AppleがARMベースの独自SoC搭載Macを年末までに投入!iOS・iPadOSアプリが動作し、2年で移行予定。次期m…

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Appleが脱Intelへ!独自SoC「Apple Silicon」を搭載したパソコンを年内に発売


Appleは22日(現地時間)、アメリカ・カルフォルニア州クパチーノにある同社本社から開発者向けイベント「WWDC 2020(Worldwide Developers Conference 2020)」の基調講演「Apple Special Event
June 22, 2020」( https://www.apple.com/apple-events/june-2020/ )をオンライン中継にて開催しました。なお、WWDC 2020は現地時間(PDT)の2020年6月22日(月)から6月26日(金)までオンラインにて実施されます。

その中でパソコン「Mac」シリーズ向けのプラットフォーム「macOS」の次期バージョン「macOS Big Sur」を発表し、デザインを再設計したほかWebブラウザー「Safari」にはカスタマイズ可能なスタートページやエレガントに設計されたより強力なタブ、すばやく簡単な翻訳、新しいプライバシーレポートなどの新機能が追加されます。

開発者向けベータ版が同日から提供開始され、一般ユーザー向けベータ版が7月から、正式版は今秋に提供予定で、アップデート対象機種はMacBook(2015)以降およびMacBook Air(2013)以降、MacBook Pro(2013)以降、Mac mini(2014)以降、iMac(2014)以降、iMac Pro(2017)以降、Mac Pro(2013)以降にて無料でOSバージョンアップが可能となっています。

また噂されていたプロセッサーなどのチップセット(SoC)にこれまでのIntel製ではなくARMベースの自社製「Apple Silicon」を搭載したMacも発表され、まずは年内に出荷して約2年で期間を経て移行を完了する予定だとのこと。なお、今後数年間はIntel製SoCを搭載した製品へもmacOSの更新やサポートを継続するほか、新製品も発売する計画だとしています。

Apple Siliconを搭載したMacではすでにMicrosoftやAdobeなどのアプリが提供される予定で、その他にもiOSやiPadOS向けアプリがそのまま使えるほか、Rosetta 2を用いることで既存のmacOS向けアプリを実行でき、仮想化技術によってLinuxも実行可能だということです。

さらに開発者がApple Siliconを搭載したMacを使い始めるのを支援するために、ドキュメントやフォーラム、macOS Big SurおよびXcode 12のベータ版へのアクセス、Apple A12Z Bionicや16GB内蔵メモリー(RAM)、512GB内蔵ストレージ(SSD)を搭載したMac miniがセットになったDeveloper Transition Kit(DTK)が提供されます。DTKは最後に返却の必要がありますが、500ドル(約53,000円)で開発者向けWebページから申し込むことができます。


Apple Siliconの特徴

基調講演では同社CEOのTim Cook氏がPowerPCからIntelに変わったこれまでのMacの歴史を紹介しつつ、新たにSoCを独自のApple Siliconに変更することが発表されました。Appleでは2010年のiPhone向け「Apple A4」から独自SoCを開発しており、これまでに2000億個以上の独自SoC搭載製品を出荷しているとのこと。

また今ではCPUだけでなくGPUも含めた多くを自社設計した統合SoCとなっており、Apple A4から最も新しいApple A13 BionicではCPU処理性能が100倍、Apple A5XからApple A12XではGPU処理性能が1000倍となっており、MacにApple Siliconを搭載することでデスクトップ機並の性能がノートブック機に近い省電力性にできることが紹介されました。


Apple Siliconを搭載することでデスクトップ機並の性能がノートブックに近い省電力性になるとのこと

またニューラルエンジンなどのAI(人工知能)や機械学習(ML)を利用できるため、Macは開発者がこれらを使用するための素晴らしいプラットフォームになります。これにより、すべてのApple製品に共通のアーキテクチャーが構築され、開発者がAppleエコシステム全体のソフトウェアを作成して最適化することがはるかに容易になるというメリットが生まれます。

macOS 11.0 Big SurではApple Siliconへの移行をスムーズかつシームレスにするためのさまざまな技術を提供し、例えば、ネイティブコンパイラー、エディター、デバッグツールなど、すべてがXcode 12に組み込まれているため、ほとんどの開発者は数日でアプリを実行できます。また開発者はUniversal 2によってアプリのバイナリーを使用して既存のMacをサポートしながらApple Siliconを搭載した新しいMacのネイティブパワーとパフォーマンスを活用する単一のアプリを簡単に作成できます。


