総務省は28日、NTTドコモから申請のあった3.9G(3.9世代移動通信システム)などの普及のための特定基地局の開設計画および4G(第4世代移動通信システム)などの普及のための特定基地局の開設計画の変更を2021年12月28日(火)に認定したとお知らせしています。
これにより、NTTドコモでも4Gなどで使用されている周波数帯に5G(第5世代移動通信システム)を導入するための認可が得られ、5Gエリア拡大に対する期待感の高まりや半導体サプライチェーンの動向などの環境変化を踏まえ、来年度(2022年4月)以降に4G用周波数帯の5Gへの転用を行うための準備が整いました。
また総務省では28日、5Gの面的なカバーを実現するためにNTTドコモおよびKDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイルの移動体通信事業者(MNO)の各社に対して5G基地局整備の加速化や計画を2022年3月11までに提出すること、5Gの基地局開設数や展開率、人口カバー率を年度末日ごとに計画を作成することなどの措置を要請すると発表しています。
NTTドコモでは総務省より2019年4月に5G向けに新たに周波数帯域が割り当てられ、Sub6では3.7GHz帯(n78)と4.5GHz帯(n79)、ミリ波(mmWave)では28GHz帯(n257)という4Gの周波数よりも広い幅が利用できるため、5G専用の周波数を活用した高速&大容量なサービス「瞬速5G」として提供しています。
また5Gの通信速度も商用サービス開始当初の2020年3月から段階的に高速化しており、2020年9月にミリ波のサービスを開始し、送信時最大480Mbpsを実現したほか、2020年12月にSub6の周波数帯を束ねて利用するキャリアアグリゲーション(CA)を導入して受信時最大4.2Gbpsを提供してきました。
現時点では5Gエリアは面展開できておらず、スポット的な状態となっていることからエリアの端が多く存在するため、特に5Gエリアの端で通信品質が低下してデータ通信が止まる事象(いわゆる「パケ止まり」)が発生しています。これに対してネットワークのチューニングといった対策を行っていますが、完全には解消されていない状況です。
一方で先に4G用周波数帯の5Gへの転用を開始しているKDDIやソフトバンクではより低い周波数を利用して5Gエリアを拡大しているため、NTTドコモよりは確実に広いエリアを面展開できており、ソフトバンクではこの影響でパケ止まりはかなり解消できていることが説明されてきました。
NTTドコモでは今年12月に開催した「ドコモ5Gのさらなる進化に関する説明会」にて4Gの利用者が仮想移動体通信事業者(MVNO)を含めてまだ非常に多いことからそうした人々への影響が少なからず出てくるため、影響をしっかりと見定めながら5Gへの転用時期を検討しているとし、技術的な準備は着々と進めているといったことが明らかにされていました。
今回、総務省によってNTTドコモの4G用周波数帯の5Gへの転用について認可されたことで、法制度的にも準備が整ったため、後はいつから導入するのかといった状況となりました。なお、総務省が公開している資料では700MHz帯(Band 28)と3.4GHz帯(Band 42)の5Gへの転用(それぞれn28とn42)が認可されていますが、現時点ではどの周波数帯をいつ転用するかは明らかになっていません。
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX – Facebookページ
・総務省|報道資料|株式会社NTTドコモに係る特定基地局の開設計画の変更認定
・総務省|報道資料|5G基地局整備の加速化に関する要請について(要請)
(引用元:livedoor news)