夏バテとは、高温多湿な日本の夏の暑さによる体調不良の総称のこと。高温多湿の夏に体が対応できなくなり、なんとなく体がだるく、疲れが取れにくい日が続いたり、食欲不振になる。夏バテになると免疫力が低下し、夏風邪を引きやすくなってしまうなど、放っておくと病気になる可能性もあり、要因を知ったうえで、予防が必要だ。
■そもそも夏バテを引き起こす要因とは・・・
?自律神経の乱れ
猛暑の屋外から、エアコンで冷えた室内に戻るときなどの急激な温度差は体力を消耗し、そのストレスから自律神経がうまく働かなくなってしまう。自律神経の変調は胃腸の不調や全身の倦怠感、食欲不振を招く。
?睡眠不足
夜間も温度が下がりにくい現代では、熱帯夜によって寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなって睡眠不足に陥ることがある。睡眠によって日中の疲労が回復せず、疲れが溜まってしまい夏バテを引き起こす。
?高温多湿の環境による発汗の異常
高温多湿の環境が続くと、汗の出口周辺が詰まり発汗が困難になることがあり、それによって体温調節がうまくいかなくなる。
?水分不足
気温が上昇すれば、体温を調節しようと汗をかく。すると、体内の水分が蒸発するため、喉の渇きを覚えるようになる。水分を上手に取らないと、夏バテを引き起こす可能性がある。
■夏に飲むといい!最強ドリンク“緑茶”〜気になるカフェインの利尿作用の真相
多くの人が毎年悩まされる夏バテだが、実は身近な予防法のひとつとして、緑茶がおすすめだ。夏場の水分補給に、緑茶に含まれるカフェインに利尿作用があるため適さないのでは?という不安もよく耳にする。カフェインの利尿作用により脱水症状が起きると信じられてきたが、近年、この説は誤解であることが明らかにされている。
米国医学研究所刊行の「水、カリウム、ナトリウム、塩化物、硫酸塩の摂取基準(」では、水分摂取に対するカフェインの影響について、1928年から2000年までの文献を考察し、「大量のカフェインを習慣的に摂取している人が、累積的な水分不足にあるという新たな証拠が得られない限り、カフェイン入り飲料は、カフェインを含まない飲料と同様に毎日の水分摂取に寄与すると思われる」と結論している。
また、元東京福祉大学教授の栗原久氏は、著書「日常生活の中におけるカフェイン摂取
作用機序と安全性評価」の中で、「カフェインの長期摂取による水収支への悪影響が生じる可能性は低いと考えられ、その理由は、カフェインがコーヒーや茶、あるいはコーラ飲料によって摂取され、そのときは水も一緒に摂取されるからである」と述べている。
一方、2015年に発表された、スポーツ時のカフェイン摂取について16の論文をメタアナリシスした報告では、「カフェインは、弱い利尿効果を持つが、それは運動によって打ち消される。カフェイン摂取により好ましくない水分損失が起こるという心配は、特に運動の前に摂取した場合は、根拠のないものである」と結論づけられている。
■夏場のこまめな水分補給の大切さ
厚生労働省によると、人間のからだの約60%は水分で、1日に2.5Lの水が必要と言われている。例えば体重60?の成人男性の場合、約36kg分が水分となる。生理現象(尿・便・呼吸・汗)で1日2.5Lの水分が排泄されることを考えると、2.5Lの必要な水分量に対して、食事で摂取できるものが1L、体内で作られる水が0.3Lとされており、飲み水としては1日1.2Lの摂取が必要だ。
体の中の水分が不足すると、夏バテの他にもさまざまな健康障害のリスクが上がる。こまめに水分補給する習慣が重要だ。
緑茶は特に日本人にとって食事中などあらゆるシーンで身近な飲料のひとつだが、カフェインによる利尿作用を恐れて飲まないのはもったいない。事実として、緑茶は1杯(100ml)あたり約20mgのカフェインを含む。しかし、上述の論文によると、20杯の緑茶を飲んでも、24時間尿等に変化はないといえる。
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(引用元:livedoor news)
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