1月31日放送、毎日放送「戦え!スポーツ内閣」では、先月急逝した星野仙一氏を改めて特集。多くの人に愛された「闘将」の人柄を伝えた。
鉄拳制裁も辞さない厳しい指導で知られた星野氏。その一番の被害者だったのが、中日ドラゴンズの監督時代の愛弟子、中村武志だ。投手など別の選手とセットで怒られたという中村は「間違いなく僕が一番怒られている」と“自負”している。
「鉄拳と言えば鉄拳」という指導が続き、中村はあるときから、監督に呼ばれた際にマスクと防具をつけたままで臨むようになったという。星野氏は「アイツもようやく頭を使いだしたな」と言っていたそうだ。ただ、その後も同じように続けると「マスク取れ」と、結局叩かれるようになったそうだ。
そんな「最も怒られた男」が選んだ星野氏の名シーンは、1999年にリーグ優勝を決めた一戦。他球場の結果から優勝が確実となったが、試合に負けていた星野氏は途中で激怒。「オレは認めないぞ、こんな優勝は。負けて優勝なんてあるか」と、胴上げを拒否しかねない剣幕だったという。
指揮官の怒りに奮起した中日は、8回に逆転に成功。9回に一打サヨナラのピンチを迎え、中村は負けたら「監督そのまま帰っちゃうんじゃないか」と焦ったが、チームは危機を乗り切り、逃げ切って優勝。中村は「出ていた選手みんながいつも以上に必死」「負けたら野球人生終わる」という想いで戦ったと振り返った。
どんな状況でも妥協せず、目に見えない力をチームに宿す星野氏らしいエピソードの最後に、中村は「ああいう人だったから、今自分たちもこうやって野球の世界で生きていける」「もう多分、二度とこういう監督は現れないと思うので、もっと怒られておけばよかった」と、故人をしのんだ。
現在、韓国の起亜タイガースのコーチを務める中村は、昨年末に星野氏から最後に「何かあったらいつでも電話してこい」と声をかけられたという。
(引用元:livedoor news)