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勢い増すファーウェイが特有の光沢感が美しいSIMフリースマホ「honor 9」を発表! |
既報通り、華為技術日本(以下、ファーウェイ・ジャパン)は10日、都内にて「新製品発表会」を開催し、前面だけでなく背面もガラス製で特有の光沢感が魅力となっているスマートフォン(スマホ)「honor」シリーズの最新モデルとなる「honor 9」(Huawei Technologies製)を発表しました。
主な仕様はディスプレイに約5.15インチフルHD(1080×1920ドット)IPS液晶、チップセットにハイエンド向け「Kirin 960」、4GB内蔵メモリー(RAM)および64GB内蔵ストレージ、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)対応(nanoSIMカード×2)、microSDカード(最大256GBまで)、3200mAhバッテリー、USB Type-C端子などとなっています。
日本市場では仮想移動体通信事業者(MVNO)の販路のみでの販売となっており、現時点では「楽天モバイル」および「IIJmio」、「イオンモバイル」、「NTTコムストア by gooSimseller」から販売されます。市場想定売価は53,800円(税別、以下同)で、発売日は10月12日(木)となっています。
今回は筆者も発表会に参加してきたので、さっそく会場の様子をプレゼンテーションの内容を中心ご紹介します。
なお、発表会ではレゼンテーション後に同社デバイス・プレジデントを務める呉波氏の囲み取材にて海外で10月16日に発表予定の次期プレミアムスマホ「HUAWEI Mate 10」についても日本で年内に投入することが明らかにされました。
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MVNOによるオンライン販路が中心に
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ファーウェイ・ジャパン ジャパン・コリア リージョン デバイス・プレジデントの呉波氏
【グローバル市場で成長を続けるhonorブランド】
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honorブランドはグローバル市場への進出を進めている
ファーウェイのサブブランド的な立ち位置にある「honor」。ブランド確立当初は(ファーウェイにとっての)本国である中国市場を中心に販売されていましたが、近年は欧州市場を中心にグローバル展開を加速化させています。ドイツ・フランス・イタリア市場では前年比300%以上の伸びを記録しており、フィンランドではシェア1位の座も獲得しています。
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honorシリーズは欧州市場を中心に人気となっている
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中国企業であっても、しっかりと品質管理を徹底
honorシリーズは徹底した製品試験を実施しており、製品の品質に関して非常にこだわりを持っています。製品の輸送中のトラックにアクシデントが起きた際には、全数廃棄を実施するなど、その品質管理も徹底的です。
日本市場では過去に主に楽天モバイルの販路を通じて「honor 6 Plus」や「honor 8」などの製品を既に投入していますが、MVNOからしても「初期不具合率は極めて低い(楽天担当者)」と品質に関して非常に高評価を受けていることも頷けます。
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前機種のhonor 8は世界中・多方面からの高い評価を獲得
日本市場でも販売され、予想を超える販売実績を出した(楽天モバイル事業長 大尾嘉氏)と言う前機種のhonor 8も世界中から高い評価を獲得。コストパフォーマンスに優れた価格設定や高い基本性能、多彩なカメラ機能を中心に評価されています。
【デザインコンセプトはそのままで、中身の進化が際立つ「honor 9」】
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カメラモジュールの凹凸はなく、すっきりした外観となっている
日本市場におけるファーウェイの新製品発表会では、新製品の紹介が外部からのゲストが行うことが通例のようになっていますが、今回のプレゼンターはナレーターの清木啓介氏が担当しています。
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15層のレイヤーによって美しい光沢感を実現したという
3D曲面ガラスを採用したことで手に馴染むデザインとなった
honor 9のデザインコンセプトは旧機種のhonor 8をほぼそのまま引き継いだものとなっており、背面ガラスの光沢感は変わらない美しさを保っています。
近年、多くの機種ではカメラ性能を重視するあまりかカメラモジュールが本体から飛び出てしまうデザインを採用したスマホが多く販売されていますが、honor 9では本体から飛び出ないデザインとなっているため、見た目もスタイリッシュな外観となっています。
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ダブルレンズカメラも引き続き採用している
