フラッグシップスマホ「HTC U11」のSIMフリー版(ソーラーレッド)をレビュー! |
既報通り、HTC NIPPONがフラッグシップスマートフォン(スマホ)「HTC U11」(HTC製)のSIMフリー版を2018年3月16日(金)に発売しました。価格は税別69,000円(税込74,520円)で、公式Webストア「HTC e-shop」のほか、一部の仮想移動体通信事業者(MVNO)で販売されています。
HTC U11は昨年7月にau向け「HTC U11(型番:HTV33)」とSoftBank向け「HTC U11(型番:601HT)」が発売されていましたが、新たにクリスマスキャンペーンとして同社の公式Twitterアカウントのフォロワー数が目標に達したため、SIMフリー版が販売されることになりました。
SIMフリー版はauやSoftBankからは販売されていなかった本体カラー「ソーラーレッド」が日本では限定色として販売されていることも特徴となり、auなどの日本向けと同様におサイフケータイ(FeliCa)にも対応したSIMフリーハイエンドスマホとして注目に値する製品となっています。
そこで今回はもうすぐ夏モデルが発表されるタイミングではありますが、このHTC U11のSIMフリー版ソーラーレッドを実際に使ってみましたので、外観や使用感などを中心に写真を交えて紹介したいと思います。
HTC U11のSIMフリー版を起動したところ
HTC U11は2017年前半のHTCのフラッグシップスマホで、約5.5インチWQHD(1440×2560ドット)SuperLCD5ディスプレイやQualcomm製オクタコアCPU「Snapdragon 835」、4GB内蔵メモリー(RAM)などを搭載し、防水・防塵にも対応したハイエンドモデルです。
ここ最近の他社の新製品では縦長画面が主流になっているため、従来通りのアスペクト比9:16の画面がやや横幅があるように見えますが、ディスプレイの下中央には指紋センサーを兼ねたホームキーを搭載しており、さらに独自の握って操作する「エッジセンス」に対応するなど、操作性は高いと思われます。
HTC U11(ソーラーレッド)の背面
そして何と言ってもSIMフリー版の魅力のひとつが日本ではau向けやSoftBank向けにはなかったソーラーレッドである点でしょう。
HTCと言えば“レッド”を思い浮かべる人も多い同社の人気カラーですが、なぜかHTC U11 HTV33やHTC U11 601HTは他のアメイジング シルバーおよびブリリアント ブラック、アイス ホワイトの3色だけとなっていました。
デザインとしては前面・背面ともにカーブエッジになった3Dガラス「Gorilla Glass 5」(Corning製)を採用し、側面は滑らかな曲面フォルムで丸みのあるデザインとなっており、超高温で熱したガラスを高い圧力をかけて湾曲させる高度な技術により生み出され、ユニークな「全方位対称フォルム」を形成しているとのこと。
HTC U11の左側面
特に背面は“液体”をイメージした滑らかな「リキッド・サーフェイス」をテーマとしており、屈折率の高い希少な素材を幾重にも重ねて実現した光学スペクトル・ハイブリッドカラー技術によって光を反射して2色が入り混じった色合いを生み出すようになっています。
ソーラーレッドは見る角度や光の当たり具合によっては少しピンクがかったり、赤紫がかったりするような色合いにも見え、鏡面仕上げのガラスボディーが魅力だと思われます。なお、ミラーのような仕上げだと指紋が目立つケースもありますが、色が赤で少し濃いこともあってそれほど目立たないのも良いのではないでしょうか。
HTC U11の右側面
本体正面向かって左側面には何もなく、右側面には電源キーや音量上下キーが配置されています。スクリーンショットの撮影はAndroid標準で電源キーと音量下キーを同時に長押し、撮影時の音は消せないようになっています。
撮影した画面の画像は「\Pictures\Screenshots」フォルダー内に「Screenshot_20180204-035500.png」のように保存され、ここ最近の他社であるようなスクロールが必要な縦長の画面をまとめて1枚の画像として保存できる機能や撮影直後に手書き文字を挿入したりする編集機能などはありません。
