国際福祉機器展2019:福祉機器や介護用品にもモバイル関連プロダクトがたくさん!会場内で見つけた気に…

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福祉・介護の世界にもスマホやモバイル関連のプロダクトこんなに!会場で見つけたモバイル関連展示を紹介


東京ビッグサイト(東京都・お台場)にて2019年9月25(水)から27日(金)の3日間に渡っって介護・福祉関連の製品やプロダクトを取り扱う国内最大の展示会「第46回国際福祉機器展(H.C.R.2019)」が開催されました。福祉機器・介護用品と言えば、車いすや紙おむつ・介助用箸やスプーンなどの福祉用具の食器など想像する方も多いと思います。

しかし、今では病院内での見守りシステムや電子カルテなどにスマートフォン(スマホ)やタブレットを利用したり、家庭用の介護機器とスマホを連携する製品なども数多く存在しており、医療・介護の分野においてもモバイル端末の活用が当たり前のものとなってきております。

そこで筆者も今回の福祉機器展へ取材へと行って来ましたので、会場内で見つけたモバイル関連展示で特に特徴のあった展示をいくつかまとめて紹介したいと思います。

【ウェルハブ】

まずは北海道IT医工連携事業協同組合ブース内の一角に出展していた福祉機器メーカー「ウェルハブ」の展示を紹介します。ウェルハブのブースではスマホと連携して利用する人工呼吸器アラートセンサ「アイモセンス-f」と電球用の口金に接続するだけで利用可能なLED照明型のWebカメラ「電球型Wi-Fiカメラ」が展示されていました。

・アイモセンス-f

アイモセンス-fは人工呼吸器の装着者に異常(呼吸器が外れたり電源が切れた場合など)が発生した場合のアラートをキャッチして、登録した内線用のスマホやタブレットへメッセージを通知するというものです。


アイモセンス-f。(リッジワークス製)

本機を人工呼吸器にケーブルなどで直接接続するのではなく、人工呼吸器(医療機器)の発する異常時のアラーム・通知音のみを検知してスマホやタブレットに情報を送るという方式のため、設置が簡単であるということも本機のポイントとなっています。


Android・iOS向けの専用アプリをインストールして使用することで、構内向けスマホ子機へ発信されたアラートを受けとります。

こちらは既に本機を利用したソリューションの取り扱いがの提供が開始されており、月額利用料は1台、800円(税別)で、初期導入費や大量導入などによる値引きなどは別途見積もりとなっています。個人向けにも本機が利用できると、便利そうではあるものの、今のところは病院などの医療施設向けのみの提供ということです。

・電球型Wi-Fiカメラ

「電球型Wi-Fiカメラ」は電球用のE26規格の口金に接続するだけで常時給電状態で利用可能な、その名の通りの電球型のWebカメラです。


電球型Wi-Fiカメラ(参考出展)

ブースの説明員によると、想定している用途は病室の照明の口金にセットしての入院患者の見守りのほか、夜間の工場や資材置き場などに設置しての、監視カメラとしての利用も想定しているということです。


電球型Wi-Fiカメラの機能を開設したパネル

本機の特徴としては、Webカメラとしての機能の豊富さがウリでLED灯だけでなく、暗所での撮影も可能な赤外線灯も搭載(各2つずつ)しているほか、動体検知機能やmicroSDカードにも対応(最大32GB:VGAフォーマットで録画保存可能。Class 10の32GBカード使用時で最長約12日分もの録画に対応)しています。

スマホやタブレットとはWi-Fiで接続が可能で、専用のアプリからリアルタイムでの病室見守り(設備監視)や本機の操作が可能となっています。こちらは現在開発中で、主に医療・介護用途へのサービス提供はウェルハブが行い、工場監視などの用途については別の会社が行う予定であるということです。

取り扱い開始時期などについては、ウェルハブのWebページなどで告知していく予定であるそうです。

【RTC】

RTCのブースでは参考出展として「介護施設用つながる見守り支援機器」が展示されていました。


ロビ(RoBi)やロボホン(RoBoHoN)の姿が目を引いたRTCのブース

介護施設用つながる見守り支援機器はベッドのマットレス下に設置したセンサーをPC・スマホ(タブレット)・ウェアラブルデバイス(AppleWatchなど)やロボットと連携させるというものです。

ベッド下のセンサーによって、患者(介護利用者)が現在ベッドにて横になっているのか、長座位(ベッド上で体を起こした状態)・離床(ベッドから離れた・立ち上がった状態)なのかをリアルタイムで把握し、ベッドから離れた場合などに連携したスマホやタブレット、ウェアラブルデバイスに通知が送られます。


徘徊の恐れのある患者や入居者の状況が確認できる

また、ベッドサイドにセンサーと連携させたロボット(ロボホンやPepperくん)が離床を感知すると「~さん、どちらへ行かれるんですか?」などと患者・入居者に話しかけるようにすることができるそうです。