Apple A12Z Bionicを搭載したMacでmacOS 11.0 Big Surを動かしているところ

Apple Developer Programの会員はユニバーサルアプリクイックスタートプログラムに申し込むことで、アプリをApple Silicon搭載Mac向けに今すぐ移行できます。このプログラムはドキュメントやフォーラムサポート、macOS 11.0 Big SurおよびXcode 12のベータ版へのアクセスを提供し、開発者がUniversal 2アプリをビルドおよびテストできるようにするDTKの限定使用を含みます。

またプログラムの最後にAppleに返却する必要がありますが、内部にApple A12Z Bionicや16GB RAM、512GB SSD、さまざまなMac I/Oポートを含むを搭載したデスクトップ仕様のMac miniが含まれており、開発者向け公式Webページ( https://developer.apple.com )でプログラムに500ドルで申し込むことができます。


Apple Silicon搭載MacのDTKに付属するMac miniの主な仕様

またmacOSの次期バージョンとなるmacOS 11.0 Big SurはUNIXのパワーとMacの使いやすさの伝説的な組み合わせを進化させたメジャーアップデートであり、10年以上で設計への最大のアップデートを提供するということです。モダンで綺麗な外観、Safari、メッセージ、マップなどの主要なアプリの大幅な改善、新しいプライバシー機能によって画期的なエクスペリエンスをもたらされるとのこと。

例えば、指先でより多くの操作をしながらナビゲーションを容易にする広々とした新しいデザインとなり、窓の角の湾曲から色や素材のパレットに至るまですべてが洗練されており、DockのアイコンはMacの個性を維持しながら、Appleエコシステム全体のアイコンとの一貫性を高めるように設計されています。


次期macOSはmacOS 11.0 Big Surに

ボタンやコントロールは必要に応じて表示され、必要でない場合は自動的に非表示となり、ユーザーエクスペリエンス(UX)が全体的により集中されて新鮮で親しみやすく感じられ、視覚的な複雑さが軽減され、コンテンツが前面および中央に配置されるようになっています。

さらにカスタマイズ可能なメニューバーにはまったく新しいコントロールセンターがあり、デスクトップからコントロールに素早くアクセスでき、通知センターはよりインタラクティブな通知とさまざまなサイズの再設計されたウィジェットが付かでき、一目でより関連性の高い情報をユーザーに提供します。

コアアプリの新しいデザインによって開いている複数のウィンドウが整理され、アプリとのやり取りがさらに簡単になりました。プライバシーはデータの透明性と制御をさらに提供し、食品栄養ラベルの利便性と読みやすさに触発され、Mac App Storeに詳述されている新しいプライバシー情報はアプリがダウンロードする前にアプリのプライバシー慣行を理解するのに役立ちます。

2003年の最初の発売以来のSafariの最大のアップデートでは世界最速のWebブラウザーがさらに高速になり、業界をリードするスピードとバッテリー寿命を実現し、高速JavaScriptエンジンはMacやPC上の他のWebブラウザーよりも優れており、Safariは頻繁にアクセスするサイトをChromeより平均50%高速にロードします。

タブは全面的に再設計され、画面上により多くのタブを表示し、デフォルトでfaviconを表示して開いているタブを簡単に識別し、タブの上にマウスを置くだけでページのクイックプレビューを表示できるようにすることで、Safariによるナビゲーションをより高速かつ強力にしています。

またプライバシーは常にSafariに組み込まれており、新しいプライバシーレポートはSafariがWeb全体のブラウジング活動をどのように保護するかについての追加の可視性を提供します。ユーザーはSafari拡張機能をいつどのWebサイトで使用できるかを選択できます。データ侵害のパスワード監視などのツールはAppleにさえもパスワード情報を明らかにしません。


macOS 11.0 Big Surの新機能をインフォグラフィックスでまとめるCraig Federighi氏

macOS 11.0 Big Surの既存製品へのアップデート予定
記事執筆:memn0ck

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(引用元:livedoor news)

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