Googleがスマホなど向け次期OS「Android 12」の開発者向けプレビュー版第2弾をリリース! |
Googleは17日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 13(開発コード名:Tiramisu)」( https://developer.android.com/about/versions/13 )における開発者向けプレビュー版の第2弾「Android 13 Developer Preview 2」(以下、DP2)を公開したとお知らせしています。
提供されているのは今年2月に公開された「Android 13 Developer Preview 1」(以下、DP1)と同様にAndroidエミュレーターのほか、Pixel 4、Pixel 4 XL、Pixel 4a、Pixel 4a (5G)、Pixel 5、Pixel 5a、Pixel 6、Pixel 6 ProでテストするためのファクトリーイメージやSDKが含まれています。
Android Flash Toolやファクトリーイメージ( https://developer.android.com/about/versions/13/download )から手動で導入するようになっているほか、すでにDP1を導入している場合はネットワーク経由のソフトウェア更新(OTA)も提供されており、OTAイメージ( https://developer.android.com/about/versions/13/download-ota )も提供されています。
DP2ではPixelシリーズにおけるビルド番号が「TPP2.220218.010」で、すでにAndroidセキュリティーパッチレベルは「March 2022」、Google Play servicesは「22.06.15」となってろい、エミュレーターでは64bitのx86およびARM v8-Aがサポートされ、APIレベルは「T DP2」となっています。
なお、ネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)は現時点では用意されておらず、今後提供が開始される予定の一般向けベータ版「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )によって提供され、ベータ版はPixelシリーズ以外にも従来通りに他メーカーの一部製品にも順次提供される見込みとなっています。
Android 13は現在の最新バージョンの「Android 12」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、最近の流れであるセキュリティーやプライバシーをより強化しており、さらに大画面やフォルダブル向けに提供される「Android 12L」で導入された新しい機能のいくつかも提供され、正式版に向けて徐々にAndroid 13の新機能を追加していくということです。
正式版のリリースまでのスケジュールは今回のDeveloper Preview 1に続いて3月に「Developer Preview 2」、4月に初のベータ版となる「Beta 1」が提供され、5月に「Beta 2」、6月に最初の安定版(Platform Stability)となる「Beta 3」、7月に正式版に近い最終テストとなる「Beta 4」が提供され、その後にAOSPとエコシステム向けの正式版がリリースされる予定となっています。
なお、Android 13 DP2では先日にAOSP(Android Open Souce Project)にて正式版がリリースされた「Android 12L」に続いて大画面製品をより有効に活用できる機能が導入されており、Android 12Lの新機能はAndroid 13のベースになるとのこと。
またこれらの素早く分割画面モードにドラッグ&ドロップできる新しいタスクバーや通知とロック画面の新しい大画面レイアウト、アプリの互換モードの改善などといったAndroid 12Lにおける新機能はすでに案内されているようにPixelシリーズのスマホにも今後数週間で展開される予定です。今回、案内された新機能は以下の通り。
○プライバシーとユーザーの信頼性
最も個人的で機密性の高い情報が保存されているスマホなどの製品では信頼できるOSとアプリを求めており、Androidでもこれまで常にプライバシーとセキュリティーを重視してきましたが、Android 13では製品上でより安全な環境を提供し、より多くの管理機能を提供することによってすべての人に責任のある高品質のプラットフォームを構築することに引き続き注力しています。
・通知権限
Android 13では最も重要な通知に集中できるようにアプリから通知を送信するための新しいランタイム権限「POST_NOTIFICATIONS」が導入されています。 Android 13を対象とするアプリは通知をする前に通知許可をリクエストする必要があります。一方、Android 12以下を対象とするアプリの場合はシステムがユーザーに代わってアップグレードフローを処理します。フローは引き続き微調整され、ユーザーにより多くのコンテキストと制御を提供するためにAndroid 13をできるだけ早くターゲットにしてアプリで通知許可をリクエストすることをおすすめします。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/features/nearby-wifi-devices-permission より。
・開発者のダウングレード可能な権限
一部のアプリでは特定の機能を有効にするためにユーザーによって以前に付与された特定の権限が不要になったり、古いAndroidバージョンからの機密性の高い権限が保持されたりする場合があります。Android 13では以前に付与されたランタイム権限をダウングレードすることでアプリがユーザーのプライバシーを保護できるようにする新しいAPIを提供しています。
・コンテキスト登録されたレシーバーのより安全なエクスポート
Android 12ではマニフェストで宣言されたインテントレシーバーのエクスポート可能性を宣言するよう開発者に要求しました。これに対し、Android 13ではシステム以外のソースのレシーバーを登録するときに「RECEIVER_EXPORTED」フラグまたは「RECEIVER_NOT_EXPORTED」フラグを追加することでコンテキスト登録されたレシーバーに対しても同じことを行うように求めています。
これにより、必要な場合を除いて他のアプリケーションがブロードキャストを送信するために受信機を使用できないようにすることができます。Android 13では必須ではありませんが、アプリを保護するためのステップとして、エクスポート可能性を宣言することをおすすめします。
