液晶タブレット「XPPen Artist Pro 14(Gen 2)」が日本で発売!さっそくレビュー |
ペンタブレットや液晶タブレット、スタイラスペンではすっかりお馴染みのメーカー「XPPen」が今年5月に日本市場でも新開発の16384レベルの筆圧検知に対応したスタイラスペン「X3 Pro」をまもなく販売開始すると発表しました。
X3 Proはアーティストやデザイナーなどに最高レベルの筆圧検知機能を提供し、デジタルイラストなどの作成時により高い精度と正確性で作業を行えるようになり、今まで以上に高品質のデザインやイラストを生み出せるということです。
さらに同社ではこのX3 Penに対応した新しい液晶タブレット「Artist Pro 14(Gen 2)」(型番:MD140FH)および「Artist Pro 16(Gen 2)」(型番:MD160QH)を日本市場にて販売開始しています。現在、同社の公式Webストアにて販売されており、価格(金額はすべて税込)はArtist Pro 14(Gen 2)が59,800円、Artist Pro 16(Gen 2)が76,980円となっています。
ただし、Artist Pro 16(Gen 2)はすでに在庫があり、購入手続きを終えると順次出荷されるとのことですが、Artist Pro 14(Gen 2)は予約販売となり、現時点では9月下旬以降より出荷予定だということです。また量製品ともに公式Webストア以外にもAmazon.co.jpや楽天市場などても販売されるとのこと。
また別売のアクセサリーとして「XPPen オリジナル・ペンスタンド」(2,380円)やフルUSB-Cに対応していないパソコン(PC)などで利用する場合に必要な「3-in-1ケーブル」(3,600円)、「替芯セット(20本入)」(1,500円)、「XPPen オリジナル・トートバック」(1,980円)も販売されています。
さらに発売記念でArtist Pro 14(Gen 2)にはXPPen オリジナル・ペンスタンドと替芯セット(20本入)、XPPen オリジナル・トートバックが0円(無料)で追加でき、Artist Pro 16(Gen 2)にはXPPen オリジナル・ペンスタンドと3-in-1ケーブル、XPPen オリジナル・トートバックが0円(無料)で追加できるようになっています。
今回、これらのうちのArtist Pro 14(Gen 2)と3-in-1ケーブルをメーカーより先行して提供いただきましたので、圧巻の16384レベルの筆圧検知がどんな感じなのかも含めて実際に使ってみたところを写真や動画を交えて紹介したいと思います。
Artist Pro 14(Gen 2)は前述通りに16384レベルの筆圧感知に対応した新作スタイラスペンであるX3 Proに対応しているほか、同社では初搭載となるアスペクト比16:10の約14インチWUXGA(1920×1200ドット)液晶ディスプレイを採用したの液晶タブレットです。
グローバル向けとしてはすでに発売されており、日本でもX3 Proがまもなく販売開始と案内されていましたが、同様にX3 Proに対応したより大画面のArtist Pro 16(Gen 2)とともにようやく日本でも販売が開始されました。まずはパッケージ(箱)を開封して外観や付属品のチェックしてみたいと思います。
同梱品は以下の通りとなっています。XPPenのこれまでのタブレットにも付属していて使いやすいと好評な利き手ではない手向けデバイス「ワイヤレスショートカットリモート(ACK05)」も同梱されています。
<同梱品一覧>
・液晶ペンタブレット本体×1
・X3 Proスマートチップスタイラス×1(芯1本装着済み)
・ペンケース×1(替え芯8本、ワイヤレスショートカットリモート用Bluetoothレシーバー×1)
・ワイヤレスショートカットリモート×1(専用USB-C to USB-Aケーブル×1付属)
・USB-C to USB-Cケーブル×1
・USB-C to USB-Aケーブル(給電用)×1
・延長コード(USB-Aオス to USB-Aメス)×1
・電源アダプター(ACアダプター)×1
・2本指グローブ×1
・クリーニングクロス×1
・カスタマーサービスカード×1
・クイックガイド×1
・保証書×1
一方、Artist Pro 14(Gen 2)は「フル機能USB-Cポート」(DisplayPort Altモードに対応したUSB-C端子)に対応したPCなどでは付属のUSB-C to USB-Cケーブル1本を接続すれば使えますが、対応していない場合には別売の3-in-1ケーブルが必要となります。
