ファーウェイが既存のスマホなどの製品へのセキュリティー更新などのサポート継続を案内! |
米国商務省(United States Department of Commerce)は20日(現地時間)、同省の産業安全保障局(BIS)が中国の通信機器メーカーであるHuawei Technologies(華為技術、以下「ファーウェイ」)およびその関連企業68社を輸出規制リスト(Entity List)に追加したことに対して米国輸出管理規則(EAR)を改正する一時一般許可(TGL)を発行すると発表しています。
これにより、米国企業がファーウェイへの輸出を含む同社との取引について限定的に90日間は承認する猶予期間が与えられ、すでにファーウェイの製品を利用している消費者や通信事業者が継続してサービスを利用したり、ネットワークの運用を行ったりするための特定の取引を米国企業とファーウェイは行えるとしています。
一方、ファーウェイは同日に同社が展開する「Huawei」ブランドおよび「Honor」ブランドにおけるスマートフォン(スマホ)やタブレットなどのすべての販売した製品と在庫に対してセキュリティーアップデートやアフターサポートを継続して実施すると案内しています。
ファーウェイはスマホやや基地局などを開発・製造する中国の通信機器メーカーで、スマホではサムスン電子やアップルに続く世界3位、基地局などの通信インフラでも世界2位のシェアとなっており、スマホでは一時的にはアップルを抜く2位、基地局でも米中貿易摩擦が激化した直近より前はエリクソンを抑えて1位となっていました。
そうした高いシェアも影響してこれまでにも度々、ファーウェイなどの中国メーカーを排除する動きがアメリカを中心に起きており、その中で今回、BISではアメリカの国家安全保障および外交政策における利益に反する活動に同社が従事していると結論付けるに足る情報を入手したとしてファーウェイおよび関連企業を輸出規制リストに追加しました。
そのため、輸出規制リストに追加された企業と許可を得ずに取り引きをした場合、その企業も制裁の対象に追加される場合もあり、米国再輸出規制(EAR)の対象となる部品などの機器やソフトウェアなどの技術をGoogleやQualcomm、Intel、Broadcomなどの米国企業がファーウェイへ提供することを停止したと報じられています。
一方で当初よりBISでは猶予期間を検討していると伝えられていましたが、実際に5月16日から90日間の2019年8月19日まで既存のネットワークの保守やスマホなどのソフトウェア更新を行えるようにする一時的な許可を発行しました。なお、BISでは8月19日以降についてはさらに延長するかどうかは今後検討するとしています。
米商務長官のWilbur Ross氏は「要するにファーウェイのスマホユーザーや同社の基地局などを利用する通信事業者が継続して運用できることを目的としている」とし、消費者や通信事業者といったファーウェイの製品を使うユーザーに配慮したとコメントしています。
Googleでも同社が提供するGoogle Playなどのサービスが継続して利用できることを案内していましたが、続いてファーウェイでもすでに販売した製品や店頭などで在庫にあるスマホなどの製品についてはセキュリティーアップデートなどのソフトウェア更新やアフターサポートを継続することをお知らせしています。
すでに紹介していますが、同様の事例では昨年起きた「ZTE問題」があり、2018年3月に輸出権限剥奪者リスト(Denied Persons List)に追加されて米国企業などとの取引が禁止されたため、引き続いてGoogle Playなどを含めて同社のスマホなどは利用できていましたが、スマホなどの製造ができずに工場が停止したり、既存製品のソフトウェア更新が提供できなくなったりしていました。
A message to our UK fans regarding the announcement by Google. Further updates to follow. pic.twitter.com/Thxwm8BtNJ
— Huawei Mobile UK (@HuaweiMobileUK) 2019年5月20日
(引用元:livedoor news)