AI機能が強化された最新SoC「Kirin 970」の性能はいかに!?ファーウェイのSIMフリープレミアムスマホ「…

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最新SoCを搭載したSIMフリースマホ「Mate 10 Proのパワーをベンチマークで探る!


華為技術日本(以下、ファーウェイ・ジャパン)から12月1日に発売された最上位プレミアムモデルのSIMフリースマートフォン(スマホ)「HUAWEI Mate 10 Pro」(Huawei Technologies製)。本体価格はオープンながら希望小売価格が89,800円(税別)。

AI機能の処理に特化した専用ユニットを搭載した新しいチップセット(SoC)「Kirin 970」のほか、安定した動作を実現する6GBという大容量の内蔵メモリー(RAM)を搭載し、美しい写真が撮影できると高い評価を受けているLeica監修のデュアルカメラをさらに磨きをかけたハイエンドモデルとなっています。

筆者もSIMフリー市場を中心に評価が高いファーウェイの最上位機種ということで“ワクワク”しながら購入し、これまでに開封の儀による個装箱と同梱品の紹介やプリインストールアプリの紹介をしてきましたが、今回はいくつかのベンチマークアプリを使って本機の基本性能を測りたいと思います。

【CPU-ZでHUAWEI Mate 10 Proの性能を確認】

今回の検証で利用するベンチマークアプリはCPUやRAMの動作などを総合的にテストする定番ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」および「PC Mark」、ハイエンドなゲームにおける3D・レンダリング機能などを計測する「3D Mark」、CPU性能をシングル・マルチコアでの処理を個別にチェックできる「Geekbench 4」となります。

実際にベンチマークを行う前にまずは、HUAWEI Mate 10 Proのハードウェア情報をチェックするアプリ「CPU-Z」で詳細な主な仕様を確認しておきます。

HUAWEI Mate 10 Proに搭載されているSoCのKirin 970の情報がCPU-Zのデータベースにまだないようで、CPUは「Cortex・ARM Cortex-A53・A73」と表示されています。

通常この部分にはKirinシリーズSoCの場合、ファーウェイ傘下のチップセットなどを開発・製造しているHiSiliconの名前が表示されます。一方、Deviceの項目ではHardwareの欄に「kirin970」と表示されているのがわかります。

これらの仕様において特にベンチマーク結果に影響がでると思われる部分基本スペックは以下の通り。これらの他にもRAMやストレージの規格などといったもありますが、そこまでをすべて調べるのは難しい(メーカー非公表な部分も多い)ため、あくまで参考程度にとお考え下さい。

SoC:Kirin 970
 CPU……2.36GHz×4コア+1.8GHz×4コア(オクタコア)
 GPU……Mali-G72
RAM:6GB
内蔵ストレージ:128GB
画面:約6インチフルHD(1080×2180ドット)
OS:Android 8.0(開発コード名:Oreo)

【Geechbench 4でCPU性能をチェック】

まずはCPU性能をシングルコア・マルチコア性能を個別に計測できるベンチマークアプリのGeechbench 4でテストしてみました。この計測では比較の参考にするため、SoCにQualcomm製「Snapdragon 835(MSM8998)」を搭載し、OSをAndroid 8.0 Oreoへアップデート済みの「Xperia XZ Premium SO-04J」の結果も併せて掲載しておきます。

RAMについてはHUAWEI Mate 10 Proが6GB、Xperia XZ Premium SO-04Jが4GBと異なりますが、こちらではCPU性能に絞ったテストになります。

シングルコア性能で見た場合、わずかにXperia XZ Premium SO-04J(Snapdragon 835)の方が上回っていますが、こちらはほぼ誤差の数値といえるでしょう。

一方で、マルチコア性能においては200点近くHUAWEI Mate 10 Pro(Kirin 970)に軍配が上がっています。CPUに絞ったスコア比較でみた場合は、Kirin 970がSnapdragon 835とほぼ互角か部分的には勝っている部分もあると良さそうです。