○開発者の生産性
Android 13では洗練されたエクスペリエンスとより優れたパフォーマンスをユーザーに提供するためのツールをさらに提供できるよう取り組んでいます。
・日本語のテキストラッピングの改善
TextViewsは文字ではなく文節(自然に聞こえる単語の最小単位)またはフレーズでテキストをラップできるようになり、より洗練された読みやすい日本語アプリを実現します。 TextViewsで「android:lineBreakWordStyle=”phrase”」を使用すると、このラッピングを利用できます。
フレーズスタイルが有効(下)およびなし(上)の日本語テキストラッピング
・非ラテン文字の行の高さの改善
Android 13では各言語に適合した行の高さを使用することによって非ラテン文字(タミル語、ビルマ語、テルグ語、チベット語など)の表示を改善しています。新しい行の高さはクリッピングを防ぎ、文字の配置を改善します。 Android 13をターゲットにするだけでアプリでもこれらの改善を活用できます。新しい行間隔を使用する場合は変更によって非ラテン語のUIに影響する可能性があるため、必ずアプリをテストしてください。
Android 12まで(上)とAndroid 13を対象とするアプリの非ラテンスクリプトの行の高さを改善しました(下)
・テキスト変換API
日本語や中国語などの言語を話す人々はふりがなの入力方法を使用します。これにより、検索やオートコンプリートなどの機能が遅くなることがよくあります。Android 13ではアプリは新しいテキスト変換APIを呼び出すことができるため、ユーザーは探しているものをすばやく簡単に見つけることができます。例えば、以前は検索では日本語で(1)検索語の音声発音としてひらがなを入力する(つまり、場所またはアプリ名)、(2)キーボードを使用してひらがなを漢字に変換する必要があったため、(3)漢字を使用して再検索し、(4)検索結果を取得していました。一方、新しいテキスト変換APIを使用すると、日本語でひらがなを入力すると、(2)と(3)をスキップして漢字の検索結果をすぐにライブで確認できます。
・カラーベクターフォント
Android 13ではCOLRバージョン1(スペック、イントロビデオ)フォントのレンダリングサポートを追加し、システム絵文字をCOLRv1形式に更新します。COLRv1は新しい非常にコンパクトなフォント形式であり、任意のサイズで素早く鮮明にレンダリングされます。ほとんどのアプリではこれで問題なく動作し、システムがすべてを処理します。 DP2以降はアプリのCOLRv1にオプトインでき、アプリが独自のテキストレンダリングを実装し、システムのフォントを使用している場合はオプトインして絵文字レンダリングをテストすることをおすすめします。なお、COLRv1の詳細はChromeについての発表をご覧ください。
COLRv1ベクトル絵文字(左)とビットマップ絵文字
・Bluetooth LEオーディオ
Bluetooth LE(Low Energy)オーディオは従来Bluetoothによるオーディオに取って代わり、新しいユースケースと接続トポロジを可能にするために構築された次世代のワイヤレスオーディオです。これにより、ユーザーは自分のオーディオを友人や家族と共有してブロードキャストしたり、情報やエンターテインメント、アクセシビリティーのために公開ブロードキャストをサブスクライブしたりできます。
これはユーザーがバッテリー寿命を犠牲にすることなくHiFiオーディオを受信できるように設計されており、従来のBluetoothでは不可能だったさまざまなユースケースをシームレスに切り替えることができます。Android 13にはBluetooth LEオーディオの組み込みサポートが追加されているため、開発者は互換性のあるデバイスで新しい機能を無料で入手する必要があります。
・MIDI 2.0
Android 13はUSBを介してMIDI 2.0ハードウェアを接続する機能など、新しいMIDI2.0標準のサポートを追加します。この更新された標準はコントローラーの解像度の向上、非西洋イントネーションのサポートの向上、ノートごとのコントローラーを使用したより表現力豊かなパフォーマンスなどの機能を提供します。
アプリの互換性は開発者向けオプションで切り替えられます
GoogleではAndroidの各リリースごとに新しいバージョンを公開する際にアプリの互換性を優先することによって更新をより迅速かつスムーズにするよう取り組んでおり、Android 13ではアプリの互換性を保つのにより多くの時間を提供するためにほとんどのアプリ向けの変更をオプトインしているということです。またツールとプロセスを更新してより早く準備できるようにしました。
さらにAndroid 13ではGoogle Playシステムの更新(プロジェクトメインライン)への投資を拡大し続け、アプリに製品間でより一貫性のある安全な環境を提供して新機能を提供します。そのため、フォトピッカーやOpenJDK11などの新機能を既存のモジュールを更新することで、古いバージョンのAndroidでも直接プッシュできるようになりました。加えてBluetoothやUWBなどの新しいモジュールを追加し、Androidの更新可能なコア機能の範囲をさらに拡大しています。
なお、Developer PreviewにはAndroid 13の機能を試したり、アプリをテストしたり、フィードバックを提供したりするために必要なものがすべて揃っています。Googleでは新機能とAPIを試した場合にはフィードバックを行うようにお願いしており、フィードバックはトラッカーで問題を報告するか、フィードバックとリクエストのページから選択した機能についてアンケートで直接フィードバックしてください。
また現在のアプリのAndroid 13での互換性をテストし、アプリがAndroid 13のデフォルトの動作変更の影響を受けるかどうかを確認して欲しいとのこと。なお、Android 13には新しいプラットフォームをターゲットにしている場合にのみアプリに影響するオプトインの動作の変更があるため、これらの変化を早期に理解して評価することは非常に重要となっており、テストを簡単にするために変更のオンとオフを個別に切り替えることができるようになっています。
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・Android Developers Blog: Android 13 Developer Preview 2
・Android 133 Developer Preview | Android Developers
(引用元:livedoor news)