Googleがスマホなど向け次期OS「Android 11」の開発者向けプレビュー版第2弾をリリース! |
Googleは18日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 11」における開発者向けプレビュー版の第2弾「Android 11 Developer Preview 2」(以下、DP2)を公開したとお知らせしています。
提供されているのは今年2月に公開された「Android 11 Developer Preview 1」(以下、DP1)と同様にAndroidエミュレーターのほか、Pixel 2、Pixel 2 XL、Pixel 3、Pixel 3 XL、Pixel 3a、Pixel 3a XL、Pixel 4、Pixel 4 XLでテストするためのファクトリーイメージやSDKが含まれており、ファクトリーイメージ( https://developer.android.com/preview/download )から手動で導入するようになっています。
また同社ではファクトリーイメージをフラッシュする(焼く)のを少し簡単にするために「Android Flash Tool」を提供開始したとのこと。さらにすでにDP1またはその後に提供開始されていた不具合修正版の「Android 11 Developer Preview 1.1」を導入している場合はネットワーク経由のソフトウェア更新(OTA)も提供されます。
DP2ではPixelシリーズにおけるビルド番号が「RPP2.200227.009」で、すでにAndroidセキュリティーパッチレベルは「March 2020」のまま、Google Play servicesは「20.11.12」となり、エミュレーターでは32bitおよび64bitのx86がサポートされ、APIレベルは「R(DP2)」となっています。
なお、ネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)は現時点では用意されておらず、今後提供が開始される予定の一般向けベータ版「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )によって提供され、ベータ版はPixelシリーズ以外にも従来通りに他メーカーの一部製品にも順次提供される見込み。
Android 11のリリースマイルストーン
Android 11は現在の最新バージョンの「Android 10」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、恐らく5月に開催される「Google I/O 2020」で詳細な説明を行うと見られますが、すでに新機能についてもDP1に続いてDP2でもある程度公開されています。
○新体験
・5G state API
DP2にて追加され、5G NR方式におけるSA(スタンドアローン)モードまたはNSA(ノンスタンドアローン)モードかどうかを素早く確認できます。
また既存の接続APIや帯域幅推定API、5G dynamic meteredness APIと併用することで5Gの速度や応答時間を確認可能となっています。
・フォルダブルのヒンジ角度
折り畳み式デバイスにおいてどのくらい開いているかを確認できるようにAndroid 11ではヒンジ角度センサーに対応し、新しいAndroidX APIを介して正確なヒンジ角度を照会できます。
・着信振り分け機能の改善
通話において迷惑電話かどうかなどを振り分ける「スクリーニングアプリ」が追加され、着信の「STIR」または「SHAKEN」ステータス(発信者IDのなりすましから保護する基準)を確認することに加えて通話拒否の理由を報告できます。
アプリはシステムが提供する通話後の画面をカスタマイズして通話をスパムとしてマークしたり、連絡先に追加するなどのアクションを実行できるようにすることも可能で、近日中に詳細を公開するということです。
・ニューラルネットワークAPIの新しい操作と制御
Android 11ではニューラルネットワーク内のノードの出力を制御するアクティベーション関数により効率の良いオプション「hard-swish」が追加されます。
多くの転移学習のユースケースにおける基本モデルを形成する「MobileNetV3」などのような次世代のデバイス上のビジョンモデルを加速するキーとなります。
もう1つの主要な追加機能は分岐とループをサポートするより高度な機械学習モデルを可能にするControlオプションです。さらに一般的なユースケースの遅延を最小限に抑えるための新しい実行コントロールも追加されます。
○プライバシーとセキュリティー
安全を確保し、透明性と制御性を高めるための機能をいくつか追加しています。試してみてあなたの考えをフィードバックしてください。