【総合性能をAnTuTu Benchmark・PC Markでチェック】

続いて、HUAWEI Mate 10 Proの総合的な性能(Webブラウジングや各種画像の処理といった一般的な利用における全体的な能力)をチェックしてみましょう。まずは定番の総合ベンチマークのAnTuTu Benchmarkの結果がこちらになります。なお、こちらもXperia XZ Premium SO-04Jの結果と比較してみました。

実力伯仲といったスコア差ですが、内訳をみてみるとUX(User Experience)とRAMにおいてはHUAWEI Mate 10 Proが大きくリードしており、これが決めてとなった部分と思われます。

一方で、3D(ゲームの描画などに大きくかかわる3D描画機能)においてはSnapdragon 835を搭載したXperia XZ Premium SO-04Jが大差をつけて高い数値が出ているのがわかります。カジュアルでない本格的なゲームを遊ぶ上での性能の面ではSnapdragon 835に対して若干負けてしまっているといったところでしょうか。

続いて同じく定番の総合力ベンチマークアプリ、PC Markでの結果がこちら。設定は「Work 2.0 Performance」にて計測しています。

ベンチスコアは7133点と上位ランキングに並んでいる機種に入り込めるほどの好成績です。最上のゲーム体験のために規格外クラスのモンスタースペックとなっているゲーミングスマホ「Razer Phone」を筆頭に各社のハイエンドやリファレンスモデルが並んでいる中に立てるほどの高い総合力をHUAWEI Mate 10 Proが持っているということがわかります。

3D機能については後述しますが、全体的な総合的な性能については各社の最上位モデルのスマホと張り合える非常に高いレベルの性能を持った端末となっています。

【3D Markでゲームなどの3D画像処理能力をチェック】

最後にゲームなどで特に重要な部分となる3Dレンダリング機能などをチェックするベンチマークアプリ「3D Mark」で性能をチェックしてみました。設定は「Sling Shot Extreme」にて実施しています。

3Dベンチスコアは2909点で。上位5機種すべてがSnapdragon 835(GPU「Adreno 540」)搭載機種で占められていました(さらにランキングを見ていくと1位から17位まで全部ですが)。そして、2909点周辺を見てみると、シャープのAQUOS R(こちらもSnapdragon 835搭載なのですが)がほぼ同一のスコアとなっています。

やはりHUAWEI Mate 10 ProのSoCにおける基本性能については文句なしのハイエンドではあるものの、レンダリングなどの3D画像処理に係るGPU性能の部分については一歩及ばないという結果となりました。

とはいえ、ミドル〜ハイミドルクラスのスマホと比べれば、GPU性能においても非常に高く、よほど処理のキツいゲームにおける最上設定を選択しなければ全く問題はありません。そういったゲームでも動作設定を軽くするなどの設定変更を見直せば、問題なく動作できるくらいには高いスコアとなっています。

ひと頃は「ゲームという名のベンチマーク」とも言われた「デレステ」(アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ)も3Dリッチ設定で問題なく遊ぶことができます(3Dリッチ+高画質モードだとやや厳しいが)。


プロデュース活動においては全く問題なく遊べる

また、常時60fps描画(秒間60フレーム)で動作する、公式がハイスペック機種での動作を推奨しているシューティングゲーム「アカとブルー」においても最高画質設定でなんの問題もなく遊ぶことができます。


問題なく遊べるのと、クリアできるかは別問題クラスの難易度ですが

以上で、今回のベンチマークによる検証は終了となります。ゲームアプリ(特に処理の厳しい本格的なもの)を最優先で考えてしまうと、他メーカーのフラグシップモデルと比べて、多少追いつかない部分もありますが、全体的な性能としては非常に高く、フラグシップの名に恥じない非常に高性能なスマートフォンであることが確認できました。

次回はモニターと接続し、デスクトップPCのように扱うことのできるPCモードの紹介を予定しております、お楽しみに。

Huawei 6.0インチ Mate 10 Pro SIMフリースマートフォン チタニウムグレー【日本正規代理店品】 [エレクトロニクス]
記事執筆:河童丸


アプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール

(引用元:livedoor news)

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