東京駅から新幹線を使えば1時間以内、在来線でも約2時間とギリ通勤圏内と呼べるのが群馬県高崎市(以下、高崎市)だ。その高崎市が、何やら面白い試みを行っている。
それがWebサイト『#インスタグンマー高崎』だ。このサイトは、高崎市内の風景で、よくよく見るとなんだかじわじわとおもしろい“じわジェニック”な風景を、インスタグラムを通して発信していく専用サイトなのだ。2018年7月27日(金)にオープンしてから、じわじわとアクセス数を伸ばしている。
■絶メシに続け!加速する若者の地域離れをなんとかしたい
高崎市では、2017年9月末より、長年愛され続け、絶滅して失ってしまうには非常に惜しい高崎市の絶滅しそうな絶品ローカルグルメを紹介するグルメサイト「絶メシリスト」を公開している。今回の「#インスタグンマー高崎」は、この「絶メシリスト」に続く第二弾のプロモーションとなる。こうした試みは、若者たちの地域離れをなんとかしたいという思いから立ち上がっている。
専用サイトトップページ
■運営は市内の高校生とプロカメラマン・ライターによる製作委員会
本サイトは、高崎市内の高校生とプロのカメラマン・ライターで編成された「インスタグンマー高崎製作委員会」が運営。高崎市の一見平凡な風景でも、よくよく見るとなんだかおもしろい、じわじわくる。そんな“じわジェニック”な写真を投稿し、公開していく。
投稿画像例?
投稿画像イメージ?
また、一般の人でも「@instagunmer」に向けて「#インスタグンマー」「#高崎」のハッシュタグをつけて投稿すれば、同サイト内に表示される仕組みになっている。
その他にも、投稿された“じわジェニック”な写真の撮影場所をすべてマップにプロットしていく「インスタグンMAP」、「フリーグンマー素材」、月に1回最も“じわジェニック”な写真を選ぶ「インスタグンマー・オブ・ザ・マンス」など、様々に楽しめるコンテンツが用意されている。なかなかホットなコンテンツになっており、地方の一都市が立ち上げたとは思えないクオリティに仕上がっている。
インスタグンMAP
■企画の背景に近年問題視されている“人口の東京一極集中”
総務省が発表した「住民基本台帳人口移動報告(2017年)」によると、東京圏への転入者が転出者を上回る「転入超過」は22年連続しており、深刻な社会問題となってきている。
中でも特に、進学・就職を機にした若年層の「転入超過」が目立っているという。群馬県および高崎市でも人口は年々減少しており、この地域離れの問題を解決したいという思いから「#インスタグンマー高崎」が企画されたというわけだ。
前述のとおり「インスタグンマー高崎製作委員会」には、高崎市内の県立高等学校の学生たちが参加しており、彼ら自身が地元の“じわジェニック”なスポットを発掘し「#インスタグンマー高崎」で発信している。子供のころからいる地元の若い子連中だからこそ、大人たちの知らない“じわジェニック”なスポットを見つけることができるのだろう。
■行政としては高崎市の良さを再発見してほしい
高崎市は、この取り組みを通し、若者が地元の魅力に触れる機会を作り出すことで、普段見慣れている風景の良さを再発見してほしいと考えているとのこと。そうした地元の魅力を知ることで、ひとりでも多く「(地元に)残って働きたい」「(学校卒業したら)戻ってきたい」、そんな風に思ってもらえる場所にすることを目指す。大人になって東京に出ていくのではなく、地元愛の強い人間に成長してもらうのが、これからの地方に求められる課題と言えるのかもしれない。
さらに高崎市は、この「#インスタグンマー高崎」で、これまで光が当たりにくかった風景にスポットを当て、まち全体を盛り上げていくことも狙う。地元以外の人たちからも、「高崎に行ってみたい。」「高崎の“じわジェニック”なスポット巡りをしてみたい」と思ってもらうことで、多くの人たちが集まってくることも狙う。
■“映えダルマ”がもらえる!インスタグンマー・オブ・ザ・マンス
数ある#インスタグンマー投稿の中から、特にじわじわくる“じわジェニックな作品”を委員会が独断と偏見で選考し、毎月勝手に表彰していく。今月の1枚に選ばれた投稿者のには、インスタ映えすること間違いなしの“映えダルマ”がプレゼントされる。
賞品のデザインは毎月異なり、ここでしか手に入れることができない。8月の賞品は「パンケーキだるま」だ。
応募方法は以下を参照
?『#インスタグンマー高崎』の公式インスタグラムをフォロー。
?じわじわする写真を撮影。
?「@instagunmer」、「#インスタグンマー」、「#高崎」とともに写真を投稿
なお、結果発表は、表彰者にのみインスタグラムのDMにて通知される。詳細は専用サイトを必ず参照のこと。
インスタグンマーオブザマンス
■「インスタグンマー高崎製作委員会」高校生の取り組みの様子
7月、「インスタグンマー高崎製作委員会」の一員である、群馬県立高崎高等学校の新聞部の学生15名と、プロのカメラマン・ライターによる第一回ワークショップが行われた。
ワークショップの様子?
