SONYのXperiaスマホが多くの地域で撤退して日本・欧州・台湾・香港での販売に注力! |
ソニーは21日、都内にて「経営方針説明会」および「Sony IR Day 2019」を開催し、子会社のソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニーモバイル)が手がける「Xperia」ブランドのスマートフォン(スマホ)などのモバイル・コミュニケーション(MC)分野を含む各事業についての概況および今後の方針を明らかにしました。
その中でXperiaなどのMC分野については改めて2018年度から続く“構造変革”を2019年度中に完遂し、2020年度黒字化実現に向けて運用コスト(OPEX)が順調に削減できていることを説明し、すでに2018年度決算説明会で明らかにしていた中南米や中近東に加え、東南アジアやオセアニア、アフリカでもXperiaが撤退していることなどが紹介されました。
Xperiaを含むMC分野は新たに今年度からソニーグループの主要エレクトロニクス3分野をまとめてエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)事業として各分野の技術を結集してそれぞれで活かせる体制作りに移行しており、その中でスマホは高付加価値製品に絞って販売台数を追わずに展開していく計画となっています。
そのため、2019年度(2019年4月〜2020年3月期)の販売台数見通しについては「ソニーの技術を集結した商品力強化が確実に進展している」ため、ここ数年と比べると「販売台数の減少具合も緩やかになっている」とし、通期で前年度比150万台減の500万台を見込んでいます。特に昨年度までの販売台数の大幅な減少は各地域の撤退も影響しているとのこと。
年度 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 通期(合計) |
2015 | 720万台 | 670万台 | 760万台 | 340万台 | 2490万台 |
2016 | 310万台 | 350万台 | 510万台 | 290万台 | 1460万台 |
2017 | 340万台 | 340万台 | 400万台 | 270万台 | 1350万台 |
2018 | 200万台 | 160万台 | 180万台 | 110万台 | 650万台 |
また2014年には中国、2015年にはアメリカにて携帯電話会社(キャリア)向けビジネスから撤退しており、販売台数の減少から主にエントリーからミッドレンジの製品を製造していた中国・北京の生産工場を前倒しで閉鎖しており、残るベトナム工場にて高付加価値製品を生産し、エントリーからミッドレンジはODMとします。
さらに拠点は本部となる日本では設計の外注を削減し、間接機能をソニーに移管するなどし、設計拠点のスウェーデンではモバイル領域を極小化して新たに通信技術の研究開発(R&D)や新規事業を担い、イギリスではソニーヨーロッパを統合して販売・マーケティング機能を強化するとしています。
MC分野の収支実績および計画
今後のXperiaのスマホは日本・欧州・台湾・香港での販売に注力するとのことで、Sony IR Day 2019でもEP&S事業を統括する石塚茂樹氏が「Xperia 1」や「Xperia 10」シリーズなどについて商品競争力に手応えを感じていると語っており、利益マージンが拡大する可能性もあるとしていました。
一方で仮に利益ベースが拡大しなくても2020年度に黒字化できるようOPEX削減を進めるとしつつ、撤退もしくはこれまでに展開していない地域についてもオンライン販売などといった固定費がかからない方法での展開を模索しているとも語っており、商品競争力が高くなれば自ずと販売台数が拡大する可能性もありそうです。
他社と比べて劣後していた商品競争力がXperia 1などでは確実に向上
その他、アメリカによるファーウェイへの制裁についても触れられ、ファーウェイの「HUAWEI P30」シリーズなどのフラッグシップスマホを中心にソニーのイメージセンサーを多く搭載していることから影響が話題になりました。
経営方針説明会ではソニー 代表執行役 社長 兼 CEOの吉田 憲一郎氏は「売上の23%はアメリカ、9%は中国と両国とも割合が大きく重要な国」としつつ「取引先や規制、政策についてのコメントは差し控えたい」 とし、現時点で取引を停止したかどうかについては回答しませんでした。
またSony IR Day 2019では半導体事業担当のソニー 常務 兼 ソニーセミコンダクタソリューションズおよびソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの代表取締役社長である清水照士氏も「注視して対応する」とし、スマホの販売台数シェアでトップ3に入るファーウェイだけに制裁が長期化した場合にはイメージセンサーの売上への影響も大きくなりそうです。
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(引用元:livedoor news)