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2つのカメラで描写力・色再現力に磨きがかかった
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ハイブリットズームによって2倍ズームでも画質が保たれている
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人物撮影に最適なポートレートモードもしっかり搭載
honor 6 Plusやhonor 8など、今まで日本市場に投入されていたシリーズと同様にhonor 9でもダブルレンズカメラを搭載しています。
このダブルレンズカメラは2000万画素のモノクロセンサーと1200万画素のRGBカラーセンサーを組み合わせることによって、より鮮明が写真を撮影することが可能となっています。
また2倍にズームしても画質劣化が少ない「ハイブリットズーム」機能や、ポートレートモードなどの機能はファーウェイのフラグシップモデル「HUAWEI P10」シリーズと同様に搭載されています。
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honor 8比で100%明るく撮影することが可能に
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暗い場所などの悪環境下の撮影にも向いている
より明るく進化したダブルカメラの恩恵によって、前機種のhonor 8を比較して約100%(ファーウェイ独自調査による)明るく撮影することが可能に。これによって、夜間などの悪条件下での撮影でもシャッターチャンスを逃しにくくなっているのも、カメラにもこだわるhonorシリーズならではと言ったところです。
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CPUはパワフルなKirin 960。4GBメモリや64GBストレージを搭載
honor 9には、今年発売されたフラグシップのHUAWEI P10やHUAWEI P10 Plusなどにも搭載されたKirin 960プロセッサを搭載しています。CPU性能はhonor 8比で18%、GPU性能は100%それぞれに向上。4GB RAMや64GB内蔵ストレージを搭載しているので、一般的な使い方であれば何ひとつ問題ないと言えるでしょう。
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独自のEMUIは機械学習アルゴリズム採用によりベストなパフォーマンスを実現
OSは初期状態ではAndroid 7.0ベースの独自UIであるEMUI(Emotion UI)5.1を搭載。ファーウェイ独自の機械学習アルゴリズムによってユーザーのスマホの使い方に基いて最適化してくれるので、Androidスマホにありがちな「買った直後はサクサク動いてたのに、しばらく経つとモッサリ……」と言った症状を軽減してくれます。
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DCI-P3比96%の5.15インチのフルHDディスプレイを搭載
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ウルトラワイド3D音響技術によるサラウンド効果が魅力
honor 9は5.15インチフルHD IPS液晶ディスプレイを搭載。ディスプレイはシネマ用途の映像規格である「DCI-P3」比で96%の色再現性を実現しており、鮮やかに動画像を映し出すことが可能となっています。
オーディオ性能に関しても新たに独自の音響効果「HUAWEI Histen Audio Algorithm」を搭載したことによって、よりリアルなバーチャル・サラウンド効果を体験することが可能となっているので、音楽のリスニングユースが多い若年層のユーザーにとっては嬉しい機能でしょう。
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honor 9の主なスペック。通信周りのコスト削減が目立つが影響は限定的
今まで述べてきた通り、非常に良好な質感や充分に満足できるであろう納得のスペックを兼ね備えているだけあって、全体的に見るとhonor 9は魅力的です。
しかしながら、対応する通信方式の少なさについては筆者としては首をかしげざるを得ません。近年では、2〜3万円台のモデルでさえも多くは複数の帯域を重ね合わせて通信を高速化する技術である「キャリアアグリゲーション(CA)」に対応しています。しかしながら、honor 9では5万円を超える希望小売価格でありながらもCAは非対応となっています。
また、TD-LTE方式はBand 38および40のみの対応となっており、日本でも普及しているBand 41や42は残念ながら非対応。元々は高速な通信の実現が困難なMVNOでの販売を前提としているため、通信の高速化にそこまで躍起になる必要性の有無については論議が必要になりそうですが、5万円を超えるスマートフォンでCAに対応していないのは、人によっては残念なポイントになってしまいそうです。
【特別ゲストとして仮想移動体通信事業者の担当者が登場】
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honor 9を取扱うMVNO事業者の担当者も登壇
発表会ではhonor 9を取り扱うMVNOの担当者(左からそれぞれイオンリテールの橋本氏、インターネットイニシアティブの矢吹氏、楽天?の大尾嘉氏、NTTレゾナントの鈴木氏)も登壇し、各事業者ごとのhonor 9に対する期待や熱意を語りました。
