第10回 Japan IT Week 秋:エイビット、LTE-Mを利用したさまざまな分野での活用可能な汎用組み込み機器…

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防災システムやインフラのリモート監視もOK!エイビットの新しい防災ソリューションを紹介


千葉県・幕張メッセにて2019年10月23日(火)から25日(金)の3日間に渡ってIT・通信技術関連の国内最大級の複合展示会「2019 Japan IT Week 秋が開催されました。今回も「モバイル活用展」や「ソフトウェア&アプリ開発展」などの複数の展示会を集合させた商談メインのイベントとなっています。

そこでモバイルネットワークを利用した防災インフラソリューションに5G関連の測定器のほか、モバイルガジェットユーザーにはお馴染みのイエデンワシリーズなどを開発してきた通信機器メーカー「エイビット(ABiT)」が同展示会のうちの「第5回 IoT/M2M展【秋】」に新しい防災IoT機器を持ってブースを出展していましたのでその様子を紹介します。

【汎用LTE-Mソリューション「MATシリーズ」】


ソリューションの中核となる「MAT core」(エイビット製)

MATシリーズはeDRX(待機時において定期的な間隔での通信を行う以外は通信機能をオフにして電力消費を大きく抑える機能)を持たせたLTE-M(Cat.M1)に対応した小型の通信ボード「MAT core」を中核とした製品群です。

ファームウェアの書き換えにより、さまざまな用途に利用可能な柔軟性と低消費電力による長期間駆動を特徴とし、MAT Coreを格納する防水防塵(保護等級:IP67相当)機能と通信アンテナ、大容量バッテリー(19,200mAh)、外部IF(インターフェース)を一体化したパッケージボックス「MAT box」、さらにあらかじめ選択可能なオプションとしてMAT box経由でMAT Coreへ接続して利用する冠水センサーの「MAT aqua」、地滑り検知傾きセンサーの「MAT theta」が用意されています。


搭載バッテリーのみで約5年間の連続駆動が可能な「MAT box」

MAT boxの内部(eSIMでの利用が基本となるということですが、オプションでnanoSIMカードスロットも増設可能)

前述通り、MAT boxはMAT coreの機能(通信ボード)にバッテリーやアンテナなどの機能を1パッケージ化したもので、屋外で利用する際の中心となる端末です。

バッテリーや通信アンテナは内蔵しており、長期間利用時の耐久性を向上させています。電源のオンオフは磁気スイッチで本体を開かずに操作可能。これは防塵機能の担保や現地で作業員が中を開いて、ヒューマンエラーによる内部の破損を防ぐためのものでもあるということです。

ちなみにMATシリーズのMATはMAT coreを核として外側にboxや各種オプションを追加できることから、ロシアの入れ子構造の民芸品「マトリョーシカ」から名前がついたそうです。

個人的には東亜プランのシューティングゲーム「スラップファイト」を想像したのは内緒です……自機を核としてオプションが合体されていくシステムのゲームだったため。

ファームウェアの書き換えと外部機器との接続により、様々な用途への利用が可能で、後述の冠水センサーや地滑り検知センサーといった社会インフラのリモート監視機器への利用もその一つとなります。

【冠水センサー「MAT aqua」】


冠水センサー「MAT aqua」。道路や水路などに設置して利用

MAT aquaはboxから伸びた3つ冠水センサーを利用した多段検知が可能な冠水センサーで、平時は定期的な水位の情報(非冠水)を送るのみですが、センサーが反応すると冠水状態をアラートで監視側の端末へ送ってきます。

エイビットで河川や水路の水位を計測する機器と言えば、現在も同社が設置・運用している「八王子防災プロジェクト」にて使用している「LoRa水位センサー」がありますが、こちらは橋梁下部から水面までの距離を超音波で測定し河川水位を監視しているのに対し、MAT aquaは冠水センサーで、センサーが水に浸かることで、アラートを発するという違いがあります。

この違いについては設置する場所などによる得手不得手が異なるので、どちらが優れているというものではないかと思います。なお、それ以外にもLoRa WANとLTE-Mという通信方式の違いによる長所短所の違いもあります。

しかしながら、LoRa水位センサーでは内蔵バッテリーの寿命が約1年に対し、MAT aquaは内蔵バッテリーのみで約5年(規定条件下において)という非常に長い期間の単独運用が可能という強みがあり、既存のLTEインフラが活用できるという面も大きなポイントではないかと思います(内蔵バッテリーのみで約5年間の運用ができるのは後述のMAT thetaも同様)。


冠水センサーの監視画面。アイコン横の数字は冠水したセンサー数と思われる

【地滑り・傾き検知センサー「MAT theta」】


専門家の意見を得て、さらに機能向上した「スマくい」後継の「MAT theta」

MAT thetaはMAT boxとステンレス製のポールセンサーの組み合わせで構成された地滑り・傾きセンサーで、斜面に挿しこんで傾斜の監視を行います。

以前に紹介したこともあるスマート杭「スマくい」の上位バージョンにあたる傾斜監視センサー端末で、スマくいでは地面に露出する部分にセンサーを配置していましたが、こちらは傾き検知センサーを地面に突き刺す側の先端に配置しています。

またスマくいでは境界標型のデザインだったため、目立ちにくいが「角型で太いため設置に手間がかかる」という欠点(筆者はあのデザイン大好きですが)がありましたが、MAT thetaでは突き刺す部分が細いポール型となり、設置しやすく(地面に突き刺しやすく)なっています。なお、センサーの根元に羽があるのは設置後にセンサーの回転を防ぐためとのこと。


MAT thetaのbox(画像=左)と先端のセンサーユニット(画像=右)

その他、新たに温度センサーも搭載し、地中温度を計測データに補正することで、さらに高精度な監視ができるようになりました。


PC上に表示させた監視モニターにて、どの方向へどれだけ傾いたかなどが詳細に把握可能

今回、紹介したMAT aqua・MTA thetaは福岡県朝倉郡にある東峰村でテスト運用をすでに行っており、会場内のブースのから現地のセンサーの状態を確認することができました。


東峰村でのセンサー稼働状態を見たところ。一か所で警告アラートが出ているのが確認可能

この他にもエイビットではこれまでに発表された5G関連の計測器や防災ソリューション、次世代の構内向け自営通信規格である「sXGP」関連の基地局などが展示されていました。


幅広いジャンルの通信機器やソリューションを揃えられているのがエイビットの強みであり魅力

エイビットでは今回展示していたMATシリーズ4種についての問い合わせも受け付けており、連絡をすれば相談に乗ってくれるということでした。

特に今年は大雨や台風による土砂被害や洪水といった災害が多かったこともあり、こういった防災関連ソリューションや監視機器の役割の大きさが注目されているかと思います。河川や山などの社会インフラを見守るこういった取り組みはチェックしておくといいかもしれません。

興味のある企業や自治体の方は是非一度、コンタクトをとってみてはいかがでしょうか。

記事執筆:河童丸

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(引用元:livedoor news)

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