HTC U11の上側面
HTC U11の下側面
上側面にはnanoSIMカード(4FF)とmicroSDXCカード(最大256GBまで)のスロットおよびセカンドマイク、下側面にはUSB Type-C端子(USB 3.1 Gen 1)とスピーカー、受話用メインマイクが配置されています。なお、マイクは背面の下部中央にノイズ抑制用のフォースマイク、ディスプレイの上にあるフロントカメラの左側にサードマイクも搭載。
センサー類は同じくディスプレイの上にある環境光センサーおよび近接センサーのほか、モーションGセンサー、コンパスセンサー、ジャイロセンサー、ホールセンサー、センサーハブ、指紋センサー、エッジセンサーを内蔵。ディスプレイの上にはさらに通知LEDライトや通話用スピーカーも配置。
外部スピーカーは本体上下に配置された「BoomSound」対応のステレオとなっており、音質が調整できる「HTC U Sonic」を搭載。さらにノイズキャンセリングイヤホンが同梱されているなど、従来通り、音にも注力しているHTCのスマホならではの機能が多く搭載されています。
HTC U11のSIMフリー版における付属品一覧
3.5mmイヤホンマイク端子が廃止されているため、有線イヤホンを利用するには付属のUSB Type-C端子からの変換アダプターを利用
付属のSIMピンは「HTC」のロゴで切り抜かれたもの
SIMカードとmicroSDカードを装着
サイズは約154×76×8.3mm、質量は約170gと、5.5インチサイズとしては若干重いようにも思いますが、持った印象としてはそこまでずっしりする感じではなく、5.5インチサイズが大きすぎるということでなければ問題なく使えるでしょう。
HTC U11を持ってみたところ。エッジセンスを使うには若干持ち替えてしっかり握る必要がある
サイズ比較で左から同じ5.5インチのiPhone 6 Plus、HTC U11、4.7インチのiPhone 8
HTC U11のSIMフリー版の最も大きな特徴となるのが、SIMフリーでは珍しいおサイフケータイ(FeliCa)に対応していることと高性能であることが両立している点でしょう。
おサイフケータイは「モバイルSuica」や「楽天Edy」、「QUICPay」、「Mobile Starbucks Card」などの主要サービスが利用可能。またauやSoftBank向けと違ってそれぞれの通信事業者向けアプリがプリインストールされておらず、アプリ一覧がすっきりしているのも嬉しいという人が多そうです。
アプリ一覧画面(画像=左)とおサイフケータイアプリ(画像=右)
握って操作できるエッジセンスはHTC U11から導入された独自機能で、以前はシャープの「AQUOS」シリーズでも似たような機能がありましたし、特別便利というわけではないですが、ちょっとしたことができるという意味であると便利というケースもありそうです。
例えば、最初に設定すると、カメラが起動するようになっていますが、ランチャー「Edge Launcher」にすればアプリが起動しやすくなりますし、地味に「通知ドロワーの拡張/縮小」(通知エリアの表示・表示)や「スクリーンショット撮影」あたりは少なくとも筆者は便利だと感じました。
なお、初期状態ではエッジセンスを握って利用すると画面に“握られた”感じを表すアニメーションやバイブレーションが設定されていますが、どちらもオフにすることができます。
エッジセンスの設定画面(画像=左)と「Edge Launcher」画面(画像=右)
エッジセンスで握って起動できる機能・アプリ一覧
一方でSIMフリーということで通信面が気になりますが、さすがにauとSoftBankから同じハードウェアで販売されていただけあり、さらにNTTドコモを含めた日本の移動通信体事業者(MNO)の回線でしっかりと利用できるようになっています。
なお、au回線ではau VoLTEに対応したSIMカードが必要で、これはMVNOでも同じなので、mineoなどのau回線のサービスを利用する場合には、au VoLTEに対応したSIMカードにする必要があります。
au VoLTEに対応したSIMカードを装着すると、mineo(au)やIIJ、UQ mobile、QT mobile、KDDI、JCOMといったアクセスポイント(APN)がプリセットされているため、選択するだけで良くなっていて少なくとも試した限りではmineo(au)では選べばすぐに通信できるようになりました。
