最新の「POCKETALK(ポケトーク) 」を試した! |
いよいよ今年はオリンピックイヤーだ。2013年9月に2020年のオリンピック開催地が東京に決まったときから今日に至るまでの6年数カ月間、オリンピックに関する話題は国内外を問わず絶えることはなかったといえるだろう。
日本国内においては、今年のオリンピック開催に向けたインバウンド需要を見据えたビジネスやサービス、製品がさまざまな分野で登場し、訪日外国人観光客数もここ数年で飛躍的に増加した。
そんな中、ソースネクストは2017年10月23日に「通訳デバイス」と銘打った「 POCKETALK(ポケトーク)」を、同年12月14日に発売することを発表した。この初代POCKETALKは、発表後またたく間に大きな反響を呼び、日本における「翻訳機」の市場を一気に開拓した。
翌年の2018年9月7日には、2代目となる「POCKETALK(ポケトーク)W」(以下、POCKETALK W)を発売。初代POCKETALKにおける多くの不満点を改善しただけでなく、大々的なプロモーションや積極的な販売戦略により翻訳機市場で圧倒的なシェアを獲得していった。
そして昨年、3代目となる「POCKETALK(ポケトーク) S」(以下、POCKETALK S)を2019年12月6日から順次発売した。
前モデルの使い勝手を大きく改善するだけではなく、カメラ翻訳などの新機能を搭載してフルモデルチェンジしたのがPOCKETALK Sだ。
ソースネクストによると、2019年12月9日時点でPOCKETALKシリーズの累計出荷台数は60万台を突破したという。さらに、2019年12月10日にMM総研が発表した「音声翻訳専用機の世界累計出荷台数シェア」において、「POCKETALK(ポケトーク)」が世界シェア1位(31.1%)を獲得したと明かされた。
今回は登場以来、名実ともに「翻訳機」市場でトップを走り続けるPOCKETALKのシリーズ最新モデル POCKETALK Sを試してみたので、レビューをお届けする。
今回レビューに使用したPOCKETALK Sは、2年間のグローバル通信付きのホワイトモデル。発売前の試作機のため、製品版とは異なる場合があることをあらかじめ了承いただきたい。
■説明書は日本語表示 パッケージ内容を確認
まずは、パッケージの内容を確認していく。
個装箱
すべての内容物
スタートガイド(上)と取扱説明書(下)を開いたところ
利用規約などが記載された冊子
パッケージには本体のほかに、
・USB充電器(ACアダプタ)
・充電用USBケーブル(USB Type-C)
・スタートガイド
・取扱説明書
・ユーザー登録カード&ハードウェア保証書(個人向け、日本国内のみ)
・POCKETALK S 利用規約などが記載されている冊子
が付属している。
スタートガイド、取扱説明書、ユーザー登録カード&ハードウェア保証書は日本語表記のみだ。一方、「POCKETALK S 利用規約」の冊子は、「プライバシー・ステートメント」および「グローバルSIMサービス利用規約」についても記載もされており、日本語表記のページに加えて英語表記のページもある。
■本体の仕様をチェック
それでは、POCKETALK S本体をチェックしていこう。今回は前モデルのPOCKETALK Wと外観の違いなども比較してみた。
本体正面。左がPOCKETALK W、右がPOCKETALK S
本体背面。左がPOCKETALK W、右がPOCKETALK S
本体向かって左側面(画像上)、本体向かって右側面(画像下)
本体上部側面。下がPOCKETALK W、上がPOCKETALK S
本体下部側面。下がPOCKETALK W、上がPOCKETALK S
前モデルのPOCKETALK Wと比較すると一目瞭然だが、楕円形だった形状がスクエアな形状に変わっていることが分かる。さらに、サイズも小さくなっていることが分かるだろう。手に持つと、縦横の大きさもだが、厚みがかなり薄くなった印象を受ける。
POCKETALK Wのサイズ:高さ110mm×幅59.8mm×厚み15.8mm、重量100g
POCKETALK Sのサイズ:高さ91.6mm×幅53.8mm×厚み11.5mm、重量75g
実際に4.3mm薄くなり、重量も25g軽くなっているため、比較するとかなり小さいデバイスになったなという印象だ。
POCKETALK Sの本体右側面には、電源ボタンと音量(上下)ボタンを、背面には800万画素カメラを、下部側面にはUSB Type-C端子を搭載している。
なお、前モデルのPOCKETALK WもUSB Type-Cに対応していたので、USB端子の仕様に変更はない。
搭載するバッテリーは、POCKETALK Wが2200mAhに対し、POCKETALK Sは1200mAhと少なくなっており、この辺りは本体の小型化による影響といえるだろう。
ちなみに、連続待受時間が約240時間、連続翻訳時間が約420分(7時間)だったPOCKETALK Wに対し、POCKETALK Sは連続待受時間が約60時間、連続翻訳時間が約270分(4時間30分)となっている。カタログスペックとしては大幅に減少しているが、スマートフォンのように常時電源を入れて利用するわけではなく、必要な時にだけ電源を入れて利用する翻訳専用機と考えれば、充分な利用時間を確保できているのかもしれない。
もちろんバッテリー消費は使い方にもよるが、もし長時間の利用を想定する場合は、念のため外部バッテリーを用意しておいたほうがいいだろう。
ディスプレイは、POCKETALK Wが約2.4インチ(320×240)、POCKETALK Sが約2.8インチ(640×480)となっており、本体サイズは小さくなったが、ディスプレイのサイズや解像度はアップし、より綺麗で見やすい画面に変更されている。
