スタンドアローン型VR HMD「Oculus Go」を買ったので紹介! |
既報通り、Facebook傘下のOculus(以下、オキュラス)が税込23,800円からという驚異的に安価なスタンドアローン型のVRヘッドセット「Oculus Go」を販売開始しました。
Oculus Goは昨年に発表されていましたが、Facebookの開発者向けイベント「F8 2018」の基調講演にて販売開始が案内され、現地時間5月1日(日本時間5月2日深夜)より日本を含む各国で購入できるようになりました。
筆者も基調講演の間に直販Webサイトにて64GBモデルを注文し、2日後の5月4日には香港から手元に届きました。もちろん日本で利用するための認証(いわゆる「技適マーク」)などはクリアされています。
筆者は他のVRデバイスも所有しますし、アプリ開発もしていますが、ここでは少し一般向けに「Oculus Goは何か」や「何ができるのか」などをVR初心者の方でも理解しやすいような解説を交えてレビューしたいと思います(※なので、VRに詳しいよ!という方は既知の部分は読み飛ばしてください)。
【Oculus Goってなに?】
簡単に言えば、5.5インチディスプレイを内蔵し、立体で観れるヘッドマウントディスプレイ(HMD)です。ディスプレイは約5.5インチQHD(2560×1440ドット)液晶で、片目ごとに1280×720ドットの2つ表示されて3次元映像を視聴できるようになっています。
VRヘッドセットには「Gear VR」のようにスマートフォン(スマホ)を装着して使うもの、「HTC Vive」のようにパソコン(PC)と繋いで使うもの、「Playstation VR」のようにゲーム機(Playstation 4)と繋いで使うものがありますが、Oculus Goはそれだけで単体で使えるためスタンドアローン型に属します。
そのため、Oculus Goは内蔵スピーカーやバッテリーなども装備し、専用のコントローラーも付属します。その他、同梱品はUSBケーブルとメガネ干渉防止用パッド。なお、充電器は付属してないので手持ちのUSB充電器を流用してください。
Oculus Go本体
Oculus Go付属のリモコン
バッテリーは映像で2時間半、ゲームで2時間持ち、給電しながらも使えます。実際に使ってみて体感的にもそれぐらいはもつことを確認しました。充電・給電はmicroUSBで行い、満充電まで3時間かかります。その他、無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth、マイクも装備。
チップセット(SoC)は2年前のハイエンド向けQualcomm製「Snapdragon 821」、32GBまたは64GBのストレージを内蔵し、OSはAndroid 7.1(開発コード名:Nougat)ベースで動作します。スペック的にはは少し前のハイエンドスマホと同じといって良いでしょう。
なお、ストレージの追加はできず、直販Webサイトでは価格が32GBモデルで23,800円、64GBモデルで29,800円となっています(ともに税込かつ送料込)。製造は中国のスマホメーカーであるXiaomiが行っているようで、なんとXiaomiのロゴも付いていました。
外観はプラスチック主体で決して高級には見えませんが、シックなグレーも相まって安っぽさは感じません。方向は顔の横や縦の移動を検知して画面が動き、コントローラーでゲームやメニューの操作ができます。
少し前から海外の展示会では価格が199ドルから販売することや2018年に発売されることは予告されおり、実機を触れることができるようになっていましたが、5月という早い時期での発売は予想外でした。
購入したOculus Go本体と付属リモコン
【Oculus Goの何がすごいの?】
Oculus Goの最大の特徴はもちろんスタンドアローン型で価格が安いことですが、それだけではありません。従来のHMDは一番身近なPlaystation VRもゲーム機と本体をケーブルでつなぐ必要がありました。他のハイエンドHMDも高いスペックのPCへの接続が必要でした。
それらは体験はすごいけれど、楽しむまでの手間も費用もかかります。Oculus Goはケーブルがありません。VRを楽しむにはただ“かぶる”だけ。かぶったかどうかの検知センサーがあり、スイッチを押さなくても自動で起動します。
Oculus Goさえあれば、新幹線でも飛行機でも自分だけの世界へ。
なお、ハイエンドのVR HMDは空間を移動したりコントローラーを使ってものを掴んだりできますがOculus Goではできません。簡単なVR、ゲーム、映像などを楽しむのがメインですがその分、手軽、モバイル、使う環境を選びません。
Oculus Goを実際に使ってみたところ
【どんなコンテンツで楽しめるの?】