ちょっとわかりづらいのはNTTドコモ回線のSIMカードを装着した場合で、NTTドコモのspモードならプリセットされている「DOCOMO」というAPNを選べば良い点。別に「mopera U」や「mopera U open」もあるため、名称を「spモード」あたりにしてくれたほうがわかりやすかったかもしれません。
なお、高音質通話サービス「VoLTE」は他のNTTドコモやソフトバンクの回線でも利用可能で、4波のキャリアアグリゲーション(CA)にも対応しており、対応周波数帯は4GのFDD-LTE方式でBand 1および2、3、4、5、8、11、12、13、17、19、21、26、28、TD-LTE方式でBand 38および41、3GのW-CDMA方式で1および2、4、5、6、8、19、2GのGSM方式で850および900、1800、1900MHz。
プリセットされているAPNの一部
その他の仕様としては3000mAhバッテリーや64GB内蔵ストレージ、2.4および5.xGHz対応でIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth 4.2、NFC Type A/B、位置情報取得(GPS・A-GPS・GLONASS・Beidou)、AirPlay、Miracast、DLNAなど。急速充電「Quick Charge 3.0」にも対応。
OSは最新の「Android 8.0(開発コード名:Oreo)」が提供されています。実際に操作するとさすがに高性能なフラッグシップスマホだけあって非常に快適で、タッチパネルの感度も悪くなく、最高峰のAndroidを体験できると思います。参考までにベンチマークの結果も掲載しておきます。
空きRAMは約1.8GB(画像=左)、空き内蔵ストレージは約7.79GB(画像=右)
認証情報(画像=左)とソフトウェア情報(画像=右)
ベンチマークアプリ「GeekBench 4」の結果
左がベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」、右がRAMやストレージの速度を計るアプリ「A1 SD Bench」
最後にカメラ機能について紹介しておきますが、リアカメラはF1.7レンズと約1200万画素裏面照射型CMOS「HTC UltraPixel 3 with 1.4μm pixel」を搭載し、画素数を抑え、1画素を大きくすることによって明るくノイズの少ない写真が撮影でき、発表直後のカメラ評価「DxOMark」では最高得点となっていました。
その後、昨年後半から今年にかけてデュアルカメラのiPhone XやPixel 2 XL、HUAWEI Mate 10 Pro、Galaxy Note8、Galaxy S9+、トリプルカメラのHUAWEI P10 Proなどがより高得点となっていますが、少なくとも昨年の前半ではデュアルカメラのiPhone 7 Plusなどを抑えての最高点でしたし、現在でもPixel 2やvivo X20 Plusなどと並んで90点で11位となっているのでかなり評価が高かいものと思われます。
筆者は写真の腕がいまいちなので参考になるのかわかりませんが、何枚かだけ作例を掲載しておきます。なお、フロントカメラはF2.0および約1600万画素裏面照射型CMOSとなっており、高画素でセルフィーなどが撮影できるようになっています。
このように発売時期が遅かったのが残念な点ですが、今から購入しても2年使うのは問題ないくらいの高性能ですし、おサイフケータイや防水・防塵でSIMフリーが良いという場合には唯一無二の製品といって良いのではないでしょうか。
カメラアプリのファインダー画面
カメラアプリの設定画面
少し処理が難しそうな朝焼けの中の屋外写真例
蛍光灯下の花の写真例
白熱灯下の食事の写真例
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(引用元:livedoor news)
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