これにより、ロボホンなどが患者・入居者に話しかけることで足止めをし、患者の徘徊リスクを少しでも減ることが期待できるのではないか、ということです。


「小型の人型ロボット」であるロボホンが、介護用見守りロボットとして活用される珍しい活用例ではないでしょうか

【トリプル・ダブリュー・ジャパン】

最後にトリプル・ダブリュー・ジャパンのブースで展示されていたスマホ(タブ)と連携可能な排尿予測デバイス 「D free」が展示されていましたので紹介します。


D free(トリプル・ダブリュー・ジャパン製)

D freeはトリプル・ダブリュー・ジャパンが開発した膀胱内のおおむねの尿量を計測し、排尿タイミングを予測してユーザーにスマホを介して知らせるというデバイスです。


「D free」の概要を説明しているパネル

使用方法としては、ユーザーの下腹部にD free本体を装着。超音波で膀胱の膨らみ具合を計測し、D freeとBluetoothでペアリングした(D freeアプリのインストールされた)スマホ・タブレット(AndroidまたはiOS)にトイレ(排尿)のタイミングを通知するというものです。


D freeの装着イメージ

D freeアプリの画面

D freeアプリの解説

膀胱の膨らみ具合を計測する超音波はエコー検査などで使われるものと同じもので人体には無害で、安心して利用可能。尿意を感じることのできない障害を持った人や、排尿コントロールのうまくいかない子供などのほか、オムツに頼りたくない高齢者(介護利用者)なといったの人の利用を想定しており、本機を利用することで、急な尿意や尿漏れへの対策・高齢者や障害者への排泄介助の負担軽減などが期待できます。

こちらはすでに一部の家電量販店にて販売中で、今後はドラッグストアなどでも取り扱いが予定されているということです。人によっては深刻になりえる問題を生活に最も身近なアイテムとなったスマホを活用して解決する必要な人にとっては本当にありがたい機器ではないでしょうか。

【エス・エム・エス(SMS)】

介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」を提供しているエス・エム・エスのブースでは医療・介護事業者向けのMVNO(仮想移動体通信事業)サービスの「カイポケモバイル」を展示・アピールを行っていました。


SMSのブースにてかなり大きくアピールをしていた「カイポケモバイル」

カイポケモバイルは前述の通り、医療・介護事業者・法人向けに提供している仮想移動体通信事業者(MVNO)による携帯電話サービスで、基本使用料のみで24時間通話放題・月間のパケット量7GBまでの高速通信(7GB到達以降は低速通信に切り替わり)・端末の貸し出しもコミコミ・最低契約期間なし(短期解約による違約金なし)などのポイントをアピールしています。


回線はソフトバンク

月額利用料は2,500円(カイポケの有料会員価格。フリー会員は3,000円)で、7GBもの高速パケットデータ通信がついてこの値段はかなり、リーズナブルなものではないでしょうか。


低コストでなおかつ、手厚いサービスや長所があるのは法人向け専用回線ならではかも。

医療・介護事業者向けにMVNOとして電話回線を提供する理由として「多くの医療・看護職員やヘルパーの連絡手段に個人持ちのスマホやケータイが使われている」というものがあります。

個人持ちのスマホなどでは患者・介護利用者の個人情報である電子カルテへのログインは問題があり、訪問看護師やヘルパーが訪問先で事業所から貸与された専用の端末であれば、これらの情報へアクセスしやすく、スタッフの負担(パケット通信や通話代)を軽減させるという目的もあります。

7GBもの高速データ通信が利用可能で、通話放題、さらに契約期間の縛りもなしと、純粋なMVNOサービスとしてもかなり魅力的なのですが、説明員によると、法人のみへの提供であり、個人ユーザーへの提供については考えていないということです。

かなり魅力的な料金形態だけあって、個人で契約できないのはちょっと残念だが、医療・介護事業者向けを謳っているため、仕方ないかもしれません。

というわけで、国際福祉機器展2019の会場内で発見したモバイルを活用した機器やソリューションなどをまとめてレポートいたしました。記事の冒頭にも書きましたが、現在ではすっかり介護・医療分野向け機器やソリューションにスマホやモバイル関連技術などとの連携・活用が行われており、モバイル端末を活用したモバイル端末の周辺機器として福祉機器が登場するなどしています。

今、本記事を読まれている多くの人が直接これらの機器やサービスをすぐに活用する機会はないかもしれません。しかし、「モバイル端末やネットワークを活用した機器やサービスは着実に広がってきており、それらのサービスを利用している人が今も数多くいる」というのは知っておきたいと思います。

そして、これらの技術やソリューションの情報が必要としている人へ届いてくれれば、筆者個人としても大変嬉しく思うのです。

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トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社


記事執筆:河童丸

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(引用元:livedoor news)

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