22日に東京五輪・パラリンピックマスコットの名前が発表されました。五輪マスコットは未来+永遠で「ミライトワ」、パラリンピックマスコットは桜の品種・ソメイヨシノと英語の「so mighty(すごく強い)」をかけて「ソメイティ」とそれぞれ決まり、着ぐるみによる動きも披露されました。
その着ぐるみに対してインターネットやSNSなどで評判なのは「ソメイティの動きがキレている」というもの。動きを見てみると、ミライトワのほうは身振り手振りがチョコマカした動作であるのに対して、ソメイティのほうは腕を大きく上下させながら力強い動きを見せています。日本テレビ「スッキリ」に出演した際は、ソメイティが得意の超能力で出演者を吹き飛ばしてみせるなど、やんちゃぶりを発揮する場面も見られました。
そのように見える着ぐるみの動きというものも、デザイン時から貫かれているこのキャラクターたちの個性なのです。全国の小学生によるマスコット投票の時点ですでに公開されていたソメイティの紹介文には、「普段は物静かなのに、いざとなるとパワフル」「凛とした内面の強さ」という「強さ」を強調する言葉が並んでいます。そして、デザイン時の基本ポーズを見てもソメイティは大きく左手を挙げ、口元の形もわずかに左側が上がり「ニヤリ」とするような表現になっています。ソメイティはもともとパワフルなキャラクターなのです。
実は今回の公募にあたり、マスコットの性別は男とも女とも決めないということが制作条件となっていました。これは近年の五輪でも通底する、性差をなくすという意識の表れのひとつでもあります。しかし、日本の花・桜をモチーフにピンク色のキャラクターを制作すれば、どうしても「女の子なんだろう」という思い込みを生みやすいもの。その思い込みを乗り越えるように心を砕いた結果、大きな動きでニヤリと笑うデザインが起こされ、いざとなるとパワフルというプロフィールが設定され、「so mighty(すごく強い)」をもじった名前がつけられ、やんちゃな動きを着ぐるみが表現するに至ったのです。ピンクで桜だからと言って、必ずしもおしとやかな女の子なわけではないし、逆に強いからと言って男の子とも限らないのだぞ、と。
ソメイティの動きがキレているように感じたなら、それは「ピンクで桜」に対する見る側の固定観念の表れなのかもしれません。ソメイティのキレのある動きが、「ピンクで桜」が与える思い込みを打破していくことにつながれば、それもまた東京五輪・パラリンピックのレガシーと呼べるものになるのではないでしょうか。
・文=フモフモ編集長
(引用元:livedoor news)
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