マクロミルは、新型コロナウイルスの感染拡大が人々の心理に与えている影響について、定点観測データから時系列で分析を行い、レポートにまとめた結果を発表した。
生活者や企業を取り巻く社会情勢や環境は、緊急事態宣言による外出自粛や企業活動の縮小・停止など、刻々と変化している。本取り組みは、マーケティングリサーチ会社である当社が果たすべき社会的な使命として実施するもので、こうした変化による影響をタイムリーに把握して分析し、毎月公開していくとのことだ。
今回は、 2020年4月第1週までの傾向についての速報が発表された。定点観測データには、同社が2011年から継続して実施し、週次の意識調査をもとにデータを取りためているMacromill Weekly Indexを使用している。調査対象は、全国20〜60代の男女1,000名、国勢調査の人口動態の比率(エリア、性別、年代)に基づき割付を行っている。
【1】 注目の話題やニュースは「新型コロナ」に集中。3月4週目に「オリンピック延期決定」、 4月1週目に「志村けんさん死亡」も
注目されている話題やニュースを時系列に把握するため、自由記述回答をワードクラウドを用いて視覚的に示した。直近1カ月はどの週も、「新型コロナ」のキーワードが中心で、 3月4週目に「オリンピック延期決定」、 4月1週目に「志村けんさん死亡」も挙げられた。
【2】 休校要請で高まった「不安」と「憂鬱」、志村けんさん死去では「悲しかった」が急上昇
生活者の「気分」の変化を、 2019年12月から時系列で把握した。年が明けた1月から「楽しかった」「わくわくした」「うれしかった」というポジティブな感情は下降トレンドで、「不安だった」「憂鬱だった」というネガティブな感情は新型コロナの報道と共に上昇トレンドとなっている。
特に3月1週目に大幅な上昇を見せているが、これは3月2日から始まった全国公立小中高校の一斉休校のタイミングと重なる。そして、新型コロナウイルスの感染により志村けんさんが亡くなられたという報道直後となる4月1週目の調査では、「悲しかった」という感情が急激に上昇するとともに、「不安」と「憂鬱」も再上昇した。
【3】 景況感の低下、過去2度の消費増税時よりもさらに低下
景況感(景気に対する印象)については、「現在の身の回りの景気(以下、「現況」)」と、「2〜3カ月先の景気の見通し(以下、「先行き」)」を用いて、景況感DI※3を算出しました。スコアが50よりも大きければ景気が良い、 50を下回れば景気が悪い、という判断になる。
過去2度に渡る消費増税では「現況」、「先行き」ともに大きく低下したが、今回の新型コロナの感染拡大では、そのスコアを大きく下回った。経済の不透明さによる消費者心理への影響の大きさが、この低下率から読み取ることができる。
【4】 1カ月先の消費予想は2020年2月3週以降、連続して低下
今後1カ月の消費増減予想を示す「消費マインド」(図4)は、スコアが50よりも大きければ消費が増え、 50よりも小さければ消費が減るという消費者心理に基づく指標で、今後の消費全体の動きを予測することができる。「消費マインド」は年単位での周期的な特性があり、年末にピークが来て、年始に一気下降するという傾向は毎年の共通点だ。
「前年同週比(点線折れ線グラフ)」を見ると、 2019年度は10月の消費増税直後に0.92まで下降しましたが、年末に向けて緩やかに回復した。しかし、新型コロナの影響が日本国内で深刻化してきた2020年2月3週目以降は低下し続けている。
当社は今後も、 Macromill Weekly Indexにおいて、毎週水曜に定点観測調査を実施、翌週火曜に調査データを公開していくとともに、公開する調査データの種類も拡大していく。さらに、このデータをベースにした定期的な分析レポートの発表も実施していくとのことだ。
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(引用元:livedoor news)