同ワークショップでは、高崎市の“じわジェニック”な写真にハッシュタグをつけるため、3グループに分かれてディスカッション。その後、各グループの代表者が話し合いで出てきたハッシュタグを発表。地元学生ならではのハッシュタグの数々が出てくる結果となった。
ワークショップの様子?
「インスタグンマー高崎製作委員会」では今後も、地元の“じわジェニック”を発掘&発信していくとのこと。今回の写真も随時「#インスタグンマー高崎」で公開されるとのことなので要チェックだ。
なおワークショップに参加した高校生のコメントを紹介しよう。
「普段見ている風景にハッシュタグを付けて、高崎市らしさを表現することはやったことがなく、難しかったです。でも、どうしたら面白くなるのか細かいところまで話し合い、発見した時はとても楽しかったです。ハッシュタグは、長くなりすぎず、分かりやすいインパクトがある言葉になるように工夫しました。新聞部は、高崎市内のいろいろな場所に取材に行くので、『#インスタグンマー高崎』に投稿する風景も探していきたいと思います。」
「今回のワークショップを通して、高崎市ってやっぱり不思議なところがあるなと改めて思いました。もう見慣れた風景ですが、ビルが立ち並ぶ中、大きいダルマがぽつんといたり、高崎市ならではの写真がたくさんありました。高崎市以外の人たちにもそういう風景を楽しんでほしいと思います。」
■「高崎観光特使」JOYさんからのコメントも紹介
2017年8月に「高崎観光特使」に任命され活動を続けているタレントのJOYさん(高崎出身)から「#インスタグンマー高崎」に対するコメントが届いた。JOYさんにも今回の専用サイトオープンを記念して“じわジェニック”な写真を投稿してもらう予定となっている。
JOYさんコメント:「地元高崎市が新しいプロモーションを始めると聞いて、すごく楽しみです。高崎市にある「あれ、なんかおかしくない?」というような風景の面白さが、これから皆さんにじわじわと伝わっていくと思うと、高崎観光特使としてとてもうれしいです。僕も“じわジェニック”な写真を撮って高崎ならではの魅力を伝えていきたいです。」
高崎観光特使JOYさん
では最後に専用サイトを立ち上げた高崎市のボスである富岡市長のコメントを紹介しよう。
■高崎市長による専用サイト立ち上げに関するコメント
近年、地方では若年層の地域離れが社会課題になっています。高崎市でも、多くの若者が進学・就職を機に東京に移り住んでいます。そのような状況の中、どうしたら高崎市の良さが伝わり、残りたい、戻ってきたい場所になるのかを考えました。昨年9月にスタートした「絶メシリスト」では、これまで光が当たりにくかった高崎市の昔ながらの飲食店を紹介し、注目される様になりました。反響も大きく、皆様に知っていただく良い機会になったと感じています。今回は若者にアプローチすることを目指し、現在人気のインスタグラムに注目しました。
高崎市には、ガイドブックには載っていないような、よく見るとおもしろい“じわジェニック”な風景がたくさん溢れています。カラフルだったりオシャレなものではありませんが、長年に渡って市民の皆様とつくりあげてきた大切な風景です。映える写真が並ぶ中、あえて高崎らしい風景にスポットを当てることで、高崎市の良さをアピールしていきたいと考えています。
また、「#インスタグンマー高崎」には、高崎市内の高校生が製作委員会として参加してくれています。この取り組みを通して、地元の若者と交流を持ちながら、まち全体を盛り上げていけることを大変嬉しく思います。
是非、これからの長期休暇のシーズンに足を運んで頂き、高崎市らしい風景を探してみてください。皆様がインスタグンマーになって、写真を投稿してくださるのを楽しみにお待ちしております。
高崎市長富岡賢治
これからお盆休み、また夏休みを予定している人は、高崎へ足を運び、投稿された“じわジェニック”なスポットを巡ってみたり、自ら高崎市内の“じわジェニック”な風景を撮影して投稿したりしてみるのはいかがだろう。
■#インスタグンマー高崎
■公式インスタグラム:@instagunmer
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(引用元:livedoor news)
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