セットアップも簡単でAndroidまたはiPhoneなどのiOS向けアプリから設定できます。セットアップした後は、専用の「Oculus Store」から無料・有料のコンテンツをインストールします。
現在約1000程タイトルがありますが、まだ多くが英語です。本格的なシューティング、アドベンチャーゲームも有ります。VRではないですが、Netflix( https://www.oculus.com/experiences/go/890562797701371/ )は日本語対応しており、仮想80インチの大画面で映像も楽しめます。
残念ながらAmazon プライム・ビデオはアプリはあるのですが、日本ではHuluとともに利用不可です。なお、Androidベースですが、メニューは独自のものとなっており、アプリ配信マーケット「Google Playストア」には対応しません。
【個人的に「良かった点」と「うーんという点」】
まず感じたのは「安い、軽い、楽!」ということです。使用歴はまだ2日程度ですが、使うまでのハードルが低いとこんなにVR HMDが身近になるものか?!と思いました。
またバンドにスピーカーが内蔵されているのもポイント。1人ならヘッドホンをつながなくても良いのでさらに楽です。これにはもう1つメリットがあり、家族などに声をかけられても聞き取れるというがあります。
ただし、音漏れはしますし、もちろん没入感はイヤホンやヘッドホンを使った方が良いですので、そういった場合にはイヤホンやヘッドホンを使ったほうが良いでしょう。ただし、アナログイヤホンジャックはありますが、今のところはBluetoothヘッドホンは使えません。
バンドやクッションも決して高級素材ではないですが、装着感は極めて良好です。またレンズまでのカップが深いせいかメガネかけたままでも私は問題ありませんでした。
画質はそれなりです。ハイエンドVR HMDには敵わないといった印象です。一方で、私感では手持ちのGaraxyを装着して使うGear VRよりは少し良いように思いました。時折、液晶の線が見えますが、没頭していればそれほど気になりません。明るさも充分です。レンズの端で少し歪みを感じますが許容範囲内かと思います。
まだそれほどたくさんコンテンツを購入したわけではありませんが、うーんという点では「これは!」と思うような“キラーコンテンツ”がまだないと感じます。Playstation VRやOculus Rift、HTC vibeなどではゲームや仮想デスクトップ、VR Chatなどの「これぞ未来!」というものがあるのですが、Oculus Goでは今のところは見つかっていません。
その他、ホーム画面などの作り込みもまだまだ足りないと感じる点も多く、今後のアップデートを強く望みます。ただAndroidベースで開発が容易なこと、本体が安価なので普及すればそれだけ対応するコンテンツが増えると予想されます。
VRカメラが流行していることからも今後、コンテンツは増えるでしょう。DMMもプレイヤーアプリを出していますのでお好きな方はそちらもどうぞ。またVtuberがどんどん動画を出してくるでしょうし、同じ空間にいるように楽しめるようになるのも楽しみです。
【Oculus Goは買いなの?そうでないの?】
短い時間のレビューと解説をしてきましたが、端的に「買いか?そうでないか?」と言われたら、まずスマホで一般に売ってる安価なVRヘッドセットをかけて楽しむのとはまったくレベルが違うと思ってください。それに不満を感じているなら「悩むことなく買い!」です。
だんだん増えていくだろうコンテンツ、整備される環境なども楽しいと思います。ですが、Oculus Goは今のところVRガジェットで、先行するPlaystation VRやOculus Riftなどと比べるとコンテンツがありません。急いで買わずに目当てのコンテンツが登場してきてからでも良いでしょう。
技術的にもVRを楽しむのに「これが良い!最先端!」というより「これでイイ充分!」というマシンです。安いといっても格安スマホが買える値段。もしも近未来を体験したいなら試してみての購入をオススメします。
最後に言い忘れました。VRコンテンツは容量が大きいです。たくさん持ち歩きたいなら64GBモデルの方をオススメします。目安としてはオキュラス公式には32GBモデルでHD映画が3本またはゲームが10本、アプリが20本、64GBモデルならHD映画が7本またはゲームが20本、アプリが40本としています。
それでは良きVRライフを!
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(引用元:livedoor news)
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