強靭なボディーに個性の詰まったUnihertz Atomの内蔵アプリや性能をチェック! |
中国・上海のベンチャーメーカーであるUnihertzが開発したQWERTY配列のハードウェアキーボードを搭載したAndroidスマートフォン(スマホ)、「Unihertz Titan」。既報通り、一般向けへの販売が決定し、現在、事前予約が受付中となっているものの、残念ながら新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響で出荷が3月2日からと延期されました。
そんなUnihertz Titanですが、今では貴重ないわゆる「BlackBerry」タイプのQWERTYキーボードを搭載するストレート型というだけでなく、防水・防塵・耐衝撃機能なども備えた非常に強いタフネスモデルであり、このような個性の強い製品を待ち望んでいた人にはまさに垂涎の1台と言えると思います。
すでに紹介しているように筆者もクラウドファンディングにて入手しており、これまで前回の「個装箱に収められていた本機とその同梱品および外観の紹介」に続いて同機のプリインストールアプリやベンチマークアプリによる計測結果、チェックしておきたいポイントなどを紹介していこうと思います。
【Unihertz Titanのホーム画面をチェックする】
Unihertz Titanのホーム画面(全4面)
Unihertz Titanのホーム画面は左端のGoogleフィード(Discover)を含めると、通常のホーム画面が3面なので合計4面構成となっています。標準のホームアプリはドロワー(アプリ一覧)のないタイプですべてのアプリがホーム画面上に並んでいます。
またプリインストールはサードパーティー製はなく、FMラジオや緊急速報通知、音声レコーダーといったもの、GmailやGoogle検索アプリなどのGoogleの提供するアプリ以外には「ツールボックス」および「Student mode」、「Game mode」などとなっています。
このうちのStudent mode(学生モード)はいわゆる「キッズモード」機能のことで、起動できるアプリを制限したり、起動可能な時間を決めたりすることが可能です。
一方、Game mode(ゲームモード)は登録したゲームアプリを起動中、通知などでゲームプレイなどを邪魔されないように設定できます。ただし、後述しますが、本機はあまりゲームプレイに向かないと思われます。
そして、ツールボックスはその名の通り、各種ツール系アプリがひとつにまとめられたサブメニュー群で、ツールボックスのメニューから傾き計測系や懐中電灯、コンパス、騒音計(ノイズテスト)、分度器、心拍数系、歩数計などの多数のアプリを選んで利用することができます。
「ツールボックス」のメニュー。「測る」のアプリが最初からこれだけ用意されてるのは珍しい
ノイズテストアプリの画面。表現がちょっと物騒な気もしなくはないですが……
【非常によくできた専用の日本語IME「Kika Keyboard」】
プリセットされているIMEは「Kika Keyboard」と「Google音声入力」のみだが、変換精度も悪くなく、不満は少ないはず
また前述通り、Unihertz Titanの特徴は一般的なパソコン(PC)と同じようにQWERTY配列のハードウェアキーボードを搭載しているため、それを制御するための文字入力(IME)アプリも注目されます。
Unihertz Titanには非常によくできた「Kika Keyboard」という専用のものがプリインストールされており、これまで他の文字入力アプリで慣れた筆者でもすぐに馴染むことができました。
なお、筆者が良く使っている文字入力アプリは「ATOK」ですが、日本語と英語の切り替えに相当するキーである「$」のハードウェアキーがないのでそのままではうまく利用できません。
またQWERTYキーボードを搭載した「BlackBerry」シリーズのAndroidスマホ向けにアプリを開発しているAquamarine Networks.によるUnihertz Titan専用アプリ「AquaMozc for Titan」もすでに公開・販売されています(価格は1,650円)。
【Unihertz Titanのカメラ性能は】
カメラアプリの画面(画像=左)とカメラアプリの設定画面(画像=右)
Unihertz Titanのカメラはフロントカメラが約800万画素CMOSのシングルカメラで、メインとなるリアカメラは約1600万画素CMOSのシングルカメラとなっています。
メインカメラの撮影機能としては「ほどほど」で、十分な明るさのある場面であれば、そこそこに見れる写真を撮ることができます。以下は手持ちでオート設定にて撮影し、縮小したものとなります。
一方で対象が早く動く物体だったり、暗所・夜間の撮影は不得意とハッキリと言える程度となっています。もちろん、プロモードにて三脚などを使用し、手動でキッチリと適切な設定を行って撮影すれば大幅に画質は向上しますが、手軽ではありませんしね……。
元々、カメラ機能に主軸を置いたスマホではないので、このくらいには撮れるスマホというくらいの認識でいいのかもしれません。
暗所や夜間の撮影は正直、ちょっと苦しい
【ベンチマークアプリで性能をチェックする】
Unihertz Titanのスペック(Antutu benchmarkにて取得)
続いて、Unihertz Titanの性能をテストするベンチマークアプリでチェックしてみました。今回、テストに使用したアプリは定番のベンチマークアプリ、「AnTuTu Benchmark」と「PC Mark」を使用しました。それぞれ3回ずつ計測し、その中間のスコアをランキングと並べて掲載しています。
