期待のシャープ製フラグシップスマホ「AQUOS R7」の性能をチェックしてみた! |
シャープのカメラ機能が注目となる高性能なフラグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R7」。NTTドコモから「AQUOS R7 SH-52C」とソフトバンクの携帯電話サービス「SoftBank」から「AQUOS R7(A202SH)」が発売され、すでに2〜3週間が経ちました。
カメラ機能ではLeicaと共同開発したSUMMICRON(ズミクロン)レンズと1インチセンサーによる魅力的な画質はもちろんのこと、それ以外にも5Gではミリ波(mmWave)にも対応し、チップセット(SoC)には現行の最上位級となるQualcomm製「Snapdragon 8 Gen 1」、内蔵メモリー(RAM)も12GBと大容量を搭載しています。
また同じくシャープでは初めてLeicaと共同開発したSUMMICRONレンズと1インチセンサーを搭載した前機種「AQUOS R6」では実装されていなかったワイヤレス充電(Qi)への対応など、基本仕様においても全方向に抜かりのない性能のハイエンドモデルとして仕上がっています。
その分、お値段もハイクラスとなってしまっており、NTTドコモ版では公式Webストア「ドコモオンラインショップ」などの直営店価格は税込み198,000円、SoftBank版でも公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」などの直営店価格は税込み189,360円)で、購入方法によってはさまざまな割引が用意されていたり、返却によって分割払いの残債が免除されたりはしますが、なかなか手が出しにくくくはあります。
そんなAQUOS R7のNTドコモ版を筆者もこれまでAQUOS R2からのお付き合いとなっていることから頑張って自腹で購入し、[https://s-max.jp/archives/1817387.html[前回
]]は開封して同梱品やプリインストールアプリなどを紹介しましたが、本記事では引き続き、ベンチマークアプリでの性能チェックやゲームアプリなどがどれくらいに快適に遊べるかをチェックしてみようと思います。
【ベンチマークアプリで性能を試す】
<AQUOS R7の性能を確認する>
まずはスマホのハードウェア情報やスペックを確認できるアプリ「Device Info HW」を使ってAQUOS R7 SH-52Cの性能をおさらいしてみましょう。
AQUOS R7 SH-52Cの端末情報
現行の移動体通信事業者(MNP)の大手各社が取り扱うAndroidスマホとしては最上位級の性能を持つモデルであるAQUOS R7ではありますが、特に動作やゲームアプリに影響のありそうな部分としては以下のようなスペックが特に影響の大きいところとなります。
SoC(System-on-a-chip):Snapdragon 8 Gen 1(Qualcomm製)
GPU:Adreno 730(Snapdragon 8 Gen 1に内包)
RAM:12GB(LPDDR5)
画面解像度:1260×2730ドット(WUXGA+)
他社のフラグシップモデルやゲーミングモデルなどのハイエンドスマホの中にはさらにRAMの容量が大きい製品や動作をさらに軽くすためにあえて画面解像度を抑えた製品なども存在するため、ベンチマークのスコア比較などについてはあくまでも参考値・指標の1つと見ていただればと思います。なお、計測については同じテストで3回計測し、その中間スコアを参考基準として採用する方法を用います。
<PC Markで全体的な性能をチェックする>
まずは全体の総合的な性能をチェックするベンチマークアプリ「PC Mark」でテストを行ってみました。
PC Markのベンチマークスコア
計測履歴とスコアランキングの周辺値付近
AQUOS R7 SH-52Cの今回の参考スコア(中間得点)、14195点を参考値として近いスコアの端末にXperia 1 IIIやZenFone 7、Galaxy S21+といった昨年のフラッグシップスマホの名前が確認でき、今年登場した他社のハイエンドスマホと比べると若干低め(価格やコンセプトが全く異なるゲーミングモデルを除いたとしても)ではあるもの、それでも現行機としては第一線級といって差し支えないものと言えるでしょう。
