Google I/O 2018にてAndroid Pのベータ版がEssential Phoneなどで利用可能に! |
Googleは8日(現地時間)、アメリカ・カルフォルニアにある「Shoreline Amphitheatre」にて2018年5月8日(水)から5月10日(木)までの3日間に渡って開催される開発者向けイベント「Google I/O 2018」( https://events.google.com/io/ )の基調講演を行い、AI(人工知能)を活用して既存の「Google アシスタント」や「Google フォト」、「Google レンズ」、「Google マップ」、「Gmail」などのサービスに新機能を導入することを発表したほか、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向け「Android」の次期メジャーバージョン「Android P」についての詳細を説明しました。
Android Pは今夏に正式版が提供開始される予定で、今年3月に開発者向けプレビュー版「Android P Developer Preview」の初期バージョン(DP1)がリリースされていましたが、Google I/O 2018に合わせて新たにベータ版となる「Developer Preview 2(incremental update)」(以下、DP2)が配信開始されています。
また今回のDP2からGoogleブランドのスマホ「Pixel 2」や「Pixel 2 XL」、「Pixel」、「Pixel XL」だけではなく、他社のスマホでAndroid Pが試せる「Android P Beta Devices」が発表され、同じく同日より「Sony Xperia XZ2(型番:H8216・H8266・H8296)」および「Xiaomi Mi Mix 2S」、「Nokia 7 Plus」、「OPPO R15 Pro」、「vivo X21」、「vivo X21UD」、「OnePlus 6」、「Essential Phone PH-1」の8機種でAndroid P Developer Previewが試せるようになっています。
なお、このうちで日本で使えるのはEssential Phone PH-1のみで、実際に手持ちのEssential Phone PH-1でAndroid P Developer Previewを導入できることを確認し、導入後も日本国内でローミング以外で法的に利用して良いことを示す技術適合証明などの認証(いわゆる「技適マーク」)が確認できました。
本記事ではGoogle I/O 2018の1日目の基調講演において紹介されたAndroid Pの特徴について紹介します。なお、Android Pのバージョン番号や開発コード名は明らかにされていませんが、これまで通りならAndroid Pに紹介に使われている画面の時計が「9:00」になっていることからAndroid 9.0になると予想されます。
Androidの説明はお馴染みのGoogleでAndroid EngineeringのVice Presidentを務めるDave Burke氏が担当
Androidのパートを担当するDave Burke氏はまずはじめに10年前の2008年にAndroidを搭載した初号機「T-Mobile G1」が発売されたことを紹介しつつ、Androidが10周年を迎えることに感謝を示し、Androidが非常に多くの製品に搭載され、世界中で何十億人もの人が毎日Androidを使っていることを説明しました。
そしてそういった中でユーザーが最も気にしているのがバッテリーの「電池持ち」であるとし、新たにAndroid Pでは「Adaptive Battery」を導入します。これはこれまでの「Doze」や「App Standby」、「Background Limits」を引き続き改良したもので、ML(機械学習)を活用し今後どのアプリを使うのかを予測することでより電池持ちが良くなるような処理を行うとのこと。これにより、CPUの駆動を30%減らしたり、バックグラウンドの動作も減らせるとしています。
利用者が気にしていることは下にいくほど高い
Adaptive Batteryではどういったアプリを使うかを予測して先回りして処理の負担を軽くする
CPUの処理が30%削減可能
さらに明るさを自動調整する「Auto Brightness」も改良されます。周りの明るさに合わせてディスプレイの明るさを調整する機能で、かなり初期の頃から対応していますが、Burke氏によると実際のところはうまくいかずに手動で明るさを調整していることが多いとし、これが電池持ちを悪くしていると説明。