AnTuTu Benchmarkの計測結果とその周辺スコアのランキング
PC Markの計測結果とその周辺スコアのランキング
本機に搭載されているチップセット(SoC)はMediaTek製のミドルクラス向け「Helio P60」のため、決して高いベンチマーク結果を期待するものではないのですが、それでも「2〜3年前くらい前のハイエンドクラス」とベンチスコア上では並んでいます。
もちろん、これは内蔵メモリー(RAM)や内蔵ストレージなども加点対象となる総合的なスコアなので同列に語ることはできませんが、それでも「現行のミドルクラスのスマホとして十分な数字」ではないかと思います。
個人的にはPC Markのランキングにて昨年発売されたフラグシップ級スペックのコンパクトモデル「AQUOS R2 Compact」に僅差で勝ってしまっているのはちょっと驚きましたが……。
実際に使ってみると、現行のミドルクラス向けSoCに加え、6GBと余裕のあるRAM容量のためか、動作は非常にスムーズでWebブラウザーやSNSアプリも非常にサクサクと動作しています。
ただし、アスペクト比がほぼ1:1というかなり特殊なディスプレイのため、ゲームアプリで遊ぼうとはあまり考えない方がいいかもしれません。というのも、実際にプレイしようとするも画面左右が途切れたり、操作するためのアイコンなどが表示されないなど、アプリ側がこの画面比を想定していないための不都合が多く発生するためです。
【Unihertz Titanを買おう・使ってみたいという人へのチェックポイント】
最後にUnihertz Titanを実際に使ってみたい・購入を考えているという人へ向けた本機の注意点やポイントをまとめておきます。
・このサイズのスマホとしては重量級
Unihertz Titanの本体重量は約303g(メーカー公称値)で、これはスマホとしては非常に重く、手に持ってみるとズシリと感じるはずです。これは本体のフレームに金属を使ったタフネスモデルであるがゆえのポイントとなります。
とはいえ、両手で保持してキーボードを押して使うことになるので、持ってみると意外に気にならないかもしれません。一方、持ち歩くときにスーツやシャツの胸ポケットに入れるという場合はちょっと厳しそうですので、カバンなどに入れたりするほうが良さそうです。
・ゲームアプリは「基本対応していない」くらいのつもりでいること
ゲームモード(登録したアプリ実行中は通知や着信などが出てこなくなるモード)が用意されていますが、ほぼ正方形な画面のためかゲームプレイに支障の出るゲームがあります。もちろん、問題なく動作するゲームもあるので、「遊んでるゲームアプリが問題なくできたらラッキー」くらいの気持ちでいるといいと思います。
デレステ(アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ)ではライブ中のノートと実際に反応するポイントが一致せず、ミリシタ(アイドルマスターミリオンライブ シアターデイズ)ではメインメニュー・ライブの両方で左右がカットされて表示されず、縦STGの「アカとブルー」では左右が黒い帯になりプレイ画面が小さくなるなど、まともに遊べない(遊びにくい)表示になる
・ナビゲーションアプリとの相性は抜群
ほぼ正方形なディスプレイのため、マップ表示における現在位置とその周囲が広く表示できることからナビゲーションアプリや地図アプリとの相性は抜群です。車やバイクに固定しての利用においては他のスマホと比べて、見やすさにおけるアドバンテージがあります。
・キーボードスマホのフォロワーとして合格点レベルのハードウェアキーボード
これは完全に主観ですが、同機は「[[BlackBerry Passport]]」をリスペクトした製品ということで非常に参考にはしているのでしょうし、Unihertzの初のQWERTYキーボード搭載スマホであるにもかかわらず、よくぞここまでクリック感やレスポンス良好なキーボードを載せてくれたと驚くレベルでよく作られています。
長文の入力もいけますし、文字入力アプリも十分に実用できる精度で、BlackBerryタイプのキーボードスマホの愛好家には是非、触って欲しい製品です。もちろん、本家のBlackBerryのレベルにまではまだ追いついてはいないとは思いますが、今後の後継モデルも期待できるくらい十分に仕上がってます。
文字入力アプリを含めて完成度良好なキーボード
【タフネス+QWERTYキーボード搭載という唯一無二なスマホ】
長くなってしまいましたが、プリインストールアプリやベンチマークによる基本的な性能、チェックしておくポイントなどをまとめてお送りしました。
防水・防塵・耐衝撃を兼ね備えたタフネスモデルであり、さらにQWERTYキーボード搭載という多くの人には刺さらないけれども、必ず強く刺さる人が一定数いるスマホなUnihertz Titan。
このサイズのスマホとしては重めの本体重量やほぼ正方形なディスプレイなど、メイン機として使うにはクセのある特徴を持つ製品ですが、それを補って余りある特徴や強みのある1台であると思います。
特にQWERTYキーボードは今では主流ではないですが、それでも文字入力のしやすさ(特に長文)は個人的にも代えがたい特徴ではないかと思われます。
残念なことに新型コロナウィルスなどの影響で一般販売の出荷予定日が延びてしまいましたが、興味の湧いた人には是非是非、手に取って欲しいスマホだと思います。というか、QWERTYキーボードスマホもっと賑わって!
筆者は赤い製品だけでなく、本機のような個性的なスマホも大好きなのです
アプリ名:AquaMozc for Titan
価格:¥1,650円
カテゴリ: 仕事効率化
(引用元:livedoor news)