<3D Markで高負荷なゲーム系アプリにどれだけ強いかチェックする>
続いて3D描画能力などの処理負荷の大きいゲーミング性能をテストするため、ゲーミング系ベンチマークアプリを試したのですが、筆者の環境に限った話の可能性もあるものの、本機でゲーミング系のベンチマークを実行中にテストがクラッシュ(強制終了)して計測エラーとなる現象が何度か発生しました。
あくまでも筆者の予測ですが、AQUOS R7の省電力機能(描画レートの可変などや画面自動点灯の通知が出てくるなど)が影響している可能性があると考えています。PC Markでこういった現象はなかったものの、緻密な3D描画での負荷をかけるゲーミング系のベンチマークのいくつかで発生しているため、本機は(現時点では)ゲーミング系のベンチマークアプリとは相性が悪いのかもしれません。
今回の計測に限り、3D Markのテストは3回完走するまで繰り返し実施し、無事に完走した3回のスコアの中央値を参考スコアとしました。そのため、3D Markについては7〜8回くらいベンチマークを繰り返しています。一方で、実際にゲームアプリを動かしても、アプリが落ちることはこれまで一度もありませんでした。
3D Markのスコア履歴と近似スコアのランキング
中間スコアは2341点で上位には超高価格帯のゲーミング特化モデルひしめくランキングで29位相当(記事執筆時)と大健闘。近似スコアのスマホには日本未発売の「Xiaomi 12」などがあります。
また画像内にはありませんが、同じく今年のフラッグシップスマホである「Galaxy S22 Ultra」は2200点(32位)と、AQUOS R7の方が若干上回っていますが、これはGalaxy S22 Ultraの画面解像度が非常に大きく(AQUOS R7は1260×2730ドット、Galaxy S22 Ultraは1440×3088ドット)、ゲーミング系のベンチマークには不利な端末であるためです。そうしたこともあり、これら2機種よりも画面解像度の低い「Galaxy S22+」がさらに上位にいるというわけです。
AQUOS R7のゲーミング系の性能については現時点での最上位クラスのSoC(CPUとGPU)に12GBの余裕を持ったRAM、そして高すぎない画面解像度というバランスの取れた構成のおかげで、ほとんどのゲームアプリを快適に動作できるものとなっていると思われます。
ちなみに3D Markの最上位はNubia Technologies製「REDMAGIC 7S PRO」(日本未発売)が2796点となっており、やはりこのジャンルのベンチマークはゲーミングスマホが強いことがうかがえ、上位1〜3位はすべてゲーミングスマホとなっています。
【実際にゲームアプリを試してみる】
今度は動作に高いスペックを要求する負荷の高そうな(筆者が実際に遊んでいる)ゲームアプリをいくつか試してみましたので、参考にしていただければと思います。
<「デレステ」を試す>
まずは定番の3Dキャラのアイドルが登場する音楽ゲーム「アイドルマスター シンデラガールズ スターライトステージ」(デレステ)を「3Dリッチ/高画質」の設定で「GRAND LIVE」(最大15人のキャラクターが同時に登場する一番処理の重いモード)で試してました。
最高設定でもスムーズに動作。特に3枚目の多くのキャラクターが同時に描画される「引き」のカットでもカクつきはみられなかった
すでに遊ぶだけならスペックは問題がない(Snapdragonなら3年前のSnapdragon 855でも高画質で十分遊べるレベル)ので、もはや最大5人の通常ライブはどんな設定でも普通に動いて当たりまえの世界です。後はここまでの性能になると「一番負荷の高い設定とゲーム内容でどれだけ遊べるか」というものになります。
そしてAQUOS R7は最も重い設定でGRAND LIVEを遊ぶのもまったく問題なく動作します。なめらかハイスピードをオンにしても問題なく遊べる(ノーツ位置の調整は必要になりますが)ので、有線イヤホン対応も相まってこのゲームを遊ぶことについては文句のつけようがない結果かと思われます。
<「ミリシタ」を試す>
続いても3Dキャラのアイドルが登場する音楽ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ」で検証します。こちらはサブコンテンツとして対戦格闘ゲームなどが実装されているほか、メイン(事務所)画面までも3Dキャラクターが動き回り、メインコンテンツの音楽ゲーム(LIVE)では最大で31人のキャラクターが同時に登場するモードがあるなど、「遊ぶベンチマーク」に相応しいゲームとなっています。もちろん設定は最も負荷の大きい「3D高画質」で39人ライブを試しています。
