Xiaomiの低価格かつ高性能なSIMフリースマホ「Redmi Note 9S」をチェック! |
既報通り、Xiaomi(以下、シャオミ)が日本市場向け第2弾製品として新たにSIMフリースマートフォン(スマホ)「Redmi Note 9S」(Xiaomi Communications製)を日6月9日に発売しました。
価格(金額はすべて税込)はオープンながら市場想定価格ではRedmi Note 9Sの4GB内蔵メモリー(RAM)+64GB内蔵ストレージが24,800円、6GB RAM+128GB内蔵ストレージが29,800円となっています。
また販路もこれまでのAmazon.co.jpに加えて量販店やECサイト、仮想移動体通信事業者(MVNO)の各社に広がり、MVNOでは4GB RAM+64GB内蔵ストレージをIIJmioおよびgooSimseller、LINEモバイルが取り扱っています。
なお、販路によってどちらかのモデルのみが販売されており、4GB RAM+64GB内蔵ストレージは上記のMVNOの他にAmazon.co.jpおよびひかりTVショッピング、6GB RAM+128GB内蔵ストレージはビックカメラグループやヨドバシカメラ、ヤマダ電機、エディオン、上新電機、ケーズデンキ、ノジマとなっています。
今回は発売から少し時間が経ちましたが、シャオミからRedmi Note 9Sの6GB RAM+128GB内蔵ストレージモデルをお借りしましたので、まずは外観や同梱品、基本機能などを中心にファーストインプレッションをお届けします。
Redmi Note 9Sのパッケージ。日本で販売されているMi Note 10シリーズが黒をベースとした高級感のあるパッケージとなっているのに対して白をベースにしたシンプルなものに
これまで日本で販売されている「Mi Note 10」シリーズがシャオミの上位ブランド「Mi」であるのに対し、Redmi Note 9Sはより価格を重視した下位ブランド「Redmi」の最新製品で、日本では初のRedmiブランドとなります。
下位ブランドではありますが、Redmi Note 9Sはチップセット(SoC)にQualcomm製ミッドハイレンジ向け「Snapdragon 720G(SM7125)」を搭載しており、2万円台とは思えない性能を備えており、その性能を考えればこれまでの他社の製品と比べてかなりコストパフォーマンスが高くなっています。
Redmi Note 9Sの箱を開けたところ。最初に本体ではなく、ケースや取扱説明書などが入った小箱があり、その下に本体、さらに下にACアダプターなどの付属品が収納されている
一方で日本市場に参入して間もないこともあり、おサイフケータイ(FeliCa)や防水・防塵といった日本でニーズの高い機能には対応していません。そのため、こうした機能が必要な人にとってはメインとして使う製品の候補から外れてしまうかもしれません。
とはいえ、Snapdragon 720Gを搭載しているので操作の快適性はかなり高く、おサイフケータイや防水などが必要がない人や、必要がある人もすでにそれらを使う製品を持っていて、他のゲームやSNSなどの機能を使うためのセカンドマシン用の候補としては良さそうです。
Redmi Note 9Sの付属品はACアダプター(最大22.5Wの急速充電対応)やUSB Type-C ケーブル、クリアカバー、SIM取り出しツール、ユーザーガイド、保証書
Redmi Note 9Sのディスプレイは画面上部中央にパンチホールを配置したアスペクト比9:20の縦長な約6.67インチFHD+(1080×2400ドット)液晶を搭載しており、コントラスト比は1500:1、色域は84%(NTSC)、10点マルチタッチ、画面占有率は91%とほぼ全画面デザインとなっています。サイズは約165.75×76.68×8.8mm、質量は約209g。
またパンチホール部分には約1600万画素CMOS(1画素1.0μm)/広角レンズ(F2.48)のフロントカメラを搭載し、顔認証に対応しています。また生体認証としては顔認証以外にも本体右側面にあるセンサーで指紋認証が行えます。パンチホールは若干ステータスバーをはみ出ていますが、実用的にはあまり気にならないかと思われます。
Redmi Note 9Sを起動したところ。前面は画面左右端がラウンドしていないフラットデザインに。また起動ロゴも「Mi」ではなく「Redmi」が表示され、初期設定の最初は「MIUI 11」であることがアピールされています
