「最終的な決断は・・・」西野朗氏が明かしたW杯ポーランド戦の″パス回し″

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NHK・BS1では「激白!西野朗×岡田武史 サムライブルーの未来」(2日放送分)と題し、昨年行われたロシアW杯で日本代表監督を務めた西野朗氏と元日本代表監督・岡田武史氏によるW杯の”検証対談”を放送。番組では西野氏がポーランド代表戦における”パス回し”についても語っている。

2018年6月28日のW杯グループリーグ第3戦、日本代表は0-1でポーランドに敗れるも、フェアプレーポイントの差でセネガルを上回り決勝トーナメント進出を決めた。だが、ポーランド戦における日本代表は、試合終盤に勝利を放棄。他会場の結果に決勝トーナメント進出を委ね、追加点を許さぬようパス回しに徹したことで物議を醸した。

岡田氏から「いいたいこともあるでしょう」と話を振られた西野氏は、まず6人を入れ替えた同一戦の先発メンバーに言及。
「自分の中ではベスト16に対する戦いをイメージしてるところがあったんで、この試合の前までは」という西野氏は、「ワールドカップの1試合、2試合をやった選手達の疲労度、ダメージ度って国内で1試合、2試合やるのとは全く違う」と説明。この先の戦いを見据えての判断とした。

また、ラスト10分間で行われたボール回しについて、「まず0-1の状況の中でこのままとは当然思わないですし、同点に追いつくための戦略、メンバーチェンジっていうことがよぎってるし、猶予はない」と前置きした西野氏は、「バックアップの本田(圭佑)に対する、あのシリーズの切り札だったので彼を強くアップさせるっていう中で他会場の結果が動いた。テグ(手倉森誠氏)が『動きました』と(報告してきた)」などと刻一刻と変化する当時の状況を説明した。

日本代表はフェアプレーポイントの差で勝ち上がる結果となったが、この点については、「ミーティングの中でも最終的にポイントで勝ち上がるとは(選手に)伝わってない。逆にそれで消極的になったりしたくもない」と話した西野氏。「ただ日本チームが同点に追いつく力が、総合力が、攻撃方向に皆振れて果たして行けるかどうか」などと考えたという。

さらに西野氏は、後半29分、レバンドフスキに決定的なシーンを作られたプレーを挙げると、「それがよぎっている自分もあって10分間の最終的な決断したのはこの入らなかったシーンがよぎっている。中途半端に攻めて逆にこういう状況をもう一回作られて最悪0-2になったら、それはそれで全てがなくなる」と回顧。その上で「なぜか長谷部(誠)を呼んでいる」とも。

「ベンチにいた長谷部を横に置いて、自分の思い、フェアプレーポイントで決することもあるんでそれも(ピッチ上の選手達に)伝えろと。選手は恐らく知らなかった。苦しいけど負けている中だけど逃げる」と続けた西野氏は、「16チーム勝ち上がった中で日本チームだけだったと思う。ピッチ上で喜びを爆発させられない状況になった」と苦々しい顔つきで振り返った。

すると岡田氏は、「僕らの仕事はある意味答えのないことを決断すること」とフォロー。「ギャンブルっていうのは勝つか負けるかだけで、どっちが正しいか間違いじゃないかじゃない。負けた人に限って正しいのはこういう手のはずなんだっていうんだよね。正しいか間違いかじゃない。西野さんはあの場にいて直感で決めるわけだから直感で何かを感じてああやって決めて結果勝った。それが全て」と西野氏の采配を尊重した。

その一方、西野氏は「翌日報道陣から『そういう(物議を醸す)状況が日本ではすごくあって、子供達が夢を失っていたり、サッカーの道を断念したりっていう気持ちにならないですかね、ああいう試合をやって』っていうことをいわれると・・・」と再び顔をしかめると、岡田氏は「鈍感な西野さんでも感じるの?」とおどけてみせた。

(引用元:livedoor news)

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