フリーランス500人に訊いた現実の年収は思い描いた理想の半分、時間や人間関係に縛られない働き方の満足…

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GVが運営するお金の情報サイト「まねーぶ」は、コピーライター&ライター立野井一恵氏監修のもと、全国20代〜60代のフリーランス500人を対象に収入や満足度に関する意識調査を実施した結果を発表した。

ワーク・ライフ・バランスの推進や副業解禁をきっかけに「フリーランス」人口は年々増加している。時間や人間関係に縛られず、ワーク・ライフ・バランスを実現する働き方として注目される一方、収入面や社会的信用面での課題もある。

お金の情報サイト「まねーぶ」では、フリーランス500人を対象に収入や満足度を調査し、フリーランスの将来性と在り方について、 20年以上にわたり出版や広告制作など多方面で活躍するライターの立野井一恵氏が解説した。

■人気の職種は「クリエイティブ系(デザイナー・ライター・制作 等)」
全国の20代〜60代フリーランス500人を対象に、職種(仕事内容)について調査したところ、「クリエイティブ系(デザイナー・ライター・制作 等)」が173人と最も多く、回答者の3人に1人が選択している。次いで「職人・講師系(スタイリスト・美容師・インストラクター 等)」が54人、「販売・流通系(販売員・ネットショップ 等)」が41人と、1位と大きく差をつけるも上位3種で全体の半分を占める結果だった。

▼立野井一恵氏 考察
出版や広告、マスコミは、昔からフリーランスが珍しくない業界です。 デザイナーやライターなどは、ある程度の経験や人脈があれば、フリーになる敷居が低い職種と言えるでしょう。 また、いわゆる「手に職」のある美容師やインストラクターなど、職人・講師系も独立しやすい仕事です。一方、年々増えているのが、IT業界やインターネット関連の仕事です。専門知識を持つプロフェッショナルとして仕事を請け負うほか、ネットショップやサイト運営など、商材や情報を自分から発信して稼ぐ人もいます。受注型のフリーランスに加え、今後は自立型の職種も増えていくのではないでしょうか。

■現実年収は理想年収(希望額)のおよそ半額
フリーランス職種別の平均年収について、最も年収の高い職種は「投資・トレード系(投資家・シェアビジネス 等)」463万円、次いで「コンサルティング系(コンサルタント・カウンセラー 等)」388万円、「職人・講師系(スタイリスト・美容師・インストラクター 等)」305万円という結果だった。

理想年収においては、どの職種も現実年収のおよそ2倍の額を希望していることが明らかになった。

また回答者500人中、最高年収は「投資・トレード系」の1,000万円、最低年収は「クリエイティブ系」の12万円と、収入には大きな開きが生じている。

▼立野井一恵氏 考察
フリーランスには雇用の保証や昇給がありません。アテにしていた仕事が急になくなる、理不尽な値下げを要求される事態もあり得ます。収入の安定とリスクヘッジには、継続した収入が見込める複数の取引先の確保と、新規開拓の両方が必要です。また、自分を安売りせず、得意分野やスキルを磨き、より高い報酬が見込める仕事にシフトする視点も必要でしょう。実際、調査を見ると、人数的には多かったクリエイティブ系が上位にランクインせず、専門性の高い職種が多いのが印象的です。

■月間の労働日数の平均値は21日、中央値は20日
月間の労働日数については、「20日以上〜25日未満」が56.0%と最も多く、平均値は21日、中央値は20日という結果であり、一般的な会社員の労働日数である週5日と同等であるといえる。また、本調査での最大労働日数は30日、最低労働日数は10日だった。

月間の労働時間については、「150時間以上〜200時間未満」が最も多く32.0%、次いで「100時間以上〜150時間未満」が29.3%と続き、平均値は148時間、中央値は150時間という結果だった。こちらも一般的な会社員と同等であるといえる。

また、本調査での最大労働時間は400時間、最低労働時間は20時間だった。

▼立野井一恵氏 考察
フリーランスは身体が資本。会社員と違い、労災や失業保険がないので、病気やケガは即、無収入につながりかねません。仕事に穴を開けてしまえば、信用も失ってしまいます。繁忙期は休日返上で働く場合もありますが、きちんと休まないと長続きしないでしょう。仕事量や労働時間を自分で決められるのは、フリーランスの大きなメリットです。健康管理に留意しながら無理のないペースで働くこともできます。結婚や育児、介護などのライフイベントと両立しやすい点も魅力です。

■フリーランスになった1番の理由は「時間に縛られず自由に働きたい」
フリーランスになった理由については以下の通りで、最も多く挙げられたのは「時間に縛られず自由に働きたい」198件、次いで「人間関係がストレスだった」153件と、働き方の自由度を重視していることが明らかになった。

▼立野井一恵氏 考察
フリーランスのよい点は、「やらされ感」がないことでしょう。仕事を請け負うかどうか、いつどこでどう過ごそうが基本的には自由。自分の裁量で決められます。ただ、どんな結果になっても他人のせいにはできず、自己責任という覚悟も必要です。人間関係は大きなストレスですが、営業も納品も請求もすべて自分でおこなうフリーランスは、会社員以上にコミュニケーション力が大事です。自分の可能性を信じて、どんどんチャレンジする人がフリーランスに向いています。

■57.6%がフリーランスの働き方に概ね満足していると回答
フリーランスという働き方に対しての総合満足度については、「とても満足」9.4%、「やや満足」48.2%と全体の6割近く(57.6%)が「満足」と回答した。

満足度の内訳は以下の通りで、「時間面」、「年齢面」については満足度が高い傾向にあるものの、「助成金・補助金面」「社会保障制度面(保険・年金)」、「社会的信用面」については不満を抱いている実態が明らかになった。

※フリーランスの満足度についてコメント(一部紹介)
<ポジティブな意見>
・新型肺炎の影響で学校が休校になり子供が自宅にいても、仕事を続けられるのが助かります。(40代男性/IT・ソフトウェア系)
・会社勤めだと上司や同僚への対応が必要だが、フリーだとそれがなく自己責任で解決できるので満足。(50代男性/その他・リフォーム)
・自分の得意な分野で仕事を選びながら働けるのでストレスがないです。(30代女性/職人・講師系)

<ネガティブな意見>
・自分のペースでマイペースに働けるのは良いが、住宅ローンや銀行からの融資は受けられないことに不満。(30代男性/販売・流通系)
・社会的信用が低いので、クレジットカードの審査が通らないことが不満。(30代女性/インターネットメディア系)
・社会的にまだ知名度・信頼度が低く、それをバックアップしてくれる国の政策などが不足している。(40代男性/コンサルティング系)

▼立野井一恵氏 考察
健康保険や年金などのセーフティネットの弱さや収入面に不満があるものの、「フリーランスになってよかった」と感じる人は少なくありません。会社の意向や上司の顔色をうかがわずに済み、精神衛生上、爽快であること。ワーク・ライフ・バランスが取りやすく、定年も含め、自分の裁量で働ける点が大きな理由でしょう。福利厚生面では、「小規模企業共済」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など掛金全額(上限額あり)が控除され、節税しながら自分年金を積み立てていく方法をまず検討しましょう。また、賃貸住宅の契約、マイホームの取得や借り入れの際には、確定申告書が収入証明になります。毎年きちんと申告することが社会的信用にもつながります。

■調査結果

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(引用元:livedoor news)

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