歌舞伎座(東京・銀座)の真裏に佇むギャラリー「Art Gallery M84」は、2019年7月15日(月)より開催していた「飾りたいと思う写真展「アートの競演 2019涼月」」において、3賞(M84賞、G.I.P. Tokyo賞、フレームマン賞)を決定した。
今回の作品展は、Art Gallery M84の第88回目の展示として実施された一般公募展だった。一般公募展は同ギャラリー開設1周年を記念して開催した写真展「人それぞれ」(2014年7年21日〜)から始まり、名称を写真展「アートの競演」に変更した後は、年2回の開催となった。
■Art Gallery M84オーナーからひと言
1800年代末期の欧州で、写真はその記録性のみが注目されて、芸術作品としての認識や評価はなされておりませんでした。「日本の現写真分野において芸術作品の位置付けがどの様になっているのだろうか」と考えるきっかけになればと思いから開催しています。今回から自分の作品が如何にアートであるかをオープニングにて語ることが募集要項に加わりました。
Art Gallery M84オーナー 橋本正則
■M84賞「Sui Sha190606`Kawamo`」冨田陽子氏
●どんな点がアートなのか?
海へ注ぎこもうとする小さな川の河口付近で、偶然見つけた蛇のぬけがらがゆっくり、速く、私の視界に流れこんできた。わあ!思わずそれを追いかけるとき、気持ちを刻むように撮った。小魚、白い羽、宇宙、水の流れ、蛇のぬけがらなどを自由に想像して不思議を楽しんでもらえる様に画像を水彩画のような仕上げにした。
●飾りたいと思って貰える点は?
“その空間において、調和する”ということがこの作品のベースにあります。抽象的で、捉えどころがすぐに見つけられず、なんども見てしまう。その不思議な表情は観る人それぞれに印象が違う。自然に在る色(アースカラー)の彩度が低い、穏やか な色調なので、部屋の一角に穏やかで明るい印象を運んでくれることと思います。
●選評
自然の川面を、グラフィカルに表現した今まで見た事の無い水彩画の様な作品で味わいがある。淡い色合いが部屋を明るくするので飾りたい写真です。脱皮した蛇の皮を追い掛け縁起が良い。マットを使わない見せ方に課題はあるが、まだまだ良くなる余地があると思うので、今後の作品が楽しみである。
【作家】冨田 陽子(Yoko Tomita)氏
宮崎県出身 interior coordinator
2007年 +COCOCHI開業 現在に至る
写真を撮ることは高校生の頃、それは「人」から始まって、社会に出てからは「室内」ばかり。山へ行くようになって対象が「室外」へと変わりました。そして今は、構えた意図・意識などの情報量の少ない写真から‘なにか’の感点を見つけて一つの形に仕立て、表現することを楽しんでいます。
【展示歴】
2014年7月 写真展「人それぞれ」Art Gallery M84(東京・銀座)
2015年1月 写真展「人それぞれのアート」Art Gallery M84(東京・銀座)
2015年7月 写真展「アートの競演 2018初夏」Art Gallery M84(東京・銀座)
2016年1月 写真展「アートの競演 2018初春」Art Gallery M84(東京・銀座)
2016年7月 写真展「アートの競演 2018文月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2017年1月 写真展「アートの競演 2018睦月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2017年7月 写真展「アートの競演 2018葉月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2018年7月 写真展「アートの競演 2018泰月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年1月 写真展「アートの競演 2019寒月」Art Gallery M84(東京・銀座)
■G.I.P Tokyo賞「信号はどこに 7.10」豊吉 雅昭氏
●どんな点がアートなのか?
本作品は左目がほとんど見えない私の視界を表現した作品です。晴眼者には見えていない、私が見ている視界、日常を捉えています。私の日常の中で、横断歩道を渡る時に信号は見えません。「一体どこに信号があるのか?」「今は 渡って大丈夫か?」これらの不安を恒常的に感じる人は晴眼者には少ないのではないでしょうか。
●飾りたいと思って貰える点?
作品を見て何かしら感じてもらえる物、であることも意図の一つですが、それ以外にも「どこで撮ったのか?」「何を撮っているのか?」の様にも楽しんでもらえることも念頭に置いていて、幾つもの見方、楽しみ方があるところ。もしくは「面白い」「格好いい」と思ってもらえる作品であるところだと考えています。
●選評
背景の建物は正体で、手前の歩行者達の微妙なズレ具合が新鮮!また雲の流れが空に映える。晴眼者には判らない視野を消失するとこんな風に見えることへの驚き、単なるコラージュでは無い、今まで見た事の無いなんとも不思議な作品である。
【作家】豊吉 雅昭(Masaaki Toyoyoshi)氏
1975年 埼玉出身
所幸則コンテンポラリーフォトファクトリー所属。
プラクティカルフォト7期生。
緑内障による視野欠損が進み、現在では左目の大半の視野を消失している。
【受賞歴】
2017年1月 埼玉県流域下水道50周年記念コンテスト入選及び人気投票賞
2018年2月 日本アート教育振興会フォトレビアワード2017下半期入賞
【展示歴】
2012年12月 第7回コスモス展「vol.7」ギャラリーコスモス(東京・目黒)
2013年11月 所幸則写真展「アインシュタインロマン」Gallery Conceal(東京・渋谷)
2017年11月 所幸則C.p.f.写真展「進化evolution2017」Gallery Conceal(東京・渋谷)
2018年7月 写真展「アートの競演 2018観月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年1月 写真展「アートの競演 2019寒月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年4月 所幸則C.p.f.写真展「進化evolution2017」Gallery Conceal(東京・渋谷)
●フレームマン賞「Sui Sha190606`Uminomo`」冨田 陽子氏
●どんな点がアートなのか?
砂浜からより海の奥の方へと岩場を進んでいくと、水際には様々な種類の海藻が密生していて、海水の動きにならうように揺らめいている。よせてはかえす赤や緑や黄色の動きを、ぼんやりと眺めながら撮っていた。水彩画のように仕上げる過程で 様々な色の頒布を眺めていたその時、静けさに潜んでいた歓喜が彩として現れてきた。観ていた風景だけれど、全く別のものへと変わった。
●飾りたいと思って貰える点?
寒色系の色がメインですが色調に幅があり、壁に華を添えるように感じてもらえる作品です。海のようにも、山肌に咲く満開の花群のようにも感じて、観る人の心それぞれが、いつの間にかさがしもの。見つけてみてください。
●選評
岩場に波打つ藻の色合いや額装の仕方が綺麗。飾りたい写真です。余白も作品の一部でありイメージが左に寄っているレイアウトが斬新。用紙の選び方によってはもっと奥行き感が出せる等、課題はあるが、まだまだ良くなる余地がある。
【作家】冨田 陽子(Yoko Tomita)氏
他の情報は、M84賞記載と同じ
■飾りたいと思う写真展「アートの競演 2019涼月」
■Art Gallery M84
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(引用元:livedoor news)