最新フラッグシップスマホ「Xperia XZ2・XZ2 Compact」を写真でチェック! |
既報通り、Sony Mobile Communications(以下、ソニーモバイル)がスペイン・バルセロナにて2018年2月26日(月)から3月1日(木)まで開催されていた「Mobile World Congress 2018(以下、MWC 2018)」に合わせてプレスイベントを開催し、新しいフラッグシップスマートフォン(スマホ)として約5.7インチの「Xperia XZ2」および5.0インチの「Xperia XZ2 Compact」、ワイヤレスイヤホン「Xperia Ear Duo」などを発表した。
Xperia XZ2・XZ2 Compactは同社初の流行りの縦長画面(アスペクト比9:18)を採用し、これまでの比較的スクエアなスレート形状から背面がドーム状に丸みを帯びた美しい曲線によるデザインに刷新されたのが最大の特徴で、前面だけでなく背面も3Dラウンドガラスを用いている。
また画面はともにフルHD+(1080×2160ドット)液晶「トリルミナスディスプレイ」を採用し、その他の主なスペックも共通でQualcomm製の最新ハイエンドチップセット(SoC)「Snapdragon 845(SDM845)」や4GB LPDDR4X内蔵メモリー(RAM)を搭載。さらに引き続き、960fpsのスローモーション撮影に対応した「Motion Eyeカメラ」や防水・防塵(IP65・IP68)などを備えている。
すでに両機種ともに海外では一次販売国・地域において発売されており、価格はフィンランドではXperia XZ2が799ユーロ(約105,000円)から、Xperia XZ2 Compactが599ユーロ(約79,000円)から。なお、日本での発売については明らかにされていないものの、これまでも「Xperia」シリーズはNTTドコモなどの各社が扱ってきたため、恐らく同様に販売される可能性は高いと見られる。
そこで今回は少し遅くなったが、MWC 2018でのソニーモバイルブースで実際にXperia XZ2およびXperia XZ2 Compact、Xperia Ear Duoなどといった製品の試した模様を写真を交えて紹介していく。
【Xperia XZ2】
Xperia XZ2・XZ2 Compactの最大の特徴はこれまで「Omni Balance」や「Loop Surface」というように細かなデザインコンセプトは何度か変わっていたものの、2013年に発売された「Xperia Z」シリーズ以降ではほぼ1枚の板をイメージしたフラットデザインを踏襲していたものが5年ぶりに刷新された点だろう。
新たなコンセプトは「Ambient Flow」となって「テクノロジーが人の生活に溶け込んでいく」ことがイメージされているという。これにより、特に背面側がドーム状に丸みのあり、手にフィットする流線型デザインとなった。また合わせて流行りの縦長画面も採用した。
ディスプレイはソニーのテレビ(TV)ブランド「BRAVIA」の技術を結集して「X-Reality for mobile」がさらに進化しており、HDRアップコンバートが可能となったHDR対応FHD+液晶「TRILUMINOS Display for mobile」だ。一方、画面の切り欠き(ノッチ)はなく、画面周囲の縁(ベゼル)もどちらかというと広く設けられている。
Xperia XZ2の背面パネルは3Dラウンドガラスに
これについては防水や防塵への対応をよりしっかりとするためやアンテナ感度を優先したためなどが狭額縁ではない理由とされている。さらにカラーコンセプトについても「Flow of Light」をキーワードに、Xperia XZ2が「Liquidity of Light」、Xperia XZ2 Compactが「Diffusion of Light」というテーマが設定された。
それに合わせてXperia XZ1までの金属素材による背面パネルからガラス素材に変更され、流線型ボディーとガラスによる光の反射を意識した見た目となっている。なお、Xperia XZ2 CompactはXperia XZ1 Comapactと同様に背面パネルは樹脂製だが、同じように光が拡散していく透明感のある質感に変更された。
本体カラーはXperia XZ2ではLiquid BlackおよびLiquid Silver、Deep Green、Ash Pinkの4色展開、サイズは約153×72×11.1mm(最薄部6mm)、質量は約198g。さらに背面パネルがガラス素材になったこともあり、Xperia XZ2ではワイヤレス充電(Qi準拠)にも対応する。なお、側面は両機種ともに金属製フレームを採用。
Xperia XZ2の本体カラーは4色展開
このように外観が大きく変わったXperia XZ2・XZ2 Compactだが、独特の右側面の電源キーと兼ねていた指紋センサーが、新たに背面のリアカメラの下に移動している。これについてはどちらの手で持っても使いやすいようにしたということだが、背面はシーンによって使いづらいこともあるので悩ましいところだ。
