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NTTドコモおよびau、SoftBankから販売されているソニーブランドの最新フラッグシップスマートフォン(スマホ)「Xperia 1」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)。筆者もNTTドコモ向け「Xperia 1 SO-03L」を購入してレビューをしており、前回と前々回は本体のデザインや持ちやすさについてチェックしてきました。
そんなXperia 1ですが、ここ数年ですっかり定着した縦長画面をさらに伸ばした超縦長画面「シネマワイドディスプレイ」を搭載し、さらにソニーの映画撮影用デジタルビデオカメラ「CineAlta」の開発チームが監修した「クリエイターモード」に対応するなど、単に長いだけでなく有機ELを活かした非常に美しい表示となっています。
また音響面でも「ドルビーアトモス」に加え、ソニー・ピクチャーズエンタテイメントとの協業による3Dサラウンドや会話などをそれぞれの人の位置に配置する機能など、独自のチューニングが加えられているとのこと。
そこで今回は、Xperia 1の最大の特徴ともいえるこのアスペクト比21:9のシネマワイドディスプレイでの動画や映画の視聴について良いと思ったところと気になったところをまとめてご紹介いたします。
【圧倒的迫力】
Xperia 1に最初から入っている映画のサンプルムービー。これを初めて表示したとき、心が揺さぶられるのをはっきりと感じました。
筆者がこれまでに使ってきたどのスマホよりも明らかに映像に迫力を感じたのを今でも思い出します。ちょっと大袈裟かもしれませんが、映画館のあの大きなスクリーンがそのまま手の中にあるような感覚です。
Xperia 1のディスプレイは縦横の比率が映画館のスクリーンとほぼ同じ21:9です。横画面にすると上下に黒帯が入らず画面いっぱいに映画コンテンツを表示できます。だから同程度の大きさの他のスマホと比べて単純に映像自体が大きく表示されるんです。
メインで使っている「iPhone XS」(上)とXperia 1(下)の比較。Xperia 1ではシネスコサイズの映画をより大きく表示可能。ノッチやパンチホールといった邪魔もない
仮にiPhone XSでノッチの影響を受けないようにシネスコサイズの映画を見るとしたらXperia 1と映像の大きさにこれだけの差が出る
本体はスマホサイズなのに映像の表示は完全にタブレットクラスです。上下に黒帯が入らないところも個人的にはすごく気に入っていて、手の中いっぱいに映像が広がると、どういう訳かワクワクが止まらなくなります。
ディスプレイの長辺の長さは約151mm。かつて流行った7インチタブレットのディスプレイと同じ長さというのが驚き
【リアリティーもすごい】
世界初の4K HDR対応OLEDディスプレイは伊達ではありませんでした。YouTubeで自然の風景の動画を4K HDR表示させてみると、その風景を直に見ているかのような強いリアリティが感じられます。高画質化エンジン「X1 for mobile」がかなり効いているようで、光の反射が眩しいくらいにギラギラと輝きます。
水面に陽の光が照らしつけるシーンなどを見ると美しさのあまり呆然としてしまう
iPhone XS(上)との比較。写真では分かりづらいが、肉眼だとXperia 1(下)の方がより明るくクッキリしていることが確認できる
【クリエイターモードがシネマ体験を高める】
作品本来の色合いや階調で映画を観たいというのは誰しもが思うところだと思います。であるならばXperia 1のクリエイターモード以上に満足できる環境はほかにないはずです。
残念ながら僕はマスターモニターを持っていないのでどの程度”本物”を再現できているのかじっくり見比べることはできません。だからクリエイターモードを評価するのはなかなか難しいのですが、他のスマホと見比べてみて思ったのは、同じ作品でも表示のされ方によって各シーンの雰囲気はかなり違って感じるということです。
例えば、Xperia 1のもうひとつの画質モードであるスタンダードモードに切り替えると、明るい部分だけが妙に強調されてしまって本来のムードが壊されてしまっているように感じられました。
スタンダードモード(上)とクリエイターモード(下)の比較。もうスマホで映画を観るならXperia 1のクリエイターモード以外は考えられなくなってしまいました
【強烈な臨場感を生むサラウンド】
内蔵スピーカーでもヘッドフォンでもどちらもでもドルビーアトモスによる3Dサラウンドが効き、サウンドが頭の上下左右、前後から鋭く聞こえてきます。非常にクリアで切れ味がよい音です。混み入っているシーンでもセリフが聞き取りやすいです。