そこでこれもMLを活用して周囲の明るさだけでなくさまざまな情報を統合して十分に明るく見える輝度かつ電池を消耗しない状態を維持し、これまでのAndroidよりも手動で明るさを調整する機会を減らせるということです。
明るさを自動調整する機能がMLでよりきちんと
App Actionで操作も減らせて電池持ちも改善
さらに最も使うアプリを使いやすい位置に移動することで、操作頻度を減らして電池持ちが良くなる「App Action」も導入するとのこと。行動を予測してパターン化していくことで「60%の精度でぴったりと合う」とし、GmailやGoogle Music、Google Mapsなどが対応します。
加えて、アプリのUIでSliceというAPIを導入し、アプリの一部の動作を検索画面から直接利用できるという。こういったOSがユーザーに合わせるというのがAndroid Pの特徴だとし、実際にはアプリがMLを利用すればさらに電池持ちが良くなるとし、MLに親しくない人にも使えるように開発者向けライブラリー「ML Kit」を提供。
ML Kitではテキストや画像などの解析、顔やランドマークの認識、バーコードやQRコードのスキャン、スマートリプライなどがライブラリー化されており、すでにいくつかのモデルが構成されてモバイル製品に最適化されているとのこと。そして、このML KitはAndroidだけでなく、iOSにも対応しています。
Slice API
ML Kitが提供開始
ML KitやTensor Flow LiteはAndroidとiOSに対応
すでにML Kitを導入している会社も紹介
SimplicityではUIが大きく変わることが紹介
次にSimplicityではAndroid Pでユーザーインターフェース(UI)が変更され、操作方法が変わることが紹介されました。ここ最近のAndroidでは画面下部に3つのボタンがあり、左から戻るボタン、ホームボタン、アプリ履歴ボタンとなっていましたが、このうちのアプリ履歴ボタンがなくなり、画面下部から上にスライドするとアプリ履歴が表示されるようになります。
またアプリ履歴が表示されている状態でさらに画面下部から上にスライドするとドロワー(アプリ一覧)が表示されるようになるとのこと。またGoogle検索ができるウィジェットがこれまでは画面上部に配置されていることが多かったのですが、ホームボタンのすぐ上の画面下部に移動しています。
その他、通知エリアに表示されるショートカットボタンなどのデザインも変更され、新たに「Messaging Style」という通知スタイルが追加されるなど通知も改善し、画面上部中央の切り欠き(いわゆる「ノッチ」)への対応も行われます。また自動入力「AutoFill」機能も改善され、パスワードマネージャーがデータセットのフィルタリングや入力サニタイズ、互換モードなど、オートフィルといったユーザーエクスペリエンス(UX)を向上できるようになっています。
続いてBurke氏に代わってGoogleでProduct ManagementのVice Presidentを務めるSameer Samat氏が登壇し、Digital wellbeingの部分を紹介。これはアプリの利用状況を解析してMLを用いてより使いやすくする機能で、まず利用状況をダッシュボードで確認でき、App TimerやWind Down、Do not Disturbなどが新たに提供されます。
それ以外にもすでにDP1が公開されたときに説明されていたHDR VP9ムービーやHEIFイメージ(.hefc)に対応していたり、JobSchedulerにおけるデータコストの感度、ニューラルネットワークAPI 1.1、NFC支払いと安全な取引用のオープンモバイルAPI、アプリのセキュリティー強化、ユーザーのプライバシー強化、ARTのパフォーマンス、最適化されたKotlinなど、多数の改良や新機能が導入される予定です。
なお、Android Pについては今後、開発者プレビュー版が順次提供されていき、次は6月上旬に「Preview 3・β版(最終APIと公式SDK・Playサービス)」、さらに6月下旬に「Preview 4・RC版(テスト用リリースコンディショナル)」、正式版リリース直前に「Preview 5・RC版(最終テスト用リリースコンディショナル)」と経て、2018年第3四半期(7〜9月)に正式版がリリースされる予定です。過去の例からすると恐らく8〜9月あたり提供開始されるものと見られます。
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(引用元:livedoor news)
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