両機種ともに各種部品配置はほぼ同じで、右側面に電源キーおよび音量上下キー、カメラキーが配置、本体下部の充電・通信端子はUSB Type-C(USB 3.1 Gen 1)を搭載する。さらにトレンドだということで、3.5mmイヤホンマイク端子が省かれており、有線でイヤホンを使う場合にはUSB Type-C端子から付属の変換アダプターを使うようになっており、さらにノイズキャンセリング機能がなくなっている。
ハイレゾ音源やDSEE HX、LDAC、Clear Audio+、S-Forceフロントステレオスピーカー、ステレオ録音、PS4リモートプレイ、Google Cast、DLNA、Miracastなどに対応しており、音量はXperia史上最大とのことで、Xperia XZ1・XZ1 Compactと比べて20%増量されているという。
新たに追加された機能では、Xperia XZ2だけに本体を振動させるアクチュエーターを大きなものに変更してゲームや映像などで振動を体験できる「ダイナミックバイブレーションシステム(DVS)」に対応している。本体下部に搭載されたアクチュエーターによって爆発や銃で打たれたときに大きく振動するなど、家庭用ゲーム機のコントローラーにもあるような機能となっている。
バッテリー容量はXperia XZ2が3180mAh、Xperia XZ2 Compactが2870mAh(ともに電池パックは取外不可)で、これまでと同様にSmart Stamina 3.0やQnovo Adaptive ChargingやBattery Care、スタミナモード、USB給電に対応し、急速充電は「Quick Charge 3.0」および「USB PD」に対応。OSはAndroid 8.0(開発コード名:Oreo)を採用。
Xperia XZ2の左右上下側面
リアカメラはXperia XZsやXperia XZ Premiumなどから搭載されているソニーが開発したメモリー積層型CMOSのMotion Eyeカメラを背面に搭載し、新たにスマホでは世界初のHLG(Hybrid Log Gamma)フォーマットによる4K HDRムービー撮影に対応する。
センサーはXperia XZ Premiumなどと同じで、1/2.3型(1画素1.22μm)の有効画素数約1920万画素メモリー積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS for mobile」となり、トリプルセンシング技術や先読みハイブリッドオートフォーカス、ISO12800、5軸スタビライザー、BIONZ for mobileなどに対応。レンズはF2.0で25mmのGレンズを採用。
最大960fpsスーパースローモーション機能も引き続いて対応しているが、新たにフルHD画質での撮影にも対応した。960fpsスーパースローモーションはHD画質で約6秒を約0.2秒にするが、フルHD画質では約3秒を約0.1秒にするという。
またフロントカメラはF2.2+広角23mmレンズと1/5型約500万画素積層型CMOSセンサー「Exmor RS for mobie」となり、画素数で考えると、Xperia XZ1の約1300万画素、Xperia XZ1 Compactの約800万画素からどちらもは減少となった。ただし、3Dクリエイターは進化し、リアカメラだけでなく、フロントカメラでも3Dスキャン可能となっている。
主な仕様は4GB内蔵メモリー(RAM)や64GB内蔵ストレージ(UFS)、microSDXCカードスロット(最大400GBまで)、2.4および5.xGHzデュアルバンド対応でIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN(Wi-Fi)およびBluetooth 5.0、NFC Type A/B、位置情報取得(A-GPS・GLONASS)など。なお、一部国・地域ではXperia XZ2に6GB RAMモデルが用意されているという。
シングルSIMおよびデュアルSIMのモデルがあり、SIMカードスロットはすべてnanoSIMカード(4FF)サイズになっています。なお、デュアルSIMモデルは片方がmicroSDカードと共用。携帯電話ネットワークではXperia XZ2がLTE UE Category 18に対応し、下り最大1.2Gbpsおよび上り最大150Mbps、Xperia
XZ2 CompactがLTE UE Category 13・15に対応し、下り最大800Mbpsおよび上り最大150Mbpsで利用可能。なお、対応周波数帯や最大通信速度は販売する国・地域・事業者によって異なる。
Our new design language: Xperia XZ2 looks unique, feels natural.
See the difference with 4K HDR Movie recording.
Introducing Xperia XZ2 Compact – Perfect size. Immersive entertainment.
Xperia XZ2 – Immersive viewing to the extreme.
Introducing Xperia XZ2. Made to touch your senses.
Xperia XZ2 and Xperia XZ2 Compact – Entertainment to the extreme.
