歌舞伎座(東京・銀座)の真裏に佇むギャラリー「Art Gallery M84」は、2018年11月5日(月)より写真集発売記念 林敏弘写真展「風と光の記憶」〜モノクローム・ピンホール写真〜を開催する。
今回の作品展は、Art Gallery M84の第79回目の展示として実施する個展だ。林敏弘氏は、日本におけるピンホール写真の第一人者Edward Levinson氏に感化されて写真を撮り始めた。今までにフランスやイタリアでの展示やNYで個展開催の経験があり、海外にも作品が収蔵されているピンホール写真芸術学会理事でもある。1998年秋から撮影してきた今までのモノクローム作品の集大成とした写真集をヴィッセン社から出版(10月発売予定)するのを記念して、それらの作品を作家自身がゼラチンシルバーでプリントした約40点を展示する。
1枚の写真が将来にわたって多くの人に「記憶」されることを願って、出逢った光景を素直な気持ちで1枚1枚を大切に撮った芸術作品となっている。ゆったりと流れる時間が写り込み、人の心を癒してくれるような魅力的作品を楽しむことができる。
※写真集「風と光の記憶」林敏弘著、前田朋編集(ヴィッセン出版)も会場にて販売される。
●作家からひと言
ピンホールカメラはレンズの代わりに小さい穴が前面に開いていて、そこから入る微かな光でフィルムなどの感光体に画像を作るカメラです。1枚撮るのに晴天の戸外で10数秒から数分露出にかかります。屋内や夜景では数十分から数時間かかることもあります。更に私の使うピンホールカメラは、ただの木製の箱でファインダーもありませんから画面構成も全く勘てです。とても不便なカメラで、加えてその後に面倒な暗室での現像やプリント処理を経て、やっとどんな写真が撮れたのか分かるのです。そんな不便なカメラを使い続けている理由には以下のエピソードがあります。
秋の夕方、初めて作ったピンホールカメラを持って地元船橋の港にテスト撮影に行きました。翌日現像すると大半は失敗でしたが1枚は助かっていました。その画像を見た瞬間に強い衝撃を受けました。その写真とは今回発売する写真集の表紙にした「Sunset Bay (夕陽の港)」です。以前から何度もレンズカメラで撮っている場所でしたからピンホール写真の違いが、直ぐに分かったのです。「なんと気持ちの良い光の柔らかさだろう。露出に数分掛かったからか、雲も光も流れているし、ボートも揺れてぼけている。だからこそ、あの場所のあの時の空気、風や夕陽の暖かさや音までも再現している。こんな写真は見たことが無い」真に純粋で透明な感動でした。大げさに言えば、私の人生を変えてしまった1枚なのです。
その後、今日に至るまでピンホールカメラで作品を撮っています。対象は地元船橋の風景が多いですが、旅先の風景もあります。基本的には、出逢った一期一会の風景を素直に感じて、写真に表現することを目指しています。いつもの見慣れた道でも、その時の光や状況で心に感じる時があります。それを写真に留めようしています。演出や加工はありません。これまでの集大成として、時間をかけてまとめました。概ね 15、6年間のモノクロームフィルムからセレクトした1枚1枚から何かを感じて頂ければ幸いです。
ピンホール写真家 林 敏弘
Art Gallery M84では、「アートを展示する場、鑑賞する場、作品を購入できる場」にとどまらず、アートを楽しみ、アートを通じての自己表現を志す方々が集える場所、アートの可能性を広げていく拠点になることを目指している。プロ・アマを問わず、幅広く作家を紹介する企画を開催していくとしている。
■写真展概要
名 称 : 写真集発売記念 林敏弘写真展「風と光の記憶」〜モノクローム・ピンホール写真〜
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(引用元:livedoor news)
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