ソニーは好調ながらスマホ事業は不調。2017年度業績を発表 |
ソニーが都内にて「2017年度 業績説明会」を4月27日に開催し、2017年度第4四半期(以下、Q4)および2017年度通期の決算内容を公開し、子会社のソニーモバイルコミュニケーションズやソニーネットワークコミュニケーションズが手がけるモバイル・コミュニケーション(MC)分野は通期で最終赤字となったとのこと。
なお、ソニー全体では売上高および営業利益がQ4において1兆9,510億円(+2.5%)および222億円(-76.5%)と増収減益となりましたが、通期では8兆5,440億円(+12.4%)および7,349億円(+154.5%)と増収増益となっています。
これはMC分野以外のゲームや映画、音楽、ホームエンターテイメント、半導体、金融などの分野が軒並み好調だったことにより、所有する音楽配信サービス「Spotify」の株式上場やゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」などの影響が大きいということです。
なお、MC分野の不調の原因でもある同社のスマートフォン(スマホ)「Xperia」シリーズの販売台数が減少している点については2018年1月以降の販売状況や事業環境の変化を踏まえて将来見通しを下方修正しており、2018年度はさらに販売台数が減る1000万台の計画となっています。
さらにこのことから将来キャッシュフローが減少する見通しとなったため、減損計上をしたことによって赤字となっていますが、ソニーとしては次世代通信規格「5G」を非常に重要だと認識しており、近い将来にさまざまな機器に搭載されるため、ソニーグループとして5Gに積極的に取り組むためにも通信の核となるスマホなどのMC分野は継続していくとしています。
デザインが刷新された最新フラッグシップスマホのXperia XZ2は販売不調の模様
MC分野における2017年度の売上高および営業利益はQ4が1,530億円(+1.9%)および-446億円(-193%)、通期では7,237億円(-4.7%)および-276億円(-271%)となっています(括弧内は前年同期比または前年度比)。
通期見通しでは売上高7,400億円および営業利益50億円と前年度比では減収減益ではあるものの、黒字となる見込みでしたが、最終的に2017年度通期では前年度比で売上高-354億円および営業利益-378億円と減収減益かつ赤字となりました。
内容としては2017年度通期では為替影響やオペレーション費用削減といったプラス要因があったものの、スマホの販売台数減少や固定資産の減損損失の計上(-313億円)、主要部品の価格の上昇によって大幅な減益となり、昨年度に一旦は黒字化しましたが、2017年度は再度赤字となってしまいました。
さらに2018年度見通しでも収益構造の改善に向けたさらなるスマホの販売台数の絞り込みによって販売台数が減少を計画していますが、一方でオペレーション費用をより削減することや前年度において固定資産の減損損失を計上によって赤字幅は減る見込みとなっています。
2018年度見通しはソニー全体では売上高および営業利益は8兆3,000億円(-2.9%)および6,700億円(-8.8%)、MC分野では6,400億円(-11.6%)および-150億円(+45.7%)という計画です。なお、スマホの販売台数は以下の通り。
年度 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 通期(合計) |
2015 | 720万台 | 670万台 | 760万台 | 340万台 | 2490万台 |
2016 | 310万台 | 350万台 | 510万台 | 290万台 | 1460万台 |
2017 | 340万台 | 340万台 | 400万台 | 270万台 | 1350万台 |
2018 | – | – | – | – | 1000万台 |
すでに2018年に入ってから3月より「Xperia XZ2」や「Xperia XZ2 Compact」が販売されており、さらに4月に同社初のデュアルカメラ搭載スマホ「Xperia XZ2 Premium」が発表されていますが、今後の見通しを下方修正したということはXperia XZ2やXperia XZ2 Compactの販売はあまり好調ではないのではないかと予想されます。
ただし、ソニーでは今後のスマホ事業の方向性を考える上で、近い将来に商用化が見込まれる5Gの重要性は高く、高速通信・低遅延・同時多接続などの特徴によってすべての携帯電子機器をネットワークやクラウドに接続する可能性を秘めたポテンシャルの高い技術と認識しているとしています。
そのため、5Gを基礎研究からアプリ応用まで行うためには高い技術力を社内に持つ必要があり、ソニーがスマホ事業を継続することで5Gに積極的に取り組み、ソニーグループ全体で活用できる重要技術へと高めていく必要があると、決算説明会に登壇したソニー代表執行役 EVP CFOでMC分野のトップを務める十時裕樹氏は説明していました。
2014年11月よりソニーモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長兼CEOを努め、今年4月からはソニー執行役 EVP CSOから代表執行役 EVP CFOに昇格した十時氏
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・Sony Japan | 決算・業績説明会 | 2017年度 連結業績概要(PDF)
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(引用元:livedoor news)
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