25日、テレビ朝日「報道ステーション」では、23日の世界選手権で約4ヶ月ぶりの復帰を果たした羽生結弦のインタビューを放送。結果こそ2位に終わったものの、スケート史に残るネイサン・チェンとのハイレベルな戦いを振り返った。
「感覚的にしっかり負けた」と表現した羽生は「ある意味、負けられた」とも。その真意については「絶対に勝たなきゃ、絶対に勝たなきゃって張りつめていたので。自分が勝ちたいっていう気持ちの期待度の大きさと、周りからの羽生結弦は復帰戦でもオリンピックで勝てたから勝てるよねっていう期待の大きさと、それを両方とも見た時のさらに自分が掛ける重しと。すごい色んなものが固まって、その中に勝利っていうのがあったので揺るがなかった」と説明した。
また、今大会に臨むにあたり「血が滲むような努力を本当に今回もしてきた。本当にダメだ、疲れた、これ以上動けないっていうのをほぼ毎日のように繰り返してきて、最後の1番追い込んだ日、自分泣いたんです」と明かした羽生は、「これで苦しい日々は終わった。フリーの時の自分にこの苦しみに耐えたから後は幸せをお前に託すよってこうやって(拳を突き上げた)やってた」という。
一方、フリーの演技直後、「あの瞬間に勝てたっていう確信が平昌(五輪)と違ってないんですよね」とも語った羽生。「彼は今までの色んな試合の中で僕の後の試合っていうのを結構経験している。ダメだった経験もしているし、その後に良かった経験もたくさんしているんです」とネイサン・チェンが積み上げた経験に言及すると、「今回で尊敬の意が強くなりましたね。トップアスリートが持つべきメンタルの良さ、リスペクトの精神とかっこいい。すごい。これで10代か」などと称賛した。
その上でネイサン・チェンについて「やっぱりまた超えたい存在がちゃんと出てきてうれしいっていうのが正直」という羽生は、「自分が具体的に思い描いていたゴールを1回達成してしまったがためにモチベーションが不安定だった」と本音も。
さらに「ものすごい強い敵に対して、裏技とか使うんじゃなくて正面から技術力で突破するっていう点、ぞわっとする『勝ってやる』というのが昔から好きなんです」とライバルの登場を歓迎すると、「メンタルとか努力とかそういうんじゃ足りない」という羽生。聞き手を務めた松岡修造氏から「具体的に4回転アクセルとか?」と訊かれると、「もしかしたら4回転アクセル、4回転ルッツ、もしくは4回転フリップをやるにあたっては多分1日に5段とか6段とかをとばして跳ばなきゃいけないくらいのパワーが必要とする時がある。その力がほしい。一発にかける力がもっとないとダメだ。もっと強くなれよってやつです」などと嬉しそうに語った。
(引用元:livedoor news)