるために作られたのだが、経営が立ちゆかなくなり、廃業へ。この施設を再活用するために、信濃町と埼玉県のNPO法人であるNature Serviceが協力して再生させた。

信濃町ノマドワークセンター
Nature Serviceは、信濃町ノマドワークセンターがあるキャンプ場の再生にも取り組んでおり、それは実を結んで人気もでて、訪れる人も数多くなった。その次の取り組みとして、信濃町は森林セラピー基地としては有名な場所だったので、人が自然に入ったときにどのような変化が起きるのか、脳波を使った実証実験プロジェクトをすることに。慶應義塾大学や北里大学の教授の協力を得て、森の中で仕事をしたときの脳波の変化を見ると、わくわく度が上がるなど、「働く場所としても」いい影響が出ていることがわかった(脳波プロジェクト結果詳細)。そしてその続きとして町内にワークスペースを設置し企業誘致のキッカケ作り目指し、今の信濃町ノマドワークセンターができあがった。


元々は食堂だった場所をワーキングスペースに


ミーティングスペースなど、個別のスペースも用意されている
テレワークについてはさまざまな取り組みがなされているが、360度森に囲まれているのはここの優位点。それに加えて野尻湖や黒姫高原など、周辺の自然環境にも優れている。そこで信濃町ノマドワークセンターを月曜から金曜まで5日間借りてもらい、その中の火曜日と木曜日には自然体験を“強制的に”入れた企業向けのプログラムを提供。ネイチャーガイドやカヤック、森林セラピーなどのアクティビティを入れつつ仕事をするという形だ。

これにはやはり効果が期待でき、自然体験によって体を動かすので自律神経も整うこととなり、睡眠の質も向上。人間の思考もポジティブになり、いいアイディアが生まれるという結果が出た。1週間ここにいることで体がリセットされ、体調もよくなって行く事を狙っている。

信濃町ノマドワークセンターを紹介してくれたのは、Nature Service共同代表理事の赤堀哲也さん。赤堀さんは埼玉県在住なので、言ってみると“よそ者”だ。しかし赤堀さんの目から見ると、ここはとてもうらやましい場所だったそう。「日本だとネイチャーガイドがいる場所はまだまだ少ないのに、信濃町では充実している。たとえ少しの日数でも、ネイチャーガイドの方に案内してもらえば、ここで何十年と生きている経験を得ることができる。自然の場もあるし、案内する人もいるのはいいこと」と赤堀さん。


Nature Service共同代表理事 赤堀哲也さん(右)
赤堀さんのミッションは、5年かけてこの場を成功させること。町議会や役場をはじめとした地元の人にも協力してもらって、信濃町ノマドワークセンターという、公共施設とは思えない魅力ある施設ができあがった。今度はこの魅力を都内や都市部の企業に伝えることが大事だという。「企業側の制度が追いついていないので、平日の5日間ここにいてもらえるように制度を変更してもらうことに取り組んでいく。そうすることで従業員の離職率が下がったとか、素晴らしいアイディアから新規成長事業が生まれたとか、経営に貢献することができれば、自然という体験が、一つの経営のソリューションになる。そのような文化を広げていきたい。信濃町ノマドワークセンターがその拠点となって、来たいけれども予約が取れない、という状況まで持っていく」(赤堀さん)。

■御鹿池で森に癒される
信濃町ノマドワークセンターを訪れたあとは御鹿池へ。ここでは湖の周りにある遊歩道を歩きながら、自然の中に体を置き、森林の癒やしを体験した。案内してくれたのは森林メディカルトレーナーである鹿島岐子さん。所々で立ち止まっては、木そのものの香りを嗅ぎ、嗅覚をリセットしていく。


当日はあいにくの天気で山々を望めなかったのが残念

森林メディカルトレーナーの鹿島岐子さん(左)の案内で森を巡る

すーっとした木の葉の匂いに癒される

川のせせらぎだが、耳に手を当てて聞くとまた違う音がする

うっそうとした森。ここにいるだけでリフレッシュする

はだしになって川を歩いてみる。冷たい水がとても気持ちいい

森林の中で深呼吸してみると、何かいろいろなものが落ちていくような気がする

寝そべって森と一体化する

森に癒やされたあと、鹿島さん手作りのジャムをお茶とともにいただいた。おいしかった
■野尻湖でSUPに乗ってみた
次に訪れたのは野尻湖だ。湖近くのゲストハウスLAMPでは「SUP(スタンドアップパドル・サーフィン)」を体験した。これはサーフボードに立ち上がり、1本のパドルを使って左右に水をかいて進んでいくというもの。難しそうに見えたが、立ち膝状態でバランスを取ることを覚えたら、立ち上がるのは意外とすんなりと行けるもの。体を動かすということはとてもリフレッシュ効果があるので、リゾートテレワークで訪れた際にはぜひとも体験しておきたいところだ。


ゲストハウスLAMP

最初は陸でこぎ方を学ぶ

まずは立ち膝でこいでみる

いよいよ立ってみる。まずは中腰で手をボードに添えて

えい!っと立つのが大事

立てたらもう十分。あとは自由にこいで回ろう

SUPで冷えた体をサウナでリセット

サウナは本格的なフィンランド式だ
2回にわたってご紹介してきた長野県のリゾートテレワークだが、いかがだっただろうか。軽井沢は東京に近いといる立地を生かし、東京で働いているようなことを実現できるのが魅力だった。そして信濃町の場合は、なんと言っても豊かな自然。森林に囲まれながら仕事をするというのは、なんと気持ちのよいことなのだろうか。

しかしこうしたリゾートテレワークも、実施するには会社ごとにさまざまな課題があり、すぐに実行することは難しいのだろう。ただし働き方改革が叫ばれている今、会社に集まって仕事をするのはもう古いことなのかもしれない。新たな働き方であるリゾートテレワークについて、議論を始めてみてはいかがだろうか。

■信濃町ノマドワークセンター
■信州リゾートテレワーク

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(引用元:livedoor news)

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