Hands-On Exclusive of Xperia XZ2 and Xperia XZ2 Compact – MWC 2018
【Xperia XZ2 Compact】
Xperia XZ2 CompactはXperia XZ2と基本仕様を共通にした小型モデルで、おおよその内容はXperia XZ2と同様だ。シャープが「縦長画面は小型機種のほうがメリットが大きい」として「AQUOS R compact」を投入したように、Xperia XZ2 Compactも従来のXperia XZ1 Compactの約4.6インチから約5.0インチに大型化され、さらにこれまでは画面がHD解像度だったが、Xperia XZ2 CompactではフルHD解像度となった。
フロントカメラも同じとなったことからよりXperia XZ2との差は小さくなったと言えそうだ。主な違いは以下のようになる。携帯電話ネットワークの仕様以外では、背面パネルがガラスか樹脂か、ワイヤレス充電やダイナミックバイブレーションシステムに対応しているかどうかあたりだろう。
機種 | Xperia XZ2 | Xperia XZ1 | Xperia XZ2 Compact |
Xperia XZ1 Compact |
画面 | 5.7型FHD+ | 5.2型FHD | 5.0型FHD+ | 4.6型HD |
大きさ | 153×72×11.1mm | 148×73×7.4mm | 135×65×12.1mm | 129×65×9.3mm |
重さ | 198g | 156g | 168g | 140g |
電池容量 | 3180mAh | 2700mAh | 2870mAh | 2700mAh |
無線充電 | ◯ | ― | ― | ― |
背面パネル | ガラス | アルミ | 樹脂 | 樹脂 |
SoC | S845 | S835 | S845 | S835 |
RAM | 4・6GB | 4GB | 4GB | 4GB |
背面カメラ | 1920万画素 | 1920万画素 | 1920万画素 | 1920万画素 |
前面カメラ | 500万画素 | 1300万画素 | 500万画素 | 800万画素 |
イヤホン端子 | ― | ◯ | ― | ◯ |
振動(DVS) | ◯ | ― | ― | ― |
指紋認証 | 背面 | 右側面 | 背面 | 右側面 |
なお、Xperia XZ2 Compactの背面パネルはガラスではなく樹脂製だが、透明素材が何層にも蒸着処理されており、さらに表面をシルキータッチ処理することでガラスのような触り心地になっているとのこと。本体カラーはBlackおよびWhite Silver、Moss Green、Coral Pinkの4色展開で、サイズは約135×65×12.1mm(最薄部約7mm)、質量は約168g。
Xperia XZ2 Compactの背面は耐擦傷性ハードポリカーボネート製
Xperia XZ2 Compactの本体カラーは4色展開
持った時の印象はサイズ感はこれまでのXperia XZ1・XZ1 CompactとXperia XZ2・XZ2 Compactの違いはそれほどなく、厚みも数値的には増しているが、背面が丸みのある形状となったため、持った時の印象はそこまで違いはないように思われた。一方で、Xperia XZ1とXperia XZ2を並べて持ち比べてみると、やはり重く感じる。
デザインは好き嫌いもあり、これまでのパッと見て「Xperiaだ」と思うようなものではなくなったが、逆に「HTC U11」を代表するように流線型のガラスデザインが増えているだけにそれに近づいたという印象が強い。HTC U11の廉価モデルである「HTC U11 life」もXperia XZ2 Compactと同じように樹脂製ながらガラスを模した透明感のある質感となっている。
ただし、HTCはグローバル市場ではXperia以上に存在感は薄くなっており、人気のiPhoneやGalaxy、OPPOなどは背面は同じくガラス素材となっているが、フラットでより狭額縁な“全画面デザイン”を意識したものとなっており、そういった意味では今回のXperia XZ2とXperia XZ2 Compactはトレンドを取り入れたとは言いつつも、独自性を出そうとして少し外れているといった感じを受けてしまう。
どちらの機種も最終的には特に日本では価格次第といったところになってしまうとは思うが、Xperia XZ2 Compactについては他にこのサイズ感でこの高い性能といった機種がほぼないだけにXperia XZ1 Compactなどの小型モデルと持ちやすさは同じで画面が大型化し、解像度も高くなったという点は期待したいところだ。
Xperia XZ2 Compactの左右上下側面
【Xperia Ear Duo】
ソニーモバイルではもう1つ、外の音が聞こえつつ音楽を聞いたりできるイヤホン「Xperia Ear」シリーズの最新モデルとしてXperia Ear Duoが発表された。これまでのXperia Earは片耳だけだったが、Xperia Ear Duoはその名の通り、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンとなった。
これにより、普通の完全ワイヤレスイヤホンとして使いつつ、音楽を聞いたり、さらにGoogle アシスタントなどの音声サポートが利用できるようになった。一方で、両耳に装着するものの、従来の片耳と同じくらい外の音もしっかりと聞こえ、遮音性はほぼなく、逆にイヤホンからの音は外に出ないようになっている。
イヤホンとしては少し大型なのが気になるが、外で利用するのであれば、Xperia Ear Duoはひとつの大きな転換となりうる製品だと言えそうだ。発売は5月以降を予定しており、価格はアメリカでは280ドル(約29,000円)で、日本でもほぼ同じような価格帯で販売されると見られる。
Xperia Ear Duoを装着したところ
ソニーモバイルブースの様子
写真撮影:佐野 正弘
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(引用元:livedoor news)
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