企画展「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか- が2019年6月7日(金)から日本科学未来館にて開幕する。
■冷凍標本を世界初公開
2005年「愛・地球博」で700万人が熱狂した「ユカギルマンモス」をはじめ、近年ロシア・サハ共和国の永久凍土から発掘された数々の貴重な冷凍標本を世界初公開する、史上最大規模の「マンモス展」。
太古を生きたマンモスが永久凍土から現代に再び姿を現し、「マンモス復活プロジェクト」を通じて生命科学の未来を紡ぐという時空を超えたマンモスの物語は、「生命とは何か」を私たちに問いかけようとしている。
今回の「マンモス展」は、永久凍土から発掘された実物のマンモスの冷凍標本を見るだけでなく、「マンモス復活プロジェクト」を含めた最先端生命科学にも焦点を当てることにより、「過去」「現在」「未来」を繋いでいく、前例のない大きなスケールの展覧会となっている。
なお、作家・クリエイターのいとうせいこう氏が、本企画展の展示構成監修に就任した。いとう氏は、「過去」「現在」「未来」をつなぐ「マンモス展」の展示構成のナビゲーションを行う。そして、音声ガイドやオフィシャルプログラムにも登場する。
■展示構成監修いとうせいこうさんのメッセージ
「地球温暖化で永久凍土から古生物が出てきつつある。私もシベリアへ取材に行ったが、数万年の時を経たとは信じがたいものばかりだった。今回なんと日本でそれらを見ることができる。
折しも近畿大学生物理工学部で採取されたマンモスの細胞核が、他生物の細胞の中で生物学的活性を示したというニュースもあったばかりで、私たちはその事実の行方もしっかり見つめたい。
その上で、マンモスが蘇るという人類的な物語、あるいはマンモス自身が氷の中で見ていたかもしれない夢を、来場者の皆さんと共に多角的に想像したいと思う。それは人間の未来を占う貴重なきっかけになるでしょう。」
展示構成監修:いとうせいこう(作家・クリエイター)
■【過去】紀元前5万年〜 マンモス、太古の記憶
太古の時代、マンモスはどんな環境で、どんな暮らしを送っていたのだろうか。人類とのかかわりはあったのだろうか。そしてマンモスはなぜ絶滅してしまったのだろうか。マンモス、そして同時代に生きた生物の骨格標本などの数々の貴重な展示物を通じて、彼らが生きた太古の地球の姿を明らかにしていく。
■【現在】西暦2018〜2019年 永久凍土で待つもの
近年の気候変動の影響もあり、サハ共和国の永久凍土からは状態の良いマンモスなどの古生物の冷凍標本が次々と発掘されている。本企画展が2018年にロシア北東連邦大学北方応用生態研究所と編成した発掘調査隊が、雄大なシベリアの大地で目の当たりにした永久凍土の今。そして彼らの発見を含む世界初公開となる貴重な冷凍標本の数々を、本企画展のために制作された史上最大級の冷凍展示室で見てみてはいかがだろうか。
注目は4月の発表後、世界的にも驚きのニュースとして報道された「仔ウマ」の冷凍標本。調査・解剖の結果、約42,000年前の個体であり、世界唯一の古代ウマの「完全な遺体」であることが判明し、古生物学史上初となる「液体の血液と尿」の採取に成功した。その世界的な新発見となった「仔ウマ」完全体冷凍標本が、企画展「マンモス展」で世界で初公開・初展示される。
2015年に見つかった仔イヌの遺骸は12,450年前に死んだ生後約3か月の仔イヌで、保存状態は大変良好。オオカミからイヌへの途中の顔立ちに注目しよう。
そして、9,300年前の「ユカギルバイソン」。胃の中の消化物から、当時の環境が解明された。
さらに、世界初公開の約1,600年前の「ライチョウ」の完全個体は、その羽毛に覆われた部分も残っている。今後研究が進めばニホンライチョウとの親戚関係が分かるかもしれない個体だ。
- 1
(引用元:livedoor news)
0