またArtist Pro 14(Gen 2)はペンケースにスタイラスペン・替芯を収納できるようになっています。スタイラスペンのX3 Proは持ちやすいように太めとなっており、バッテリーレスなので軽めです。なお、マニュアルは日本語、英語、中国語など14か国語に対応しています。
スタイラスペンのX3 Proとショートカットリモートのサイズ感
Artist Pro 14(Gen 2)の本体
入力部分はA4より狭くB5よりは広いサイズ感
Artist Pro 14(Gen 2)の本体はA4サイズよりひと回り大きいくらいで、本体サイズが約359.30×268.57×19.31mmで、実際の製品を計測してみたところでは約358×278×18(最厚部) mm程度でした。なお、入力部分はA4より狭くB5よりは広いサイズ感です。
ディスプレイはクリアな画像表現を実現する「X-Nature Display」を採用しており、色域面積比がsRGBで123%、色域カバー率がsRGBで99%、色差が△E<2.2となっており、sRGBおよびAdobe RGB、DCI-P3、カスタム設定のカラープロファイル切り替えに対応しています。
またブルーライトの放射を低減しつつ優れた色精度を実現し、長時間作業の目へのブルーライトの影響を抑えるTUV SUD認証を取得しているということです。スタンドは本体内蔵タイプとなっており、シリアルナンバーもスタンド部分に記載されています。
Artist Pro 14(Gen 2)の上側面
本体のインターフェイス部分は上側面にまとめられており、左から電源ボタン、輝度調整ボタン、USB-Cポート(PCと接続用)、USB-Cポート(主に電源用)が配置されています。またワイヤレスショートカットリモートは裏面に認証情報とシリアルナンバー記載があり、本体横に電源ボタンと充電用USB-Cポートがあります。
ワイヤレスショートカットリモートのサイズは約127.55×70.49×10mm
続いて実際に使っていきたいと思います。まずは設定していきましょう。Artist Pro 14(Gen 2)とPC本体をケーブルで繋ぎます。繋ぎ方は以下の3通りあります。特に(3)ではケーブル周りがかなりごちゃつきますが、そこまで新しくないPCでも最新の液晶タブレットを使えます。
(1)PCにフル機能USB-Cポート(USB-C DisplayPort1.4 Altモード対応ポート)があれば、付属のUSB-C to USB-Cケーブル1本のみで接続可能です。
(2)PCにUSB-Cポートはあるものの、フル機能USB-C(DisplayPort1.4 Altモード)に対応していない場合は付属のUSB-C to USB-CケーブルでPCと液晶タブレットを接続し、さらに付属USB-C to USB-Aケーブル(給電用)を液晶タブレットに繋ぎ、USB-AにACアダプタを繋ぎ電源コンセントへ挿します。
(3)PCにUSB-Cポートがない場合は別売の3-in-1ケーブルを用意し、液晶タブレットのUSB-Cポートに3-in-1ケーブルのUSB-Cに挿し、PC側のUSB-AポートとHDMIポートに3-in-1ケーブルの黒い端子の方のUSB-AとHDMIを挿し、3-in-1ケーブルの赤い端子の方のUSB-AはACアダプターへ挿します。
3-in-1ケーブル(別売)
3-in-1ケーブルを使った場合のArtist Pro 14(Gen 2)とPCを接続したところ。PCにHDMIとUSB-Aを挿し、USB-A(赤)はACアダプターを繋いで電源コンセントへ
Artist Pro 14(Gen 2)をPCに接続したら続いてPCにドライバーをインストールします。なお、PCはWindows 7以降のほか、macOS 10.10以降やLinux、Chrome OS 88以降に対応しており、Android搭載のスマートフォン(スマホ)やタブレットでもUSB3.1 DP1.2に対応していれば利用可能です。
ドライバーのインストールは1分もかからないくらい
なお、もし以前使っていたPCに他の液晶タブレットやペンタブレットなどのドライバーが入っていると、動作に不具合が起こる可能性があるため、先にアンインストールしておきましょう。さらに専用ユーティリティーアプリもインストールします。
ユーティリティーアプリは液晶タブレットの作業エリアやスタイラスペンの設定ができるほか、スタイラスペンのボタンにも機能登録できるが無効化も可能
設定はインポート・エクスポートが可能なため、複数のデバイスで同じ設定で使いたい場合や万が一の際のバックアップにも
ワイヤレスショートカットリモートの接続はPCのUSB-Aポートにペンケースに入っているBluetoothのレシーバーを挿すだけで利用できるようになります。またPCがBluetoothに対応している場合にはペアリングして使用することもできます。USBポートに余裕がない場合はペアリングが良いかと思います。またワイヤレスショートカットリモートは付属のUSB-C to USB-Aケーブルで優先接続も可能です。