・独占販売無き楽天モバイルにも戦略あり
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honor 6 Plus以降独占的に販売してきた「楽天モバイル」
2015年に発売されたhonor 6 Plus以降、日本におけるhonorブランドのスマホをほぼ独占的に販売してきた楽天モバイルでは、ファーウェイから他社MVNOでも取り扱いたいという旨を承知する形となりました。しかしながら、代わりとして限定カラー「ミッドナイトブラック」を独占的に販売します。
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楽天モバイル専売カラーとなる「ミッドナイトブラック」
honorブランドのスマホを長く取り扱ってきた楽天モバイルですが、同シリーズの売上は上々で、2016年9月に発売されたhonor 8ではその人気のあまり、発売直後には供給不足に陥り、楽天モバイル事業 事業長の大尾嘉宏人氏は「ファーウェイさんが作ってくれるだけ売れる状況」だったと語りました。それだけに独占販売ではなくなったとはいえ、楽天モバイルとしてはこのhonor 9を主軸に製品ラインナップを展開するという方針は変わりないとしています。
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楽天モバイルは縛り期間に応じたキャンペーンも同時に展開
また楽天モバイルは9月1日より新サービス「スーパーホーダイ」を開始しており、5分までの国内通話がかけ放題となる「5分かけ放題」の他に、ピーク時間帯を除いて1Mbpsの通信が使い放題となるのが特長です。
いわゆる契約期間の“縛り”のある長期契約の顧客に対しては「長期優待ボーナス」として2年間の最低利用期間で1万円、3年間の最低利用期間で2万円分を端末とセットの場合は端末価格から割引、SIMカード(回線契約)のみの契約の場合はポイントの形で顧客に還元するサービスを実施します。大尾嘉氏は「楽天モバイルを利用する場合には長期で使ってお得に使ってほしい」と自信を見せていました。
【“見かけ”の値段でhonor 9を評価するべきではない】
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honor 9の希望小売価格は53,800円と決して安くはないが……
前機種のhonor 8の希望小売価格が42,800円であったことを考えると、honor 9の53,800円という価格設定は割高であるのは自明です。しかしながら、honor 9の発売によって今までの楽天モバイル専売から複数のMVNOによる販売へと変化していくことを考えると、決して高額な価格設定であると一概には言い切れません。
その理由は携帯電話業界に蔓延る「インセンティブ」の存在です。NTTドコモなどを始めとした大手通信事業者(MNO)の場合では、実際に受付・開通・販売などの業務を執り行う販売代理店に販売実績などに対して支払う報奨金の事を指します。一方で、無店舗型の販売スタイルが一般的なMVNOでは、顧客に対する実質的な割引ないしキャッシュバックとして機能している傾向があります。
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gooSimsellerでは発売前にも関わらずすでに2万円近い割引がなされている
発売前の10月11日現在、取り扱う4社の中で最も大きな割引を行っているのがNTTコムストア by gooSimsellerです。希望小売価格が53,800円に設定されているにも関わらず、一括購入の場合はそこから2万円を超える割引となる33,600円で販売されています。音声SIMを最低6ヶ月間契約する必要があるものの、それを踏まえても充分に安価な価格設定となっているのです。なお、短期解約の場合の違約金は8,000円(不課税)となっています。
当然、4社もの大手MVNOがhonor 9を取り扱うことを考えると、各社間における割引合戦による顧客獲得競争が自然に発生することも容易に想像できます。楽天モバイルが独占していたときも独自の割引施策(通称「三木谷割」)が存在し、honor 8などの機種が割引された金額で販売されることは多々ありましたが、「独占から寡占」へと変貌した今、事業者間の価格競争によって待てば待つほど実質の価格は下がると言う傾向となるでしょう。
この様な状況を考えるとあらかじめ53,800円という割高な希望小売価格を提示したファーウェイ側はMVNO間による競争もすべて予想した上でこのような価格設定をしたものと考えられます。
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美しいデザインながらも、機能性を備えたhonor 9に期待したい
ファーウェイから新たに発表されたhonor 9ですが、デザインコンセプトは今までのhonorシリーズのものを踏襲しているものの、いざ実機を触れてみるとその光沢感はhonor 8と比較してもまったくの別物であることがひと目で理解できるのです。この美しさは、実際にhonor 9に触ってみないことにはわかりません。そんなhonor 9の質感については別途、写真と動画を交えた記事にてご紹介する予定ですのでそちらもお楽しみに。
記事執筆:雪華
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(引用元:livedoor news)
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