ドルビーアトモスは標準ではOFFになっているのでぜひともONにして音響効果を楽しみたい
内蔵スピーカーは最大音量が大きくて物足りない感じは一切しません。ヘッドフォンを使うと音に一層広がりや厚みが出て、強烈な臨場感に包まれます。周囲の空間が震えているかのように感じるこのずっしりとした重低音は、映画館のサウンドそのものと言っても過言ではないと思います。
【切ると寂しいダイナミックバイブレーション】
サウンドに合わせてXperia 1本体が振動して臨場感を高める「ダイナミックバイブレーションシステム」。初めてこの機能をオンにしたとき、正直なところ「要らない機能かな」と思いました。映像とサウンドだけで十二分に臨場感が得られるし、むしろ振動に気を取られてストーリーに集中できないようように感じられたからです。でもその後何度か試してみて、意外と楽しめる機能であることがわかってきました。
音と同時に手にも刺激が来るので演出がよりインパクトのあるものに感じられるんですよ。手軽に刺激を強めたいときには丁度よいです。一度振動に慣れてしまうとオフの状態が何となく寂しく感じてきます。映画を見終わった後に手に残る振動の余韻も心地いいです。
振動を変に意識してしまうとダメ。しばらくはオンにしたままで様子を見て、慣れてきたところで落ち着いて評価したいところ
【気になるところ】
○クリエイターモードは暗く感じることも?
クリエイターモードにするとコントラストが控えめになります。全体的に暗いシーンでは何が映っているいるのか分からないくらいに暗く感じることがあります。
だからクリエイターモードで映画を見るときはできるだけ周囲の光の影響を受けないところで視聴しています。あまりに見づらいときには一時的にスタンダードモードに切り替えるのもアリだと思います。
ディスプレイの明るさを最大にしても暗く感じられることがある
○画質モードをもっと簡単に切り替えたい
画質モードの切り替えがもっと簡単にできるようになると良いと思いました。それと、選択中の画質モードがすぐに分かるようにしてほしいです。現状ではいちいち設定から確認や切り替えをしなければなりません。
一般的に画質モードは一度選択したらあまり変えないものだと思いますがXperia 1では逐一変えたくなります。スタンダードモードとクリエイターモードは特徴が180度異なるので間違った方を選択したくないからです。
クリエイターモードに切り替えると通知エリアでその旨教えてくれるが、通知を消してしまうと見分けがつかなくなってしまう。しかもこの通知をタップしても画質モードの設定画面に遷移しないので、切り替えは設定画面で行わなければならない。できればクイックセッティングで変更や確認ができるようにしてもらいたい
○16:9の動画では最高の体験は得られない
シネスコサイズの映像を見るときはフルスクリーンで表示されるので最高ですが、16:9比率の映像を見るときはフルスクリーン表示されないので縦長ディスプレイの良さが活かされません。そればかりか、普通よりも左右の黒帯が太く表示されるのでちょっとだけ間の抜けたような格好になります。
無理にフルスクリーンで表示しようとすると今度は映像の上下が大きくはみ出してしまい、アプリによっては字幕などの必要なものが表示されなくなってしまう
○対応コンテンツを探すのが大変
Xperia 1のシネマワイドディスプレイに最適なコンテンツを探すのがとても大変です。16:9にトリミングして配信しているサービスも多いですし、テレビドラマなどはもともと16:9で作られています。また、シネスコサイズの作品が見つけられたとしてもフルスクリーン表示できなかったり、できても字幕が表示されなかったりします。
対応していないサービスではせっかくのシネスコサイズ動画もフルスクリーン表示できない
試して見た限りでは、Xperia 1との連携が済んでいるNetflixがやはり最適な動画配信サービスだと思いました。シネスコサイズの作品が豊富ですし、16:9の動画をフルスクリーン表示したときに字幕がきちんと表示されるようにもなっています。
ただ画質はHD止まりで4K作品はスマホ向けにはまだ配信されていません。今後配信が開始されたとしても、4K作品を見るには月額1,800円の最上位プランを契約しなければならず、敷居が高いのもネックだと思いました。
対応サービスが増えることに期待しつつ、ソニーにはXperia 1のディスプレイをフルに活かせるコンテンツを集めた紹介ページのようなものを是非用意して欲しいと思いました。ユーザーが自ら探そうと思うと、各サービスの内容を詳細に調べたり、会員登録をして実際に体験してみる必要があったりと、かなりの手間がかかります。
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(引用元:livedoor news)