ちなみにワイヤレスショートカットリモートはXPPenのタブレットだけでなく、単体でもショートカットキーとして使用できます。設定は4つ登録でき、登録ごとにすべてのキーを切り替えて使えるため、アプリによって違うショートカットキーを登録しておくなどといった使い方もできます。
ワイヤレスショートカットリモートの設定画面。左上の<>でArtist Pro 14(Gen 2)とワイヤレスショートカットリモートの設定画面が切替可能。ワイヤレスショートカットリモートのクリック感は軽く、ストレスのない押し心地で使いやすい
それでは最後に実際にArtist Pro 14(Gen 2)を使って試し描きをしてみました。画面は紙のような感触の「X-Paper Surface」となっており、AGエッチングガラス加工が施され、アンチグレアかつ指紋防止のフルラミネーションとなっているため、視差は少ないと思います。
また描画面はサラサラとした手触りでスタイラスペンの滑りも良いです。ただし、スタイラスペンの感度が高いとよくあることですが、ちょっとした動作も拾ってしまい、線にヒゲが生えてしまっていました。この辺りはユーティリティーや利用するペイントアプリの設定などでどうにでもなりますが、使用開始直後は気を使いますね。
その他にも普段、スタイラスペンは付属のペン立てを使用しているので、付属品にペン立てがないのが思いの外不便でした。発売記念でArtist Pro 16(Gen 2)にはXPPen オリジナル・ペンスタンドが無料で追加できるのはうらやましいですね。スタイラスペンをその辺に転がして置くのも気が引けるのでいちいちペンケースに寝かせることになっています。
なお、ペンケースはArtist Pro 14(Gen 2)と机の間のデッドスペースに置けますが、描いている途中にちょっと置きたい……という度にさっと置けない、さっと掴めないのは地味にストレスを感じます。手元にある物で代用しようと試みましたが今ひとつ合わなかったので、ペン立てを自作するのはありかと思います。
Artist Pro 14(Gen 2)の「ペンの硬さ」設定は7段階で、設定で書き心地はかなり変わるので自分好みの設定を見つけられます。ユーティリティーの設定がデフォルトのままでは自分の筆圧やクセには合わなかったのですが、自分にちょうど良い設定を見つけてからは気分良く描けるようになりました。特に前述通りに描画面のサラサラ感によってスタイラスペンの滑りが良くて描きやすいです。
今どきのタブレットはだいたいどれを選んでもそれなりに描けますが、それぞれのタブレットにスペック表ではわからない個性はあります。
今回試したArtist Pro 14(Gen 2)も量販店やイベントなどで実物に触れる機会はあるようですので、試し描きで描き心地を確かめてみてください。ユーティリティーで設定を変えながら触ると尚良いかと思います。
https://youtu.be/2jLeclRH02g
製品名 | Artist Pro 14(Gen 2) 液晶ペンタブレット | |
製品モデル | MD140FH | |
色 | ブラック・グレー | |
スタイラスペン | X3 Proスマートチップスタイラス | |
ON荷重 | 3 g | |
筆圧レベル | 16384 | |
傾き検知機能 | 60° | |
画面解像度 | WUXGA(1920×1200ドット) | |
サイズ | 359.30×268.57×19.31mm | |
作業エリア | 298.94×186.84 mm | |
フルラミネーション | あり | |
視野角 | 178° | |
コントラスト比 | 1000:1 | |
輝度(標準) | 250 cd/m2 | |
解像度 | 5080 LPI | |
色域カバー率(標準) | 99% sRGB、85% Adobe RGB | |
色域面積比(標準) | 123% sRGB、91% Adobe RGB | |
読取高さ | 10 mm | |
応答速度 | 25 ms | |
レポートレート | 200RPS(最大) | |
精度 | ±0.4mm(中央)、±0.8mm(エッジ部) | |
搭載ポート | 1×フル機能USB-C 1×給電用USB-C |
|
電源入力 | AC 110-240V | |
電源出力 | DC 5V ⎓ 2.3A | |
互換性 | Windows 7以降、macOS 10.10以降、Android(USB3.1 DP1.2)、Chrome OS 88以降、Linux |