カブドットコム証券は2018年8月7日に都内の会場で発表会を開催し、同社が提供しているkabu.com APIの基盤を刷新し、OAuth2.0認証方式によるセキュリティ強化を行うとともに、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用したと発表した。
■AWS採用の理由
同社の代表執行役社長である齋藤正勝氏は、MUFGが掲げる「クラウドファースト」の戦略に基づいてAWSを導入したと紹介。「自社で運用をしてきたが、セキュリティや開発を考えると苦しくなってきた。このためクラウドファーストで取り組むことになった」と齋籐氏。
カブドットコム証券代表執行役社長 齋藤正勝氏
また同社の親会社に当たる三菱UFJモルガンスタンレー証券に同社のシステムである「RAIDEN」の機能の一部を提供しており、システム会社的な側面も持つ同社だが、RAIDENを証券会社以外にAPIとして2012年より提供しているという。
「ただし日本の証券会社には参入障壁がある。SBIは野村証券、楽天は大和証券のシステムを使っている。異業種参入としてフィンテックの企業が入っているが、オープインイノベーションは無理がある。そのような中で、APIを提供しているのは当社しかいない。証券ビジネスに安く参入できれば、貯蓄から資産形成が加速できる。参入しやすくするためにはオープンな環境が必要」(齋籐氏)。
■今後の展開は?
今後の展開だが、WebサーバをAWSに移行するとともに、BCPセンターを大阪リージョンに移行するとのこと。「コールセンターなどのレガシーな部分もクラウド化に取り組んでいく」と齋籐氏は語った。
三菱UFJフィナンシャル・グループ執行役専務 グループCIO兼グループCDTOである亀澤宏規氏は、デジタライゼーション戦略が今後は重要だとしながら、重要なキーワードとしてオープンイノベーションを挙げる。
「新しいAPIを通じて、我々がリーチできなかったお客様にリーチする、提供できなかったサービスを提供することでブルーオーシャンが見えてくる。そしてクラウドファーストがキーワードなので、AWSを採用したことは重要。さまざまな取り組みを進めて、グループ全体として進めていく」とあいさつした。
三菱UFJフィナンシャル・グループ執行役専務 グループCIO兼グループCDTO 亀澤宏規氏
■12年目を迎えたAWS
アマゾン ウェブ サービス ジャパン代表取締役社長である長崎忠雄氏は、2006年にスタートしたAWSが12年目を迎えたことを紹介。AWSについては、「従来であれば初期投資が必要で、買ったあと減価償却のために五年間塩漬けにして、進化しない物を使う状況から、常に進化し続け、使った分だけ支払、コストを安く、経営に対してスピードを提供できるということで、あらゆる業界、さまざまなワークフローで利用されている」と語る。
「業界を破壊的に変えるようなテクノロジが出てきている。UberやNetflixはクラウドを使うことで急成長した。ビジネスのあり方をよりよい物にするためのバックボーンとしてAWSを使っている。APIを使うことで垣根をなくすという考えにワクワクしている。今後は金融業界もイノベーションが進むと思うが、カブドットコム証券がパイオニアとしては知っていくことを期待している」(長崎氏)。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン代表取締役社長 長崎忠雄氏
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(引用元:livedoor news)
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