最大39人ものキャラクターたちが次々と登場してもまったく問題なく、ド派手なゲームプレイが楽しめる
ミリシタにおいても最も重い設定・ゲームモードで快適に動作することが確認できました。こちらもスペックは十分なレベルなので、通常のゲームプレイではなく、ゲーム内から数曲ある最大39人のキャラクターが同時に登場する曲を選択し、最高の画質設定で実行しています。
39人のキャラクターが一度に動くので、デレステよりもさらに高負荷になると思われることから、多少は処理が重くなるものかと予想していましたが、キチンとゲームをクリアできるかどうかは別としてこちらもカクつきやノーツずれなどはなく快適に動作していました。
<「マジカミ」を試す>
最後はパソコン(PC)向けとスマホなどのモバイル向けの両方でサービスを行っているRPGアプリ「アイ・アム・マジカミ」(以下、マジカミ)を試します。エフェクトがド派手、かつ登場するキャラクターの動きも大きく、高画質設定での快適な動作には相当なスペックを必要とするゲームアプリで、今回試すアプリにおいてはもっとも負荷の大きいそんなゲームをAQUOS R7で試してみます。設定は「グラフィック:高/省エネ設定:オフ/演出設定:高」の一番負荷の大きい設定にしています。
動作自体は非常にスムーズで快適に遊べるのだが……
最も重い動作設定でもゲーム中は動作に問題なく快適に動いていたのですが、これまでの2つのゲームアプリと異なり、AQUOS R7本体が非常に発熱して本体を持っていてハッキリと「熱い」と感じるほどになりました。
このゲームはRPGなのでバトルがゲームの中心となり、ここが一番負荷のかかる部分となるのですが、本作はメインメニュー画面も3Dモデリングのキャラクターが表示され、キャラ同士が雑談をするといった日常のやりとりが楽しめるこの時にも本体が熱を発し続け、本機の省エネ機能の明るさ制限(AQUOS R7本体内の温度が高くなると、急激な電力の消費や熱暴走を抑えるために画面の明るさが一定以下に強制的に変更される)モードが発動するのを確認しました。
非常に高負荷なアプリを動作させる際にはゲームの動作設定をあえて下げるくらいの対策は必要かもしれません。これは同じくPC向けとモバイル向けの両方で展開しており、快適に動作させるにはかなりのハイエンドスペックを要求するゲームアプリ「原神」なども同様の可能性が高いと思われます。
またAQUOS R7が搭載しているSnapdragon 8 Gen 1はそのハイスペックゆえに熱を持ちやすいとされているのも理由になるかもしれません。
【ベンチマークアプリやゲームアプリでの動作テストを終えてのまとめ】
ベンチマークの結果を見てみると、AQUOS R7の基本的な面での総合力は同世代のフラグシップ級のスマホと比較すると、若干控えめではあり、一部で昨年のハイエンドモデルと同程度のスコアもあったのはちょっと残念な気もしますが、実用面においては問題ないくらいには高い平均点を獲得していると見ていいでしょう。
そしてゲームなどの高い処理能力を求めるアプリの動作については「高い性能を当時は要求していたものの、リリースから数年経過したくらいのゲームアプリ」であれば、最高設定でも何の問題もなく、「比較的最近に登場したPCやゲーム機向けのサービスも並行して提供しているような本格的なゲームアプリ」で遊ぶの長時間でなければ特に問題はないと感じましたが、やはり排熱・冷却機能まで万全に設計されたゲーミングモデルのスマホにまでは届ききらないといった印象でした。
AQUOS R7の魅力はLeicaと協業して搭載した、強力なカメラ性能などのベンチマークなどでは測れない部分での性能でもあるので、あくまでも今回の性能テストは基本的な端末性能を測る指標として参考にしていただければ、と思います。
次回は筆者が実際に本機を使っていて気が付いたカメラ機能を含むポイント(気に入った点・気になった点)などをまとめてお送りしますので、お楽しみに。
アプリ名:PCMark for Android Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
(引用元:livedoor news)