Redmi Note 9Sを持ったところ。さすがに6.67インチサイズで209gあるので大きめで重めではありますが、背面のラウンド形状などもあって持ちにくくはないです
前面だけでなく背面も強化ガラス「Corning Gorilla Glass 5」を採用し、本体カラーは写真のグレイシャーホワイトの他にオーロラブルーの2色展開。グレイシャーホワイトは若干グレーがかった落ち着いた色合いで、最近流行りの光の当たり具合によって反射する色味が変わるような処理はされていません。
背面上部中央にはリアカメラモジュールが配置されており、リアカメラの構成は以下の通り。メインの広角カメラは4つの画素を1つにまとめて1画素1.6μm相当で明るく撮影できる「4-in-1 Super pixel」に対応しており、通常は約1200万画素相当(4000×3000ピクセル)で撮影します。
・1/2型の約4800万画素CMOS(1画素0.8μm)/広角カメラ(F1.79、79°、6P)
・1/1.4型の約800万画素CMOS(1画素1.12μm)/超広角カメラ(F2.2、119°)
・1/1.5型の約500万画素CMOS(1画素1.12μm)/マクロカメラ(F2.4)
・1/1.5型の約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/デプスカメラ(F2.4)
Redmi Note 9Sのグレイシャーホワイトの背面。Mi Note 10シリーズとは違い、左右対称デザインに。また背面は上下左右端がラウンドしており、持ちやすくなっています
リアカメラの出っ張り具合。かなり出っ張っているものの、中央に配置されているので背面を下にして置いてもカタカタすることはないです。一方でモジュールの下に凹みがあり、ここにゴミが溜まりそうなのがむしろ気になりました
カメラ機能では27種類のAIシーン検出やHDR撮影に対応するほか、ナイトモードやポートレートモード、バーストモード、プロモード、4K(30fps)ムービー撮影、960fpsスローモーション撮影などに対応。プロモードでは各種設定が手動で行える以外にRAW保存(DNG形式)が行え、Android Camera2 APIをサポートしているため、サードパーティー製のカメラアプリでもRAW保存が可能となっています。
標準のカメラアプリのファインダー画面。ユーザーインターフェース(UI)は上位モデルのMi Note 10シリーズと同じで、超広角やズームはボタンで簡単に切替可能
カメラアプリの設定画面。マクロカメラは最短2cmまで寄れるとのことで、マクロは標準カメラにてハンバーガーメニューから選択可能。また「48MP」モードにて約4800万画素(8000×6000ピクセル)で撮影できます
既存のシャオミ製品と同様にMIUI 11でも設定から地域を日本以外(例えば、台湾など)にすればカメラアプリの設定で「カメラの音」が現れ、オフにするとシャッター音を無音にできます。ただし、他の地域にすると、その地域向けのアプリが追加されたりするのでご注意を
性能面ではCPU(64bit)が8nmプロセス製造による2.3GHzのCortex-A76ベースのKryo 465 Goldコア×2+1.8GHzのCortex-A55ベースのKryo 465 Silverコア×6のオクタコア、GPUがAdreno 618となっており、ベンチマークでは総合的な評価ができる「AnTuTu Benchmark」(Version 8.3.9)では6GB RAM+128GB内蔵ストレージモデルの総合スコアは27万台となっていました。
ワンランク下のSnapdragon 665を搭載した製品では17〜18万台程度、ワンランク上のSnapdragon 765G(32〜33万程度)やSnapdragon 845(33〜35万程度)となっているので中間であることがわかるほか、Snapdragon 730Gを搭載しているMi Note 10シリーズが26万台となっており、より高くなっていました。
これは恐らくSnapdragon 730GよりもSnapdragon 720Gの方が後にリリースされたSoCで、CPUの最大周波数もSnapdragon 730Gは2.2GHzと若干低く、DSPやISPがSnapdragon 720Gの方がより上位となっていることなどが影響してそうです。とはいえ、AnTuTu Benchmarkの総合スコアで1万程度の違いは体験ではほとんどわからないかと思われます。
Redmi Note 9Sの左右側面。右側面には音量上下キーと指紋センサーを内蔵した電源キー、左側面にはmicroSDXCカードおよびnanoSIMカード(4FF)のカードスロットが配置