・カメラとマイクのフォアグラウンドサービス
Android 10では特定のケースの説明責任を確保する方法としてマニフェスト属性「foregroundServiceType」を導入しました。当初、アプリは「場所」と他のいくつかから選択できました。
Android 11ではこれに新たに「カメラ」と「マイク」という2つの新しいタイプを追加しています。アプリがフォアグラウンドのカメラまたはマイクにアクセスする場合はマニフェスト属性にforegroundServiceType値を追加する必要があります。
・スコープストレージの更新
外部ストレージ上のアプリとユーザーデータをより適切に保護するために作業の繰り返しを続けており、Android 11に追加されるスコープストレージを更新し、既存ストレージから新しいスコープストレージへのファイルの移行のサポート、キャッシュファイルの管理の改善などの改善・変更を行っています。
○改善と品質
・IMEトランジションの同期
新しいAPIによってアプリのコンテンツをIME(文字入力アプリ)やステータスバーと連携し、画面のオン・オフでアニメーション化できるため、自然で直感的で高品質な文字入力が行えます。
さらにアプリはWindowInsetsAnimationController APIによってIMEとステータスバーの遷移を制御でき、例えば、アプリのスクロール状況に応じてIMEの状態を制御できます。
・可変リフレッシュレート
アプリとゲームでウィンドウの優先フレームレートを設定できるようになりました。ほとんどの製品はディスプレイを60Hzで更新しますが、一部製品はランタイムの切り替えによって90Hzと60Hzなどの複数のリフレッシュレートをサポートします。
これらの製品ではシステムはアプリの優先フレームレートを使用してアプリに最適なリフレッシュレートを選択します。なお、APIはSDKとNDKの両方で利用可能です。
・再起動時に再開
Android 11では夜間のネットワーク経由でのソフトウェア更新(OTA)のスケジュールを改善し、以前のバージョンと同様にOTAを適用するには再起動する必要がありますが、再起動時に再開すると、アプリはOTAの再起動後にロック解除せずにCE(Credential Encrypted)ストレージにアクセスできるようになります。
これにより、アプリは通常機能を再開し、すぐにメッセージを受信できることを意味し、OTAを夜間に自動実行してすぐに利用しない場合でも再起動後にメールやSNSなどの通知を継続して受信します。
なお、アプリはすべての種類の再起動後にデバイス暗号化(DE)にアクセスするダイレクトブートを引き続きサポートでき、次の開発者向けプレビュー版のOTAで「午前2時に再起動」をタップして「再起動時に再開」を試してみてください。
・エミュレーターでのカメラのサポート
Androidエミュレーターは前面および背面のエミュレートされたカメラをサポートするようになりました。リアカメラはCamera2 API HWレベル3(YUV再処理およびRAW保存を含む)をサポートし、ZSLやRAW(DNG形式)をサポートなどの高度な機能をテストするために使用できるCTS準拠したLEVEL_3です。
一方、フロントカメラはフルレベルでロジカルカメラ(2つの物理デバイスを持つ1つのロジカルデバイス)をサポートします。これらカメラは狭角カメラと広角カメラが含まれています。
開発者オプションでアプリの互換性が切替可能
Android 11のリリーススケジュールはこの後、4月に「Developer Preview 3」、5月に初のベータ版となる「Beta 1」が提供され、6月にPlatform Stability版となる「Beta 2」、そして今年の第3四半期(Q3:7〜9月)にRC(Release candidate)版となる「Beta 3」を経て正式版が提供開始される予定となっています。
Googleでは新しいOSバージョンを公開する際にアプリの互換性を優先することで、更新をより迅速かつスムーズに行えるよう取り組んでおり、Android 11では新しいプロセスやツールなどを追加して更新の影響を最小限に抑え、開発者がそれらを簡単に行えるようにしています。
GoogleではDP2がベータ版に近づいており、アプリの互換性テストを開始するための必要な作業ができるとし、今後提供されるAndroid 11 Beta 1で互換性のあるアプリをリリースできるように作業を早期に行うことを推奨しています。
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・Android 11 Developer Preview | Android Developers
(引用元:livedoor news)