また、本体前面に搭載されているトークボタンも、POCKETALK Wでは2つ搭載していたが、POCKETALK Sでは1つのみとなっており、UI(ユーザー・インターフェース)も大幅に変更している。
翻訳に対応する言語は74言語、そのうち55言語は音声とテキストの翻訳に対応し、19言語でテキストでの翻訳に対応している。これはPOCKETALK W、POCKETALK Sともに共通仕様となっている。
一方、POCKETALK Sではカメラ翻訳にも対応しており、こちらは55言語に対応している。
■POCKETALK Sの新機能をチェック
POCKETALK Sでは、
・カメラ翻訳機能
・英会話機能
・単位変換機能
・現地時間の自動表示
・メダル機能
・国旗表示による言語選択が可能
・「ポケトークセンター」に定型文の登録機能を追加
といった新機能が搭載されているが、このうち「カメラ翻訳」「英会話」「単位変換」の機能について紹介する。
メニュー画面。ここから各機能のアイコンをタップして操作する
翻訳したい被写体をカメラで撮影する
撮影した写真はトリミングできる
撮影した画像の上に翻訳が表示される
前画面の翻訳表示をタップすると翻訳されたテキストだけが表示される
今回から搭載された55言語に対応したカメラ翻訳は、撮影した画像内のテキストを、テキストと音声に翻訳してくれる機能だ。
例えば、メニューや看板に書かれている外国語を翻訳したいときに使うというもので、今回は、前述の付属品で紹介した「POCKETALK S 利用規約などが記載されている冊子」の英語ページを撮影してみた。
便利だと感じたのは、撮影後すぐに画像のトリミング(切り取り)ができる点だ。今回のような利用規約や、説明書・新聞などのようにたくさんの文字が並ぶ被写体を撮影したときに、翻訳したい部分だけをトリミングできるのはとても便利だ。トリミングする必要がない場合は、トリミングの画面をスキップすればいいだけなので、ストレスを感じることはほとんどないだろう。
ほかにも、
・画像の上に翻訳表示がされる
・その翻訳表示をタップするだけでテキストのみの翻訳が表示される
・原文が何語なのか表示される
・再生ボタンをタップすると原文を音声で再生してくれる
こういった点がかなり便利だと感じた。
原文が何語なのか分からなくても自動認識して翻訳してくれた上に、原文の言語表記をしてくれるのはかなりありがたい。
スマホのカメラで撮影するのとほとんど変わらない操作で写真を撮るだけで、これだけの翻訳機能が利用できるのは専用機ならではといえるだろう。
英会話機能のシーンを選ぶ画面
レッスンを選ぶ画面ではさまざまなシチュエーションが用意されている
画面に表示されたキャラクターと英会話をする
英会話機能では、シーンやレッスンを選んでいくと、さまざまなシチュエーションでの英会話レッスンができる。
たとえば、「空港・機内」のシーンを選択すると「機内食を注文する」「入国審査」などのシチュエーションで英会話をすることができる。
実際に活用できそうなシチュエーションでの英会話レッスンのため、渡航前のイメージトレーニングとしても利用できる便利な機能といえるだろう。
以下、シーンとシチュエーションの一覧
シーン:空港・機内
・機内食を注文する
・入国審査
・両替する
・ホテルへの移動
・搭乗手続き
シーン:ホテル
・チェックイン
・館内施設について尋ねる
・朝食の案内
・周辺施設について尋ねる
・部屋のお湯が出ない
・鍵の紛失
・体調不良
・チェックアウト
シーン:移動
・道を尋ねる
・切符を購入する
・電車に乗る
・紛失
・タクシーに乗る
・バスに乗る
シーン:レストラン
・食事を注文する
・入店する
・トイレの場所を尋ねる
・注文と違う
・食事の感想
・会計する
シーン:観光
・チケットを購入する
・開館時間を尋ねる
・写真をとってもらう
・撮影可能か尋ねる
・観光ツアーを申し込む
シーン:ショッピング
・商品を探す
・値段を尋ねる
・商品を選ぶ
・試着する
・支払う
・免税店での買い物
なお、現在は英語のみのレッスンのため英会話機能として紹介しているが、ソースネクストとしては「会話レッスン機能」としており、今後は中国語やスペイン語、フランス語、日本語、韓国語などの言語にも対応する予定だ。
単位変換機能の「為替」画面
単位を選択する画面
単位変換機能は、「為替」「長さ」「重さ」「温度」の4つの単位を変換して表示する機能だ。
為替は、なんと世界160の通貨に対応しており、「円(JPY)」もしくは「アメリカ合衆国ドル(USD)」に変換できる。画面右上のレーダーのようなアイコンをタップするだけで、上段(変換前通貨)に、現在地の通貨を自動で表示してくれる。
長さは20種の単位に対応し「ヤード(yd)」もしくは「メートル(m)」に変換できる。重さは18種の単位を「ポンド(lb)」「キログラム(kg)」に、温度は「°F」「°C」を変換できる。渡航先で活用できる便利な機能だ。
なお、これまで説明した機能のほか主な特長などを、POCKETALK S発表会のタッチ&トライで説明員に聞いてみたので、その様子を動画で紹介する。
POCKETALK S 製品ラインアップ
・POCKETALK S グローバル通信(2年)
ブラック、ホワイト、ゴールド、レッド(各29,800円・税別)
・POCKETALK S グローバル通信なしモデル
ホワイト(24,800円・税別)
ポケトーク公式サイト限定発売の製品
・POCKETALK S グローバル通信(2年)
メタルグレー、メタルグリーン(各29,800円・税別)
・POCKETALK S グローバル通信(2年)
ドラえもん特別セット(34,800円・税別)
■関連リンク
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(引用元:livedoor news)