指紋センサーを内蔵した電源キーは中央よりも上のほうにあるため、少なくとも筆者が普通に持った状態では一番上にある人差し指でも届かないので一旦認証してから普段の持つ位置に持ち直す必要があります
携帯電話ネットワークの対応周波数帯は4GのFDD-LTE方式でBand 1および2、3、4、5、7、8、18、19、20、26、28、TDD-LTE方式でBand 38および40、41(2535〜2655MHz)、3GのW-CDMA方式でBand 1および2、4、5、6、8、19、2GのGSM方式で850および900、1800、1900MHzとなっています。
センサー類は距離センサーおよび画面内環境光センサー、加速度計、ジャイロスコープ、電子コンパス。またバイブレーション用にZ軸リニア振動モーターを搭載。位置情報取得はA-GNSS(GPS・Galileo・GLONASS・Beidou)をサポート。OSはAndroid 10ベースの独自ユーザーインターフェース「MIUI 11」をプリインストール。
その他の仕様は5020mAhバッテリーおよび急速充電(18W)、USB Type-C端子、IEE802.11a/b/g/n/ac準拠のWi-Fi、Bluetooth 5.0、FMラジオ、3.5mmイヤホンマイク端子など。リアカメラは以下のクアッド構成。電池持ちは音楽再生で約147時間、通話で約33時間など。
カードスロットはmicroSDXCカードとnanoSIMカードが2つの合計3つのトリプルスロットとなっています。日本の移動体通信事業者(MNO)ではNTTドコモやau、ソフトバンクの他に楽天モバイルにも対応。ただし、楽天モバイルでは緊急速報メール(ETWS)などの一部機能は利用できないとのこと
Redmi Note 9Sの上下側面。上側面には赤外線リモコン端子とマイク、下側面には3.5mmイヤホンマイク端子とUSB Type-C端子、外部スピーカー、マイクが配置。防水ではないものの、ナノコーティングによる防滴仕様のため、多少の水しぶきくらいであれ大丈夫だと思われますが、各端子やスピーカー部分などは水濡れに注意したいところ
付属のクリアケース。なお、同梱品に記載はないものの、画面保護フィルムが貼り付けてあるので、ガラスシートなどにしたい人は貼り替えたいところ
付属のクリアケースを装着してみたところ。リアカメラ部分は付属のクリアケースを装着しても若干出っ張りがあります
付属のクリアケースはしっかり作られており、上側面のマイク部分などにもきっちり穴が開けられているほか、珍しくUSB Type-C端子にはカバーが付いています
Redmi Note 9S(左)とMi Note 10(右)のサイズ比較。Mi Note 10は6.47インチサイズなので、Redmi Note 9Sの方がひと回り大きい
初期設定後のホーム画面は2枚。プリインストールされているホームアプリは「システムランチャー」のみ
通知エリア(画像=左)とアプリ切替(画像=右)。アプリ切替では画面下部中央にある×ボタンで全消去が可能
設定画面。MIUIなのでMi Note 10シリーズと同様に項目の並び順がPixelやピュアAndroidを謳う製品とかなり違うものの、検索にも対応しているのでなんとか目的の設定を見つけられるのではないかと思われます
デバイス情報。初期設定後の内蔵ストレージは約20GB弱利用されており、約109GBが使える状態。MIUIでは各項目を連続タッチすることで開発者向けオプション以外にも電話アプリで「*#*#4636#*#*」などで利用できる項目も利用可能
デュアルアプリはゲーム以外にも一部対応。モデル名は「M2003J6A1R」で、技適は工事設計認証が「217-200030」、技術基準適合認定が「ADF200030217」
Redmi Note 9Sをざっくりと紹介してきましたが、やはり2万円台でこの性能はコストパフォーマンスが高いと思われます。この価格帯だと、Wi-Fiのaやacといった5GHz帯に対応していなかったり、急速充電に対応していなかったりと性能面以外にも機能面でも削られていることが多いですが、そういったこともありません。
もちろん、前述通りにおサイフケータイや防水・防塵には対応していませんし、FeliCaだけでなくNFC Type A/Bにも非対応で、ワイヤレス充電も非対応なので削られている機能はありますが、電池持ちも良く、他の製品と比べると、同価格帯では魅力的なのは確かなのではないでしょうか。